今さら『女王の法医学 ~屍活師~3』感想

2023年7月3日20:00からテレビ東京系で放送されたドラマ『女王の法医学 ~屍活師~3』の、今さらながらの短め感想です。

今までの3作の中で、この作品が一番面白かったです!
過去2作は、田辺誠一さんのファンなのでどうしても村上刑事に目が行ってしまって、桐山ユキ(仲間由紀恵)との関係性を中心に観ていた感が強かったのですが、今回は、あまりそこに気を取られなくて済んだ、というか、二人の(おそらくは本来の)距離感がやっと掴めたというか、すごく自然な形で自分の中でストンと腑に落ちたところがあって‥
私が一番好きだったはずの村上のユキへの不愛想で嫌味な対応というのが 今回はまったくなかったのですが、もうそれで正解!と思いました。

最初の事件ではユキが施したクリッピング術が、二つ目の事件では自分のせいで愛する人を喪(うしな)ったと責める結衣の姿を通して 過去のユキが背負ったものが、それぞれ浮き彫りになり、やがて過去の村上理の死の輪郭が浮かび上がって来る‥そのあたりの、二つ事件とユキとの関連性が物語に無理なく溶け込んでいて、すんなり感情移入出来た気がします。
つい欲が出て、ユキの手術のせいではないかもしれない 村上理の死の謎、とか、その背後にあるもの、とか、今後この物語の核心に迫るような伏線が撒かれていたのではないか、と、勝手に解釈。
(その流れで、教授が車椅子なのはなぜか、とか、つい横道に逸れてしまったり)
それもこれも、そういう深読みをしたくなるような内容だったから、なんですよね。

今回、ワンコ(松村北斗)の存在が非常に重要だったのですが、そのプレッシャーに見事応えた松村くんに拍手。
ユキへの不信感をぬぐえない村上に、「村上さんや御両親はもちろんですけど、婚約されてた桐山先生も辛かったですよね。結婚を約束してた人を、好きな人を手術で死なせてしまったなんて‥」と言って、ユキ自身も傷ついたことに思いを馳せさせたり、人間の感情も大事だと言ったり‥
で、丹羽教授(石坂浩二)がユキに言った、「私だけかな、犬飼一くんがどこか村上理くんに似ていると思うのは。まっすぐで、感情を大切にするところがね」という言葉で、何だかもうすごく合点が行ったのですよね。
中途半端に感じられたユキに対する村上の立ち位置も、私が勝手に(田辺さんのファンとして)こうあって欲しい、でも何だかそうじゃないのかも‥といった憶測が生んだもので、教授の言葉によって、ユキとワンコのバディとしての親和性が(今回ワンコが成長したおかげで)より納得行く流れになった気がします。
村上ファンとしても、中の人(田辺さん)ファンとしても、ユキと距離が離れたと感じられることが寂しいとは思わなかった。むしろ、そのことで、村上と弟・理とユキの距離感が、私の中で、気持ちよく落ち着いた、と思えたので。

事件については、結衣役の徳永えりさんが抜群の存在感‥というか、むしろあまり役として前に出ない、その控えめな感じがこの役に見事に嵌(はま)っていて、素晴らしかったです。
てか、前回といい、ワンコ 事件に巻き込まれ過ぎ。(まあそれも、TVドラマ全般によくあることではあるんだけどw)

友人・亮平(佐野岳)と結衣の結婚2次会に呼ばれたワンコ。
亮平の毒物死。自殺なのでは? 研究を続けたかったのに大学を辞めて自分の父親の会社に入ることになって、追い詰めてしまったのでは?と思い詰める結衣。
そんなことない、ときっぱり否定するワンコ。
私が彼を殺した‥という結衣の言葉に、村上の弟を殺してしまったと思い詰めた自分を思い出すユキ。

自殺じゃないというワンコに、解剖しても何も異常は見られない、今分かってる事実はそれだけ、ワンコの気持ちは関係ない、とユキ。
「生きてる人間の気持ちも立派な判断材料ですよ。自殺じゃないのに自殺のまま処理されたら亮平くんは無念のまま死んで結衣さんは好きな人を死なせたってずっと苦しみますよ。それがどれだけ辛いか先生が一番よく分かってるじゃないですか‥」と口走ってしまい、ユキに無言で詰め寄られ、謝るワンコ。 
ここで丹羽教授の出番。「桐山くん、今の謝罪を受け入れるかな?」「‥はい」「犬飼くん、我々は私情を挟まず解剖によって判明した事実のみから判断する、それが法医学者だ。さらに君は事件には関係のない言うべきではないことまで口にした、次はないことを覚えておきなさい」と きつくお灸をすえる名裁(さば)き。
この時ワンコが壊した鉢植えから、ビールをこぼした件に繋げる、ワンコとユキの連携も良かった。

「結衣さんを疑ってるんですか」と言うワンコに、「全員を疑うのが仕事だ」と結衣に会いに行く村上。
話を聞く村上の 結衣を見る眼差しが、優しくて、痛ましい思いもあって、でも、疑いの色も少し含んでて‥法医学者が解剖によって判明した事実のみから判断するのと同じように、刑事もまた 示された事実のみから真相を探り出そうとする、その上で村上は生きている人の気持ちも汲み取ろうとしている‥感情を大切にしようとするのは、理やワンコだけじゃない‥と、私には何だかそんなふうに思えました。(多分にファンとしての贔屓目(ひいきめ)を含んでいるかもしれませんが)

ワンコに 亡くなった村上理のことを話す教授。「二人とも優秀な医師だった、桐山くんは脳外科医として村上くんは病理医として。村上くんと一緒にいる時の桐山くんはいつも笑顔だった。愛する人を死なせてしまった‥あの時の桐山くんの姿は今でも忘れない、味覚障害になるほどのダメージを受けたんだからね。もう10年になるかねぇ‥」
その味覚障害を少しずつ自覚し始めているユキ。ゆっくりとですが、彼女も変わろうとしているのかも‥

辛いせんべいをユキに無理やり食べさせられて、辛すぎるから中和しないと、と甘いものを探すワンコ。中和という言葉からヒントを得るユキ。
一方、村上も、SNSの写真から亮平の同僚・沙也加(高田夏帆)を疑います。
ユキは、アコニチンとテトロドトキシンを使って死亡を遅らせたのではないか、と推察。
この時の法医学室みんなで言葉を継いで行く説明が分かりやすかったです。

沙也加を訪ねた結衣、二人の会話の緊張感が、キリッとしていてすごく良かった。
亮平を好きだった二人の、想いたけのぶつけ合い、沙也加が淹れた紅茶‥
何かあるんじゃないか、と目が離せなかったです。

一方で、真相に近づいて行くユキたち。
ユキに、タダスと初めて名前呼ばれて張り切る林田匡(小松利昌)がかわいい。
猫の手→犬の手→ネズミと繋がるのも面白い。しかもそれを言ってるのがユキってことで、なおさらツボに入ってしまいました。
そして村上たちも‥そこから真犯人に繋がる流れ‥

亮平の手が荒れていた原因は、陶芸で使われる釉薬。亮平は、結衣のために内緒で陶芸教室に通っていたのですね。
「あなたに会えて彼は幸せだった」というユキの言葉、そっくりユキに送りたい、と思いながら聞きました。

「あの時、村上理くんのご遺族が納得出来ず、私は解剖を勧めたんだ。そうすれば、亡くなった理くんが何か教えてくれると思ったから。どんなに難しい手術でも、君が自信をもって臨んだのなら、成功するはずなんだ。ひょっとして解剖に何か見落としがあったんじゃないかと今でも‥」と話す教授に、
「私が彼を死なせたんです。解剖でそれがはっきりして良かったと思ってます。」とユキ。
でも‥やっぱり何か裏がありそうだよなぁ‥こりゃ続編あるよね きっと、と期待してしまう私。
(ちなみに、教授の言葉にかぶる たばこを吸う村上の横顔が、私的に一番の萌えポイントでした)

エピローグ。
解剖室で遺体を前にああでもないこうでもないと悩むワンコ。
「いつか犬飼くんも真実を見ることの出来る法医学者になるかもしれない」という教授の言葉を思い出したものの、道は長そうで、まだまだワンコか‥とため息交じりのユキ。
そして「屍は活ける師なり」と言うユキの、あいかわらず美しいまなざし・・余韻の残るラストシーンでした。

くどいようですが 改めて‥続編(あるいは連ドラでもOK)を待っています。


『女王の法医学 ~屍活師~3』
放送2023年7月3日20:00-21:54 テレビ東京
原作:杜野亜希「屍活師」 監督:村上牧人 脚本:香坂隆史
チーフプロデューサー:中川順平(テレビ東京
プロデューサー:黒沢淳(テレパック)、雫石瑞穂(テレパック)、山本梨恵(テレパック
制作:テレパック 製作:テレビ東京 BSテレ東 テレパック
出演:仲間由紀恵 松村北斗SixTONES
徳永えり 佐野岳 高田夏帆 飛永翼 中村靖日
新実芹菜 小松利昌 石坂浩二 田辺誠一 他

今さら『それってパクリじゃないですか?』感想

2023年4月から日本テレビ系で放送された連続ドラマ『それってパクリじゃないですか?』の、今さらながらの短め感想です。

知財部」というのは聞き慣れない言葉ですが、会社の知的財産を守るための部、とのこと。
月夜野ドリンクの開発部から知財部に異動になった藤崎亜希(芳根京子)が、親会社から来た弁理士・北脇(重岡大毅)と共に、会社の知財を守るために奮闘する物語‥なのですが‥
う~ん、最初のキラキラボトルのアイデア盗用から始まって、特に前半は身近に感じられない問題や難しい交渉ごとが多くてピンと来なかったりして、なるほどとは思っても、話にすんなり入り込めないところがあったのが残念でした。

でも、2話のパクリとパロディとの違い、というのは、よくある話でもあり、興味の持てたところで、「許すべきか許さざるべきかなんて、所詮はその時々の世間の感覚、気分で決まるものなんです」という北脇の言葉から、結局つかみどころがしっかりしてるわけじゃなくてあいまいなんだなぁ、だからこそ線引きが難しいってことなのね、と、なんとなく納得もして。そのあいまいさの中で、会社として、相手の会社とウインウインの関係になるよう業務委託という道筋をつけた、というのは、いい着地点だったように思います。

私としては、どちらかと言うと、専門的な話よりは、亜希の友人・ゆみ(福地桃子)の「ふてぶてリリィ」の著作権問題とか、月夜ウサギ(9話)とか、自分たちに近しいものとして、もう少し深く知りたいところではありました。
20数年前、私がHPを作り始めた頃は、著作権に対して今よりずっと縛りがきつかったように思うのですが、最近は、SNS等のタレントの画像とか 皆さん割と自由に使っている気がするので、そういうのはどうなんだろう、まったく問題ないんだろうか、私がそのあたりのことに疎いだけ?‥と、個人的に常々疑問に思っていたところではあるので、そんな身近な問題も取り上げて欲しかった気がします。

・・と、まぁなかなか取っつきにくい題材ではあったのですが、後半は、ドラマ全体に深みが出て来て、芳根さん・重岡さん他のメンバーも役にしっくり馴染むようになり、面白くなって来ました。
亜希と五木(渡辺大知)をひそかに応援する北脇、北脇とゆみをひそかに応援する亜希の、本人以上のドギマギぶりが可愛いかった。

7・8話のパテントトロール問題、猫腕輪がうまく使われていたり、芹沢(鶴見辰吾)と戦うメンバーのシャキッとした味わいも、チームワークが出来上がって来た感があって良かったです。
あと、常に会社のフロアでたくさんの人が働き、何かあるとサッと集まって協力する様子も観ていて楽しかったです。

9話から最終話にかけて。
特許案件で先を越されたハッピースマイルに乗り込む熊井(野間口徹)と亜希。
知財部長の田所(田辺誠一)の握手を突っぱね、「社員全員の商品に懸けた願いをむげにしたくはありません!」と啖呵を切る熊井がかっこよかった!
このあたりは、取っつきにくい内容ではあっても、観る側を引き込むような勢いみたいなものがあって、共感しやすかったです。

全体的に、亜希は、もうちょっと大人な感じでもよかったんじゃないかと思いました。芳根さんの眼がいつもキラキラしていて素敵だったのに、キャラが追い付いていない感じで、前半は何だかしっくり来なかった。
終盤、ふわんふわんして掴みどころのなかった亜希がおちついて来たあたりから、ストーリーにも重みが出て来て、面白くなった気がします。

北脇は、つっけんどんだけど最初から冷たい感じがしなかった。
少しずつ表情が豊かに、可愛くなって来て、亜希といい意味で丁々発止って感じになって行く、その流れがすごく自然で、途中から北脇のツンデレぶりが面白くなっちゃって。ようやく口角あげるようになったか、ほほえむようになったか、笑うようになったか‥と、その時々の変化に何だかすごく惹かれ、同時に、重岡大毅という俳優さんにも(ついでに流れで彼の所属するグループにも)興味を持つようになりました。
(ふと『正直不動産』の永瀬(山下智久)を思い出したのですが、でも、持っている空気感がやっぱりちょっと違ってて、その違いに興味が湧きました)

亜希と北脇との距離がいい感じで縮まって、きゅるんきゅるんとかぽわわわ~んとかの擬音語がうまく潤滑油になって、しかも、安易に恋愛感情抱く展開にはならなくて、ある程度の距離を保ったまま最後まで行き着いたのは、私としては、すごく好感が持てました。北脇の「たわわわ~ん」で終わるのも微笑ましかったです。

脇では、福地桃子さん、野間口徹さん、ともさかりえさん、渡辺大知さんあたりがいい味出してました。
常盤貴子さんは、あくまで私個人の印象ですが、キャラクターがきちんと出来上がって魅力的に見えるまでに時間がかかってしまったような気がして、もったいなかったです。

田辺さんはライバル会社の知財部の弁理士で、けっこうズルい手を使って月夜野に揺さぶりをかけたりするのですが、ラスボス感はなく、最後の特許案件にしても、自分の部下が起こした問題に対し、(たとえ腹ではどう思っていたとしても)こちらが悪かったと思えばきちんと詫びることが出来る、大人な対応が出来る人、という感じでした。田所、ビジュアルもとても良かった、イケオジでしたね。
ただ、もうちょっと出番があれば、北脇の好敵手にもなりえたんじゃないか、と思うのですが、そこまで描いてもらえなかったのは、ファンとして残念ではありました。
重岡×田辺の本格的ながっぷり四つ、観てみたかったです。


『それってパクリじゃないですか?』
放送:2023年4月12日-6月14日毎週水曜22:00-全10回日本テレビ
原作:奥乃桜子  脚本:丑尾健太郎 佃良太
演出:中島悟 内田秀実 鯨岡弘識  音楽:富貴晴美 
オープニング:ジャニーズWEST「パロディ」 エンディング:AARON「ユニーク」
チーフ・プロデューサー:三上絵里
プロデュース:枝見洋子 森雅弘 岡宅真由美(アバンズゲート)
制作(協力):AX-ON アバンズゲート 製作:日本テレビ
出演:芳根京子 重岡大毅
渡辺大知 福地桃子 朝倉あき 豊田裕大 秋元真夏 高橋努
相島一之 赤井英和 野間口徹 ともさかりえ 田辺誠一 常盤貴子 他

今回より「ジャニーズ」のカテゴリーは外させていただきました。ご了承下さい。

今さら『七人の刑事』(シーズン8)感想

2022年7月からTV朝日系で放送された「シーズン8」の、今さらながらの短め感想です。

今回は、全体を通して、新加入の坂下路敏(小瀧望)の成長譚、といった趣(おもむき)になっていました。
「汗をかかないで解決した事件はひとつもない」、「真似しろとは言わない。ただ、いいところは盗めばいい、それが新人の特権だ」、「路敏は人に期待しすぎ。それは人に甘えてるってこと」等々、各回ごとにメンバーからかけられる言葉が、彼のかたくなな心を少しずつほぐして行ったように思います。

一方で、初回終了と共に水田環(倉科カナ)がアメリカに行くことに。このチームの中での環のシャキシャキした味わいが私は好きだったので、彼女が抜けるっていうのはちょっと残念でしたけれども‥

そんな中、我が推しの海老沢(田辺誠一)が、何だかすっかり肩の力が抜けた感じがしたのは贔屓目(ひいきめ)でしょうか。(田辺さんって、こうなるまで時間がかかったりするけど、こうなると強いのよね~・・ってのは、あくまで20数年間この俳優さんを観て来た私の単なる主観です、すみません😓)
初めてシン専従捜査班にやって来た路敏に対して、「いい子だ!」を実感込めて何度も繰り出すエビちゃんがめちゃくちゃツボに入ってしまい、思わず吹き出してしまった私。いや~エビちゃん最初からリラックスしまくってます。

マジンガ-ZからのドラゴンボールZってのも良かったな~。メンバーの関係性もますます練れて来て、それぞれ気心が知れて、アドリブ込みで好きなこと言ってる感じが何とも楽しい。
周りで好き勝手にやってても、ちゃんと天樹(東山紀之)が揺らがずにいてくれるし、事件になれば全員一気にシリアスモードになるので、心配ない。
青山(塚本高史)の一歩引いたところでの安定感、片桐(吉田鋼太郎)の自由さ、堂本(北大路欣也)の実直さ、も、変わりなくて嬉しい。

路敏のコスパ重視の姿勢も新しくて面白いです。生意気なところはあるけど、最初からちゃんと他のメンバーの彩度に馴染んでいて浮いていないのがいい。‥ん~でも、逆に馴染み過ぎてる感じもするので、今後、もうちょっと彼なりの個性が出てくれば、もっと味わい深くも面白くもなるんじゃないかと。
終盤にかけて、彼の隠された部分も明らかになって来て、人間味がじわっと沁み出てきたところで、
「恩人を失って辛かったんだろ、悔しかったんだろ、そういう思いを一人で抱え込んでないで俺たちにも話してくれよ」(拓海)
「ランチの誘い断ってもいいし、飲み会に来なくてもいいよ。でも抱えてることがあるならちょっとぐらい話して欲しかったな」(青山) 
「世代も時代も違うけどさ、おまえより長く生きてる分、少しは頼りになると思うんだけどな」(片桐) 
「おまえがどう思ってるかわかんないけど、少なくとも俺たちは仲間だと思ってるからさ」(海老沢)
とメンバーからの温かい言葉。
その後、初めて”あっけし”の飲み会に来て、一気にキャラ変して陽気な酔っ払いになって行く路敏くん‥うん、可愛かったです w
そして、今回、拓海にも癒(いや)されました。息詰まるような事件も多い中、環がいない分、拓海の明るさ‥と言うか、和(なご)やかさ‥と言うか、片桐とは違った自由さ(縛りのなさ)みたいなものに救われたところも。
8話など、路敏との相性も良く、これからの二人が楽しみになって来ました。

それぞれの事件については、ある程度パターン化されて来たかな、という感じ。
海老ちゃんと子供、拓海とアウトドア、など、メンバーそれぞれメインの回の色味みたいなものがあって、それが全10回のドラマに幅を持たせているとも思えましたが、事件そのものの意外性だったり動機の深みだったりというところが、ちょっと物足りなかった気もしました。
中では、6話の、一見かかわりのなさそうな3つぐらいの事件が少しずつ絡み合って繋がって行くのが面白かった。2話や3話の、全員で走り回ったり這いつくばったりして汗をかきながらヒントを見つけて行くところも好きでした。

登場人物については、4話の片桐仁さんがあまりにももったいない使い方だったなぁ、と。事情聴取を田辺さんエビちゃんがやってたのですが、共演もいろいろある二人なので、あれやこれや思い出して、懐かしかったです。
4話には、他に、マギーさん、宮崎吐夢さん、宍戸美和公さん等々、惹かれるメンバーが揃ってましたし、5話の西岡徳馬さん、田山涼成さん、松原千恵子さんのトリオも味わいあったし、池田成志さんも印象的だったし、観月ありささんも普段とちょっとイメージの違う役で、なかなか興味深かったです。

心残りとしては、片桐の奥さん(安藤玉恵)に出て欲しかったなぁ。
エビちゃんについては、3世代(ひょっとして義理のお父さんもいたら4世代?)家族のエピソードとか、昇任試験とか、ちょこちょこ出ていたネタに今回ほとんど触れられなかったのが寂しかった。試験っていったいいつまで受けられるんだろう‥?


『刑事7人』(シーズン8)    
放送:2022年7月13日 - 9月14日毎週水曜 21:00 - 21:54 全10話 TV朝日系
脚本:森ハヤシ 吉本昌弘 吉高寿男 小西麻友 徳永富彦  
監督:兼﨑涼介 安養寺工 宗野賢一 柏木宏紀 大山晃一郎 
音楽:奈良悠樹
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子テレビ朝日
プロデューサー:山川秀樹(テレビ朝日) 石田奈穂子(テレビ朝日
和佐野健一(東映) 
制作:テレビ朝日 東映
出演:東山紀之 田辺誠一 小瀧望 白洲迅 塚本高史
倉科カナ 吉田鋼太郎 北大路欣也 他
公式サイト

今さら『DCU』(第8話)ひとこと感想

『DCU』は、2022年1月-3月にTBS系で放送された連続ドラマなのですが、今回は、田辺さんの出演回(8話)のみの ひとこと感想になっています。ごめんなさい。

【第8話】
う~ん、戸塚(田辺誠一)が誰かに脅されて新名(阿部寛)を殺そうとする、というのは、ドラマ全体としては無理のない展開だったのでしょうか。正直、私にはちょっと違和感がありました。
(全話ちゃんと観てない私がこんなこと言う資格はないのでしょうが、あえて。 気を悪くされた方がいたらごめんなさい)

『刑事7人』のような1話完結ではない連続ドラマの途中にゲストとして加わるって、なかなか馴染みにくい部分があったんじゃないかなぁ、と思うし、戸塚としての気持ちの持ちようもそれほど丁寧に描けていたわけではないので、新名の前で心情を吐露するシーンは、田辺さん、娘を愛する父親としての苦悩を、かなり強引‥と言うか、力技で表現していたように感じました。
ドラマ全体の大きな流れ(東都重工の機密文書に絡む)と、自分と娘の物語、その両方を成立させる(観る側に納得してもらう)のは、なかなか大変だったんじゃないか、と。

とは言え、阿部さんとの共演は嬉しかった。確か『恋人はスナイパー〈劇場版〉』以来だと思うのですが、懐かしかったし、いろいろ思い出してしまいました、当時めちゃくちゃ田辺さん演じる舟木にハマっていたのでw
あと、新名の妻を演じる市川実和子さんが、ものすご~くかわいかったです。阿部×市川、いいコンビでした。

『DCU』
放送:2022年1月16日 - 3月20日 毎週日曜 21:00 - 21:54 TBS系
脚本:青柳祐美子 小谷暢亮 小澤俊介
演出:田中健太 音楽:木村秀彬
製作総指揮:貴島誠一郎 プロデューサー:伊與田英徳 関川友理 佐久間晃嗣
製作:TBSテレビ
出演:阿部寛 市川実和子 田辺誠一 他

今さら『女王の法医学 ~屍活師~2』感想

2022年3月21日20:00からテレビ東京系で放送されたドラマ『女王の法医学 ~屍活師~2』の、今さらながらの短め感想です。

事件は、埼玉県警の村上(田辺誠一)が追っていた不審な男・大塚が、「やめろ!助けてくれ!」と叫んで屋上から転落し死亡、現場には大塚の他に村上しかいなかったことから、村上に疑いがかかるところからスタート。
法医学准教授・桐山ユキ(仲間由紀恵)が解剖したところ、大塚のコカイン摂取が判明、幻覚症状による妄想によって飛び降りた可能性が大きく、大塚が来ていたジャンバーから村上の指紋が発見されなかったということもあり、早々に村上の疑いは晴れ、謹慎を解かれます。
この後、ユキと村上はラウンジでコーヒーを飲むのですが、あいかわらずユキは砂糖を山ほど入れます。「コーヒーだけじゃ礼には足りないか」と言ってちょっと距離を置いて隣のテーブルにつき ネクタイをゆるめる村上に、「何かホッとした顔してんね。実はビビってた?」とユキ。「バカ言うな」「強がりは昔っから変わんないね」「アンタは変わったな。脳外科にいたころから愛想はなかったが、もっと笑ってた」「今の私が笑ってたら、アンタはムカつくんでしょ‥法医学はいいよね、遺体が相手だから死なせる心配はないし」「‥確かにな」
欲深ですが、ユキと村上の こういうちょっとトゲのある応酬が好きな私としては、この時の二人の空気感をもうちょっと長く味わわせてもらいたかったなぁ、と思いました。

さておき。大塚の転落死は、この後のさらなる事件の序章となります。
大塚が持っていたバッグの中の宝飾品が瓜生公造(山田明郷)という男性のものであることがわかり、警察が瓜生の自宅に行くと、瓜生とその妻・節子(手塚理美)が殺されていたのです。
大塚が犯人かと思われましたが、彼は頸椎ヘルニアの後遺症で握力が弱いうえに、腕を振り上げることが出来ないので、二人を殺すのは不可能。

ユキは瓜生夫妻を解剖、死亡時間をずらすトリックに気づきます。
そのトリックを仕組んだのは、節子の息子・仁史(高木雄也)。犯行の動機は、公造の遺産を狙ったため。
20億の資産を持つ公造が節子と同時に死んだ場合は、全額が実子の淳(袴田吉彦)に、公造が死んだ時に節子が生きていた場合は、遺産の半分は淳に、半分が節子に渡る。しかし、節子が死んでいるので、その遺産は節子の子である仁史が相続することになる——­このあたりちょっとややこしいのですが、仁史は公造の養子ではない、というところがミソ。
しかし、仁史は私欲のためにそうしたのではなく、「遺産を全部寄付すれば、かあさんは注目されて感謝もされる、かあさんが生きてきた証を残したかった」と。
それを聞いたユキは「変な承認欲求。くだらない。お母さんは感謝されたいって言ったの?勝手に死んだ人の気持ちを決めつけたわけだ、一番母親を理解しているはずのあなたが」とバッサリ。
父親のリハビリで仁史の世話になり、本当の兄のように慕っていた実習生・ワンコこと犬飼一(松村北斗)の「お母さんは本当に不幸だったのかな」の言葉で、身体が弱かった自分のために節子が自分を犠牲にして瓜生の妻になった、母はずっと不幸だった、と思い込んでいた仁史が、節子との日々を思い出し、そうではなかったと気づいていく‥
そんな仁史への、「死んだからってその人が消えるわけじゃない、私たちが遺体の声を聞けるように、生きてるアンタの思いもきっとお母さんに届く」というユキの言葉は、ちょっとほっこりしたところかな。
その言葉をきっかけに、実はワンコの父親の手術をしてくれたのがユキだったことも判明、「みんなの思いがお父さんに届いたね」と言った後のユキのやわらかくて美しい笑顔がものすごく印象的でした。
(‥そうかぁ、脳外科医だった頃はあんなふうに笑ってたんだ‥村上もきっとユキのあの笑顔が好きだったんだろうなぁ‥弟のことがあってその笑顔が見られなくなって寂しい気持ちもあるのかもしれないなぁ‥なんて、勝手に妄想してしまいました)

たった数時間の死亡時刻の違いで遺産を相続する者が変わるというのは、なるほどと思わせるものでしたが、大塚が家を荒らしたところに、ちょうど瓜生の秘書・三島(筧美和子)がやって来て二人を殺し、その後に仁史が来た、というのは、ちょっと出来過ぎかなと。
ただ、もっとも怪しい人間と見られた瓜生淳(袴田吉彦)が見せかけに過ぎず、次から次へと容疑者が浮かび、宝飾品を盗んだ人間、二人を殺した人間、死体に細工をした人間が、別々にそれぞれの思惑で動き、それがひとつの事件として構成されて行くのは、なかなか面白かったです。

今回は、ワンコが随分と頼もしくなって、ユキとバディと言われても違和感なくなっていてびっくり。
「先生は亡くなった人のことばかり考えて、生きている人から逃げているように見えます」なんて、ユキの痛いところを突いてくるようになったりして。
節子の遺体の前で「真実で遺族が浮かばれないこともある」と言うワンコに、ユキが「ありのままを見なさい、遺体のありのままを。アンタの思い入れはこの人の真実と関係ない。真実はこの人の体の中にしかない」と諭すシーンでは、ワンコの成長も見られて良かったし。

でも、その分、村上とユキの関係がちょっと弱まったかな。コーヒーを飲むシーン以外は、二人の立ち位置が前回ほど明確ではなかった気がします。相容れない気持ちがありながらも仕事の腕は認め合っている、という、微妙なニュアンスが少し薄まってしまったようで、村上好きとしてはそこがちょっと残念ではありました。

ユキのあいかわらず陰影のある雰囲気がとてもいいです。味が分からない、変なお菓子に手を出す、でもなぜ味が分からないのか‥というのは、すでに放送済みの「3」で明らかになったのでしょうか。観るのが楽しみです。

『女王の法医学 ~屍活師~2』
放送:2022年3月21日20:00-21:54 テレビ東京
原作:杜野亜希「屍活師」 監督:村上牧人 脚本:香坂隆史
チーフプロデューサー:中川順平(テレビ東京
プロデューサー:黒沢淳(テレパック)、雫石瑞穂(テレパック)、山本梨恵(テレパック
制作:テレパック 製作:テレビ東京 BSテレ東 テレパック
出演:仲間由紀恵 松村北斗SixTONES
高木雄也Hey! Say! JUMP手塚理美 袴田吉彦 筧美和子 山田明郷
新実芹菜 小松利昌 石坂浩二 田辺誠一 他