1999・4放送(NHK)
★このトークは、あくまで、翔と夢の主観・私見によるものです。
夢:『トップランナー』に 田辺さんが出るって知ったのは、本当に 偶然だったんだよね。
翔:本屋さんでTVガイド誌を見ていたら、記事が出てて、「おおっ♪」って喜んで、指折り数えて待って、観ました。 わずかその数日前に、『徹子の部屋』にも出ていたなんて、夢にも思わずに。(笑)
夢:あたしも、翔に教えてもらって観たんだけど、『徹子・・・』は、全然気づかなかったな。
翔:もともと『トップランナー』は好きで、何度か観ていたので、田辺さんが出演するのを、すごく楽しみにしていた。
夢:あたし達は、今まで、役を演じている田辺さんしか観た事がなかったわけだけど、素(す)の田辺さんは、どうだった?
翔:最初に「田辺誠一さんです」と紹介されて、ドアから出てきた時、なんて かっこいいんだろう、と、すっかりミーハーになってました。(笑)
夢:そりゃ、あたしもです。(笑)
翔:あの姿を見ただけで、なんか、すごく 得した気分になっちゃった。
夢:ビジュアル的にかっこいいのは当たり前なんだけど、翔 言ってたよね、田辺さんの眼が・・
翔:まるで少女漫画の男の子みたいに、黒眼の中に窓がある!(笑)
夢:この表現、分かって貰えるでしょうか? ただキラキラ輝いてるだけじゃないんですよ。(笑)
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翔:まあ、見た目のかっこよさは脇に置いておくとして・・・・
夢:それにしても、『DOG-FOOD』の話、高校からモデル時代の話、ウィークポイント、最近の作品、ポリシー、5年後・10年後のビジョン、果ては「超短編映画」まで、本当に盛りだくさん、内容の濃い45分間だったよね。
翔:特に『discord(不調和)』は、初めて観る「田辺監督作品」だったので、2分ちょっと、という超短編だったんだけど、すごく興味深かった。
夢:二人とも、『CD-ROM』の作品も、『DOG-FOOD』もまだ観てないから。
翔:田辺さんの、監督としてのスタンスみたいなものを、垣間見る事が出来たかな、と。
夢:翔は、『discord』観て、田辺監督を、「まじめで律儀(りちぎ)」と言ってたけど。
翔:すごく几帳面な映画作りをしてるなぁ、と思った。 直前まで編集していた、なんて聞くと、なおさら、完璧なものを作り上げる為には 努力を惜しまない人なんだな、自分の作品に きちんと責任感じながら作ってる人なんだな、って。
夢:それって、田辺さんの性格から来るもの、かなぁ?
翔:直感的に判断して、パッと決めちゃうタイプじゃないよね。 吟味して、何度も手を加えて、少しずつ理想に近づけて行くタイプ。 映像を撮ったら、編集に時間をかける、文章を書いたら、何度も書き直す、そういう人。
だから、思った事を、即座に言葉にしなければならない「トーク番組」は、たぶん 苦手なんだと思う。
夢:確かに、すごく言葉を選んで話してる感じがしたね。
翔:でも、流れる水のごとく とうとうと話すより、ひっかかり、つっかかりしながら話す田辺さんの方が、彼らしくて すごく好ましかったけどね。(笑)
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夢:俳優・田辺誠一と、素(す)の彼と、違うと思う?
翔:基本的には、俳優としてでも、トークでも、向かい方は同じだと思う。
印象的だったのは、とにかく、話す時に、きちんと相手の目を見る人だな、と。 特に、「Q&A」の時は、質問した人に対して、すごく誠意を込めて答えていた。 適当に、とか、いい加減に、とかが出来ない人なんだね、きっと。
夢:だけど、ただ真面目なだけじゃない、という面も、見せてくれたんじゃないかと思うけど。(笑)
翔:「サオ竹屋」とか「橋げた」の話ね。 爆笑っていうんじゃないんだけど、思わずクスクス笑っちゃう、みたいな。(笑)
夢:以外と、田辺さんて「おちゃめ」なんだなと、新たな魅力 発見 した気分だった。(笑)
翔:たぶん、田辺さんの話し方のせいも あるかもしれないんだけど、何だかしらないけど、ほのぼのと可笑(おか)しいんだよね。
夢:「サオ竹屋」を追い駆ける田辺さんを追い駆けてみたい!と思ったのは、あたしだけではないと思う。(笑)
翔:はいはい、私も思いました。 だけど、それって、『SOTOKOTO』や『キネマ旬報』に載っていた、彼のエッセイにも共通してると思わない? さりげないユーモアがあって、味がある、と言ったらいいか。
夢:うん。田辺さん、文章を書くのがあんなにうまいとは思わなかった、おこがましい言い方だけど。
翔:私も本当にそう思ったよ。 田辺さんには申し訳ないけど、最初、ゴーストライターが書いてるのか、と思ったぐらいだもの。(笑)
書く事が好きなんだよね。 彼のサイトの『すいすい日記』とか読んでると、つくづくそう思う。 だから、来年1月に出版される『ベルリン日記』(注・『眠らない羊』というタイトルに変更されて発売)が、すごく楽しみです。
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夢:ここでは、「私の一番」と言うより、「印象的な言葉」を選ぼうか。
翔:そうだね。
夢:あたしは、「ポリシーは?」と訊かれた答え、「最後まで逃げない事」。
翔:私は、「TVは、多くの人に見てもらえる。見てもらう事が大切なんだ」。
あと、話がちょっと逸(そ)れちゃいますが、『discord』の前に、小さく、「恥ずかしい・・・」って言うんだけど、『ベル・エポック』の「恥ずかしいじゃないか」を、思い出して、思わずにんまりしてしまいました。(笑)