ベル・エポック(talk)

1998・9・26公開
★このトークは、あくまで、翔と夢の主観・私見によるものです。
 

  夢:うわ~い、石橋くん、石橋くん♪(笑)
  翔:出だしから、いいよね。すごく普通で。
  夢:この「普通」が、翔の好きな「普通」なのよね?
  翔:うん、私の好きな「普通」。・・・って、ここから読んだ人は、何 言ってるか 分からないよね。(笑)
  夢:詳しくは、『四月物語』のトークをご覧下さい、ってことで。
  翔:そうだね。
  夢:もう一回最初から観直した、って事だけど、新しい発見、あった?
  翔:この映画って、「アンサンブル」で見せる映画だったんだな、と思った。
  夢:アンサンブル?
  翔:そう。出演者のハーモニー、って言ったらいいのかな、それがすごくいいから、途切れ途切れに観ないで、全体を観て、その中に棲んでいる田辺さんの、雰囲気とか、息遣いとかを感じて、楽しんだ方がいい、と思った。 田辺さんのシーンだけを観るのもいいけど、きちんと、最初から最後まで観るべきだな、と。
  夢:でも、出番がそう多くないから、待ち切れない、って事もあるのよね。
  翔:その気持ちも分かるけどね。――多分、私、この映画そのものが 好きなのかもしれない、田辺さんが出てるから、という事だけじゃなくて。 ううん、それよりもっと、登場人物一人一人が好き、って言った方がいいかな。
  夢:たとえば?
  翔:女性が 5人出て来るんだけど、それぞれに共感出来る部分が、必ずある。 一番わがままで 身勝手に見えるヨシコ(白島靖代)だって、本当は寂しいんだ、と分かるから、あんなふうに、周りに さざなみ立てたくなる気持ちが 理解出来るんだよね。
  夢:あたし達、あの年代を通り越して来た人間だから、共感出来るところが一杯ある、っていう事も 言えると思うんだけど。(笑) 
  翔:そうだね。 仕事に、恋に、一番女性が揺れる年頃だからね。 私達は、それを、身を持って経験してきた(笑)わけだから、余計に、身につまされる、ということが言えるかもしれない。
  夢:うんうん。
  翔:この映画、女性達も、傍にいる男性達も、すごく魅力的に描かれていて、そんな人達の中で、田辺さんが、「石橋」として生きている、という事が、すごくうれしかった。 『四月物語』の時も思ったんだけど、田辺さんが出ていなかったら、多分、私は この作品に出会えなかっただろう。 そう思うと、田辺さんのファンになった事の幸せを、感じます。
★    ★    ★
  夢:石田ひかり筒井道隆田辺誠一、とくれば、『あすなろ白書』だ!と思ったんだけど。(笑)
  翔:ビデオ観てから4ヶ月ぐらいしか経ってないのに、懐かしいなぁ。
  それにしても、田辺さん、出世したよね。 『あすなろ・・』の頃は、筒井くんの友人の役で、ちょこっと出てただけだったのに、今や、堂々、ひかりちゃんの元カレの役だもの。
  夢:筒井くんが、また、全然変わってなくて、ね。
  翔:音無(筒井)が、福岡まで石橋(田辺)に会いに行って、二人でコーヒーかなんか飲むシーンがあるじゃない。 二人並んでるのを見たら、田辺さんだけが、一方的に歳月重ねて大人になった、みたいな感じがして、なんだか微笑ましかった。(笑)
  夢:柏原くんの弟の柏原くん・・・って、変な言い方になっちゃうけど・・・(笑)
  翔:(笑) 崇くんの弟の収史くん、ね。
  夢:そうそう、彼も良かった。
  翔:二人とも夢ちゃん好み?(笑)
  夢:うん。 ちょい役で出てた長瀬くんもかっこ良かったし。
  翔:ちょい役で出ていた人達の中では、私は、菅野美穂さんが良かった。 あいかわらずトラブルメーカーで、うまいな、と。
  夢:5人の女性陣の中では、誰が良かった?
  翔:詩音(鷲尾いさ子)。 あの世間擦れ(せけんずれ)していないところ、ピントが少しずれてるところが良かった。 少女小説家とか、少女漫画家って、全部とは言わないけど、あんな人もいるのかな、って、妙に説得力があった。
  夢:あたしは、星野ひとみ(篠原涼子)の、落ち目のアイドルが好きだった。 でも、翔って、秀子(鈴木京香)タイプだよね。
  翔:そう? 自分では分からないけど、不器用で、二つの事を一遍に出来ないところなんか、似てるかなぁ。(笑)
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  翔:そうそう、夢が、いったい何話してるんだろう、って気にしてた携帯電話のセリフ、解かったよ。
  夢:ほんとに? 綺麗(石田ひかり)と石橋(田辺)がベッドに横になってる時、携帯のベルが鳴って、石橋くんが出るんだけど、いったい何話してるのかなぁ、って、ちょっと気になってたのよね。
  翔:「もしもし・・・・。ごめん、まだ起きてたのか。・・・・電話するタイミングなかったんだよ。・・・・交通事故、って、オーバーだなぁ、出張でいちいち事故に遭ってたらおまえ、・・・・え?心配してくれるのはうれしいよ、もちろん。・・・・明日は、早く帰れると思うから。・・・・うん、うん、いいよ、そこで待ち合わせで。・・・・うん、・・・今?・・・いや、そうじゃないけど。・・・うん、愛してるよ、おやすみ」
  夢:あぁそうか。だから、綺麗が、「奥さんいくつ?」「若いのね」って言ったんだ。
  翔:同じ年頃の女性に対する話し方じゃないものね。ちょっと電話連絡遅れたぐらいで、交通事故を心配するぐらいの相手だから。(笑)
  夢:それにしても、この時の石橋くんは、最高に面白かった。(笑)
  翔:携帯の会話を聴かれて、「・・・恥ずかしいじゃないか」って、クリクリの眼をして言うところとか、「奥さんいくつ?若いのね」って綺麗に訊かれて、「・・・・はたち」「上等じゃない」「・・・・って言うか、上玉」って、ぬけぬけと言っちゃうところ。
  ああまで言われたら、綺麗も、「石橋、幸せになってよ」って言うしかないよね。(笑)
  夢:ほんとに。(笑)  ああ、なんか、あのシーン思い出しただけで、ほのぼのとしてくるなぁ。
  翔:おいしいところを持って行くよね、田辺さん。 こんな役も出来るんだ、って、初めてビデオ観た時、楽しいの通り越して、感激しちゃったもの、私なんか。(笑)
  夢:うんうん。(笑)
  翔:私達、いろいろなものを観たり、読んだりして、田辺さん自身は、石橋とはちょっと違う、って分かってるんだけど、だから、「演技している」はずなんだけど、すごく自然で、こういう奴なんだと納得させられちゃう感じ?
  夢:うん。
  翔:福岡に音無くんが会いに行った時、石橋くんが駅まで送ってあげて、お土産まで持たせてやるじゃない。普通出来ないよね、あそこまで。
  夢:多分、明太子だったんでしょうねぇ。(笑)
  翔:・・・・・(爆)。 なぁんかさぁ・・・・・
  夢:翔:いい性格してるよねぇ、石橋くんって☆
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  夢:「私の一番」は?
  翔:石橋が、酔った綺麗を 家まで送って、そのまま ベッドの脇で寝てしまう。
  綺麗が、「ねぇ、起きてるんでしょ?」と訊くと、「あぁ」って答えて、「そんなとこじゃ、身体痛くなるよ」って言われて、目をつぶったまま、「そっちに行ってもいいか」って言うんだけど、この時の寝顔の素敵なこと。背中ゾクゾクしてしまいました。(笑)
  夢:あたしは、「・・・・はたち」「・・・・じゃなくて、上玉」って言った時の、とぼけた顔。(笑)
  翔: その後、綺麗に「幸せになってよ」って言われた時、サッと表情がひきしまって、「あぁ」って応えるじゃない?  多分、あそこで、石橋は、綺麗に対する気持ちに 踏ん切りをつけたんじゃないか、って気がするね。