半落ち(mini)

2004・1公開
非常に重いテーマですが、きちんと逃げずに立ち向かって作っている、という感じがしました。 主演の寺尾聡さんは、さすがにうまかったですが、彼が犯した罪を考えると、あまりにも妻への気持ちが綺麗に描かれ過ぎている気がして、むしろ私としては、後半に出てくる裁判官(吉岡秀隆)の家族のほうに感情移入してしまいました。

田辺さんは、事件を追う記者(鶴田真由)の恋人役。 あまり好かれない現実的な役だけれど、それならそれで、脚本に、もうひとひねり欲しかった気がします。 たくさん登場人物がいる中で、あのあたりの役を書き込むのは難しいんでしょうが、逆に、あのあたりの役が膨(ふく)らむと、映画自体にも もっと奥行きが出たような気がするのですが、どうでしょうか。
演じ手の田辺さんにも、もっと喰らい付いて欲しかった、何とかもっと足掻(あが)いて欲しかった、という気がします。まぁ、あれだけのエピソードじゃどうしようもない、とも言えるんでしょうが、それにしても、ちゃんと咀嚼(そしゃく)しきれていない中途半端な感じがしたのは事実なので。 

うーん・・・けっして、田辺さんをもっと出せ!ってことが言いたいわけでは・・・・(笑)