『LAST HOPE/ラストホープ』感想まとめ(その1)

8月21日、『ラストホープ』のブルーレイ&DVDが発売になりました。
遅ればせですが、恒例の感想まとめです。

ラストホープ』感想まとめ (その1/第1-5話)
    
ラストホープ
放送日時:2013年1〜3月毎週火曜 21:00- (フジテレビ系)
キャスト:相葉雅紀 多部未華子 田辺誠一 小池栄子 北村有起哉 
桜庭ななみ 江口のりこ 菅原大吉 平田満 高嶋政宏 小日向文世 
脚本:浜田秀哉 演出:葉山裕記(1-3話)石井祐介(4話)谷村政樹(5話)
プロデュース:成河広明 古屋建自

『ラストホープ』公式サイト

 

▼『ラストホープ』(第1話)
『ネオ・ウルトラQ』ではないけれど、
ドラマの冒頭から最後まで、
相当量の「Q(クエスチョン)の種(タネ)」が矢継ぎ早に撒かれ、
「え?それって何?」「今のどういう意味?」と
次から次へと必死で追いかけているうちに、
あっと言う間に70分経ってしまいました。

 

今現在の先端医療の現実・問題点、
単純に描かれない医師たちの背景、
彼らが放つ畳み掛けるようなテンポの良いセリフ・・等々が、
スピーディな展開の中、間断なく観る者にぶつけられる・・
最近あまりお目に掛かれなかった、
私のような妄想深読み癖のあるおばさんwには垂涎(すいぜん)
「読みごたえ」があるドラマ。
全部読み切れなくて疲れた〜・・でも面白かった。

 

言葉からも映像からも入ってくる情報量が半端じゃなくて、
消化するのが大変だけど、
誰にでも分かりやすく親切に、というだけでない、
時にはこういう、視聴者が必死になって画面を観ていないと
置いていかれるようなドラマもあっていい。

 

クールで張り詰めたプロフェッショナルな空気と、
お菓子好きやら、親父キャラやら、女たらしやら の弛緩の部分が、
まだ、十分にうまく噛み合っているとは言いがたいけれど、
そのあたりが練れて来たら、もっともっと面白くなって行くんじゃないか、と
さらに期待も膨らみます。
さじ加減が難しいんですけどね、
田辺さんや小池さんのキャラなど、特に最初のシーンでは、
ちょっとやりすぎじゃないか、とも思えたので。
だけど、『ハッピーフライト』でもそうだったけれど、
プロとしての緻密な仕事を要求されている人たちであればあるほど、
そういう弛緩をはさまないと、自分自身のバランスが保てない、
という捉え方の方が、むしろリアリティがあるんじゃないか、
という気もするので、
これからそのあたり、どれだけ不自然にならずに表現されるか、
も、興味深いところです。

 

ちょっと気になったのは、
先端医療、というものを大きく捉え過ぎて、
SFめいたところまで話を広げてしまうのではないか、という点。
あくまで、「今」出来ること、
あるいは、「近い将来」出来る可能性が十分にあること、
に留めて欲しい気がします。
まぁ、今回のカンファレンスシーンなどを観ると、
制作側も、そんなことは十分承知している気がしますが。

 

いずれにしても、このクオリティと勢いが、
ぜひ、最後まで持続してくれるといいな〜と思います。


登場人物について。
高度先端医療センターの医師たち
相葉雅紀くん、多部未華子さん、田辺誠一さん、
小池栄子さん、北村有起哉さん、小日向文世さん)が、
ま〜とにかく、全員すごく魅力的でした。
それぞれ、能力はすごく高いんだけど、
何かしら欠けた部分も持っているので、親近感が持てるんですよね。

 

主演は、相葉雅紀くんですが、彼一人を突出させずに、
他の5人も同じぐらいの重さで存在感を持たせているので、
群像劇のような面白さがあり、
そのおかげで、カンファレンスシーンなど、
誰が正しくて、誰が間違っている、という明確な線引きがなく、
違う視点から出発したそれぞれの考えが、
どんどんぶつかり合い、絡み合い、馴染み合って行って、
やがて結論が導き出される、という、
6人の力が拮抗した、緊迫した熱のあるシーンになっていて、
(そんな中に かなりのユーモアも入れ込んで、
しかもほとんど違和感を抱かせない、というのがまたすごいw)
まるで舞台を観ているようで、非常に面白かったです。

 

相葉雅紀くん(波多野卓巳)
彼の出演したドラマは『バーテンダー』ぐらいしか観ていないのですが、
セリフを前に出さずに吸い込んでしまうクセが気になっていて、
ドラマの予告で、彼の「ラストホープなんですよ」というセリフを聞いた時、
あ〜やっぱり変わってないなぁ、と思ったのですが、
ドラマ全体を通して観ると、気になるところがほとんどなくて、
内科医としてもそれほど違和感なく、
いい感じに役に入ったなぁ、と思いました。
もともと、役の芯をがっちり掴んで演じるタイプではないので、
押し出しは強くないけれど、
全体の雰囲気に違和感なく溶け込んで行けるので、
今回のような群像劇にはぴったりかと。
今後、波多野が背負うものがはっきりして来るにつれ、
いろんな感情を表現して行かなければならない、
その時に、彼がどんな力を発揮してくれるか、が楽しみです。

 

多部未華子さん(橘歩美)
可愛らしい容姿と雰囲気を持つ多部さんに、
「マシーンと呼ばれる脳外科医」ってどうよ、と思ったのですが、
多少の背伸び感はあったものの、想像以上に はまっていました。
高木(田辺)へのタメ口がいいアクセントになってましたねw。
回想シーンで、部屋の窓際に、
彼女(橘)のものとおぼしき賞状やトロフィーがたくさん飾ってありました。
小さい頃から優秀だった、という伏線が、
そんなところにもちゃんと引いてあって、興味深かったです。

 

小池栄子さん(荻原雪代)
男性陣がほとんど草食系なので、
がっつり肉食系の彼女のパワーは絶大w。
小池さんって、確かに色っぽいんだけど、
湿気を含んだ色っぽさじゃないんですよね。
だから、女性から見ても魅力的だ、と素直に思える。
この人と高木が、男と女として(だけ)ではなく、
どこかで精神的に支え支えられ、みたいになって行ったら、
面白いと思うんだけど・・(妄想中w)

 

北村有起哉さん(副島雅臣)
大河ドラマ義経)あたりから気になっている俳優さん。
カンファレンスの時に、
さりげなくケーキに執着してたのが、すごく可愛らしかった。
さっそく、荻原(小池)に一発見舞われてましたが、
あれは、相葉くんの身代わりになっちゃったんだよねw。
今後もあれこれアドリブかましてくれそうで、追いかけるのが楽しみです。

 

小日向文世さん(古牧利明)
この人が、このチームのブレーン。
一番年長ですが、それでもリーダーという立場ではないんですね。
このチームにはリーダーが不在、というのも、興味深いところです。
カチッとした雰囲気で、皆と相容れない感じですが、
抑揚なくスラスラ難しいセリフをこなす小日向さんの役作りが
面白くて、このキャラがとても好きになりました。

 

田辺誠一さん(高木淳二)
ネオ・ウルトラQ』の南風原の時は、
俳優としての経験の4割ぐらいを使ってキャラ作りしている、
(それで正解)という感じがしましたが、
今回は、俳優・田辺誠一の引き出し全部使って演じてもいい役
なんじゃないか、という気がします。
高木は、実(11人もいる!)と、白石(デカ☆黒川鈴木)と、
中林(夢のカリフォルニア)と、佐野(ふたつのスピカ)と、
天羽(2001年のおとこ運)etc etc・・で出来ているんじゃないか、
なんてことを考えてしまいましたw。
これまでのキャリアを全部注ぎ込んでもいい役、なんて、
滅多に出会えるもんじゃない。
今まで演じた役の振り幅がものすごく広い田辺さんなら、なおさら。

 

女たらしで、軽薄で、自信過剰で・・という部分が、
実は高木の本質ではない、と そう思わせられてしまうのは、
田辺さんが演じると、そうなってしまうから。
そのあたりの微妙で繊細な表現は、
私がファンになった頃にはすでに持ち合わせていたもので、
だからこそ10数年もファンで居続けられた、という気もしますがw。

 

自分をチャラいキャラにコーティングしている、
その奥に隠された高木の中にある憂(うれ)いを、
これからどう表現してくれるか、
40代半ばになって、一層自由になり、円熟味も増した、
俳優・田辺誠一の腕の見せ所、という気がします。

 

この6人以外にも、
高嶋政宏さん、桜庭ななみさん、菅原大吉さん、江口のりこさん、
平田満さん・・と、興味あるメンバーが目白押し。
彼らが、6人にどう絡んで来るか、も楽しみです。

 

ゲスト:佐藤祐基 佐藤江梨子


▼『ラストホープ』(第2話)
今回は、橘歩美(多部未華子) がメイン。
超難関の手術に必死で挑む姿が、
過去の出来事と平行して描かれて行くのですが、
なぜ彼女が、どんなに手術困難な患者でも受け入れようとするのか、
その理由の片鱗が、見えて来たように思います。

 

患者に向かう姿勢、というのは、
もちろん、その医師の性格や才能にもよるだろうけれど、
積み重ねて来た過去の経験や体験にもよるんじゃないか、と、
橘を見ていて、そんなことも思いました。
確かに、彼女にいったい何があったのか、という興味はあるけれど、
それよりも、能面のように無表情な橘の内側に、
間違いなく、血の通った人間らしさ・人くささがあり、
それが、彼女を突き動かしている、と、そう思えたことが嬉しかった。

 

ゴッドハンド(を持ったスーパードクター)ではない彼女が、
患者を救いたい、と一心に願った想いは、
気の遠くなるような努力を重ねることで報われ、成就して行く・・

 

豆腐やこんにゃくや米粒で死ぬほど練習を繰り返したらしい
高木(田辺誠一)にしてもそうだけれど、
これほどメカニカルな医療現場で、
医師たちが自分の能力に上乗せ出来るものは、努力でしかない、
というところを、ちゃんと描いてくれている。
どれほど高性能の素晴らしい機器が使われたとしても、
結局は人間が動かしているのだ、
そこに存在するのは、「この人を救いたい!」という医師の熱意なのだ、
ということも伝わって来る。
思いがけず、まるでスポ根ドラマを観ているような気分になって、
徐々に露(あら)わになって行く 彼らの内に秘めた情熱に
心地良くほだされて・・

 

人(特に6人の医師)の描き方が 薄っぺらじゃないのもいいです。
もちろん、ドラマだから、サスペンスタッチの興味の引かせ方
をしているには違いないけれど、それだけではない、
どういう環境で、どういう経歴で、どういう性格で、どういう趣味を持ち、
誰を愛し、何を信じ、何を乗り越えようとしているのか・・が、
徐々に明らかになって行くにつれ、
外観から受ける表面上の印象が弱まり、
中身がどんどん詰まって行って、深みを増している感じがします。
そのあたり、前回同様、今回も、何度もリピしながら、
ゆっくりと咀嚼(そしゃく)して楽しみたいなぁ、と思いますが。
(そういうの、大好物なのでw)

 

それにしても、このドラマを観ていると、
なんとなく最先端医療に詳しくなっていく気がする。
手術ロボットや手術シュミレーションソフトが実際に使われている
と知って、勝手にテンション上がってしまいました。
終わりの頃には、iPS細胞だって理解出来るようになってるかも・・w
(ドラマの骨幹に どこかで絡んで来る気もするし)

 

ひとつ思ったこと。
助かる可能性が非常に低い人間が、
リスクの高い手術を恐れて、安らかに死を迎えたい、と考えた時、
彼らはどうするのか・・
外科的処置を伴わない選択、というものが、
橘のような人間に出来るのか、他の5人はどうか、
このドラマでは、どういう結論を下すのか、観てみたい気がします。


登場人物について。
物語の展開としては、今回は橘(多部)がメインではあったのですが、
他のメンバーの過去も少しずつ見えて来て、
6人+センター長・成瀬(高嶋政宏)が徐々に繋がり始めて、
さらに面白くなってきました。
カンファレンスでの6人のスピーディなやりとりも、
あいかわらず魅力的。

 

特に、今回さらにスピードアップしたように思われる、
古牧(小日向文世)が感情を入れないで次々繰り出す言葉の
とてつもない量の多さには、唖然・呆然。
早口と言えば古美門(@リーガル・ハイ)を思い出すけれど、
彼の話は、ちゃんと内容が通じてた。
でも、小牧は、スピードアップするにつれ本筋から逸れて行き、
彼が話してるそばから、メンバーが別な話を平気で始めて、
いつのまにかBGMのごとき扱いになってしまって、
古牧にとってはミもフタもない状況になってるのに、
そんなことは意に介さず、ひたすら話し続けている、という・・w
でも、そういうところから、古牧の人間性が見えて来る気がして、
技術的な話に加われない代わりに、
膨大な知識量で5人に対抗しているようにも思えて、
すごく面白いです、しゃべりっぱなしの小日向さんは大変だろうけどw。

 

他の5人の個性がますます立って来ているので、
主演のはずの相葉雅紀くんが埋没しちゃってる感は否めませんが、
私は何だか、それで正解なんじゃないか、という気がします。
群像劇だから、というだけじゃなくて、
波多野卓巳という人間は、少なくとも今の段階では、
あまり前に出ない(突出した描かれ方をしない)方がいいように、
私には思えるので。
ただでさえ、成瀬(高嶋)にとんでもないこと言われてるわけだし、
相葉くんが持つ「普通っぽさ」って、案外、
波多野を演じる上では、重要なんじゃないか、と思ったりもして。

 

高木(田辺)と 荻原(小池栄子) の関係も気になるところ。
あの後、一夜限りの関係になっちゃったんだろうか、とか、
いやいや、もうひとつぐらいエピソードが入って、
元だんなとどこかで出くわしたりするんじゃないか、とか、
もう、妄想し放題。w
この2人が、どんな経緯でセンターに入ることになるのか も、興味深いです。
(それにしても、波多野といい、橘といい、高木といい、荻原といい、
成瀬は、あえてワケありの連中を集めてセンター作った気がしないでもない)

 

さて、田辺誠一さん。
女好きのお調子もん、という線を もうちょっと引っ張るのかと思ったら、
今回は、橘に対してさりげない思いやりをみせた上に、
カンファレンスでも、みんなの意見をサクッとまとめるなど、
なかなか大人な印象。

前回、荻原(小池)の剣幕に本気でビビッてる田辺さんを観て、
「演じている」という感じがまったくしなかったのが
すごく印象に残っているのですがw、
今回も、素でやってる(ように見える)のか、高木として演じているのか、
どっちか分からないところがあったりして、
そこまで自由でいいんだろうか、と思ったり、
だから面白い空気感(ライブ感)が出ているんだ、と思ったり。
どちらにしても、
観ていてこんなに面白くて興味深い役もめずらしいので、
この際思いっきり楽しんでしまおう、という気分になっています。
もちろん、「おいおい田辺さん、あんたにゃ それしか手札はないんかい」
という、翔的ツッコミ精神を忘れることのないようにしつつ。w

 

ゲスト:小市慢太郎 小島藤子


▼『ラストホープ』(第3話)
どうしよう、ますます面白くなって来た。w
そろそろ謎の正体が見え始めて来るのかなぁ、と思ったら、
6人の医師たちとその周辺の人々の過去が少しずつ絡み合って、
さらに複雑なことになって来ました。
場所も、時間も、過去のいろんなところを自在に動くので、
時系列の一覧表でも作ろうか、と、半ば真剣に考えたりして。

 

その、6人の過去の部分も本当に興味深いんですが、
今現在の患者への対応についても、毎回非常に面白くて、
あいかわらず密度濃く、複雑に、
いろいろな出来事が、重なり合い練り合わさって進んで行くので、
ドラマ3本分ぐらい一気に見せられているような気分。
脚本も、演出も、演じている人たちも、
一人一人を丁寧に描こうとしているのが伝わって来るので、
回を重ねるごとに、6人の医師たちをどんどん好きになって行きます。

 

今回の荻原(小池栄子)にしても、
母親を見殺しにした益田(吹越満)に対する いわば復讐を、
彼の医者としての腕を完全復活させてやることで晴らそうとする、
もし失敗すれば、彼女の復讐は果たせない、
その葛藤を抱えて救いを求めたのが、
元夫の現在の恋人・三沢(吉田羊)だ、というあたり、
脚本〜どれだけ荻原を追い詰めれば気が済むんだ〜!と思いつつ、
何だかゾクゾクするのを押さえられませんでした。

 

三沢の助手として手術に望んだ荻原が、
「さっきと音が違う」とか「もういいんじゃない」とか口をはさんで、
三沢に「これでいいのよ」を突っぱねられる・・
最初は、何かの伏線か?(実は手術は失敗とか)と思ったけれど、
ひょっとしたら、実力を認めて自分で依頼しておきながら、
気持ちのどこかで三沢を完璧な医師として認めたくない荻原の、
女としての意地やプライドがそう言わせたのかもしれない、と。
2人のこのやりとりが、女同士の火花が散ったシーンにも見えて、
緊迫した手術の場面にそういう感情を差し込んで来るのかよ〜と、
また、舌を巻いたり。

 

荻原は、この手術で、ふたつの勝負をしていたことになる。
神の手を再び与えたことで、益田に勝ち、
難しい手術を完璧にこなされたことで、三沢に負けた・・
医師という立場の人間として、
母への想いや 女としての感情を どう表に出し、
どう決着をつけて行ったのか、荻原が歩んだ道筋を観た時に、
小池栄子さんのオトコマエな強さや、かっこよさや、いさぎよさが、
こんなふうに前向きな感情を抱く魅力的な女性として
描かれることになるなんて!と、とても嬉しくなりました。

 

吹越満さん(益田)や吉田羊さん(三沢)もすごく良かった。
彼ら自身の佇(たたず)まいもそうですが、
ほんの短いシーンに、しっかり、役の人となりを表現するところがあって、
役そのものが魅力的になっていたのが大きかった気がします。
(離婚するまで肉体関係はなかった、とか、手首の傷とか)

 

小池さんメインの回ではあったのですが、
今回は、相葉雅紀くんにもすごく入れ込んでしまったw。
整形外科の近松医師(池田成志)が、
自分たちのカンファレンスはただ教授の話を聞いているだけ、
と言ったのに対し、しれっとして、
「随分つまらないことやってるんですね」と言ったり、
益田の後悔を読み取って、「ダメな医者だったんですね」
なんて、グサリと痛いところを突いたり、
波多野が、毒のたっぷり入った発言をさらりと言ってのけて、びっくり。

 

でも、何故だか、彼の放ったその「毒」には苦味がなくて、
みんな素直に呑み込むんですよね。
これが、副島(北村有起哉)あたりが言ったのなら、
相当問題になっている(傷口広げるだけ)と思うんだけどw、
波多野だから・・いや相葉くんだから、
みんな素直になれるんじゃないか、という気もして。
相葉くんのクセのなさ、みたいなものが、
この役に、効果的に作用しているんじゃないか、という気もして。

 

それと、波多野卓巳という役に、
少し陰影がついて来た気がするのは私だけでしょうか。
もちろん、波多野が抱えた過去の影、ということもあるけれど、
相葉くん自身が、役に少し深みを持たせられるようになって来たのかな、
と、そんな気が、私はしました。

 

そのほかには、
何故、橘(多部未華子)が、
若くしてこれほどの脳外科手術の技術を持つに至ったのか、とか、
鳴瀬(高嶋政宏)と、波多野の父親(平田満)や
斉藤夫妻(神尾佑霧島れいか)との繋がりとか、
アフリカン音楽の日本人シンガーと高木(田辺誠一)の関係、
そのあたり何か感づいているらしい副島、とか、
古牧(小日向文世)と天敵・時田(桜庭ななみ)の
ユーモラスでほのぼのとしたやりとりとか、
今回も、興味深い出来事が盛りだくさんで、
観る側が、少しの時間も目を離せない状況はあいかわらず。
でも、それは、ドラマ好きにはすごく嬉しいことでもあり。

 

次回は、高木がメイン。
死ぬ間際の女性の唇の動きと、その時の高木の表情を観ただけで、
グッと胸に迫るものがあるのですが、
その後の高木の変遷を想像すると、なおさら切ないし、
まして、それを副島に糾弾される、なんて展開になったら・・
と思うと、居たたまれない気分になります。

 

それと、高木はもうひとつ大きな問題を抱えているような気がする・・
というのは、私の妄想だけのことでしかないのかなぁ・・う〜ん・・

 

ともあれ、次回、どのあたりまで高木の過去が明かされるのか、
楽しみにしたいと思います。

 

ちなみに、私が選んだ今回の 田辺イチ押しポイントは、
副島に、アフリカン音楽ですか、と探りを入れられた時の、
フッと浮いたような表情。


公式サイトに、
6人の過去の時系列を揃えた動画がupされていました。
復習にはもってこいです。
【公式サイト】 → TOPICS

 

ゲスト:吹越満 吉田羊 池田成志 山下容莉枝


▼『ラストホープ』(第4話)
ついに、‘心臓’という重要な部位での再生医療
というところまで話が進みました。
4話でそこまで行ってしまっていいのか、という懸念もあったのですが、
本格的な再生手術は50日ぐらい後、ということで、
きちんとカレンダーで何月か把握出来るようになっているところを見ると、
(前回まで12月、今回から1月)
この手術は2月末から3月あたりになる計算なので、
それが、ラスト近くのヤマになるのかな、という気がしました。

 

6人の医師の過去に関しては、
少しずつ見えてきたところもあるんだけど、
その倍ぐらいの量で新たな謎が増えているので、
時系列ごとの出来事や人物の繋がりがますます複雑になって、
ますます整理するのが大変。 しかも、今のところ、
「あ、分かった!」という達成感がほとんどなくて、ちょっと切ない。(苦笑)

 

でも、こんなふうに、視聴者がドラマから挑まれている感じって、
私は本当に久しぶりに味わっている気がして、
嬉しくてワクワクして仕方ないのも確かで。
おかげで、頭の中にいろんなことをたくさん詰め込み過ぎて、
毎回、疲労感も半端ないですが・・w

 

今回メインだった高木(田辺誠一)の過去。
紗枝(上野なつひ)のノート、「淳二でいいや」に、
二人の関係がどういうものだったかが偲ばれて、切なかった。
彼女が手術したとしたら、
そのスタッフに高木は入っていたのか、それは成功したのか、
なぜ彼女のチューブを外れたままにしなければならなかったのか、
副島(北村有起哉)の「死ぬ必要のなかった患者だよ」
という言葉の意味は何か?

 

1998年、ニューヨーク。
さらに大きな問題に足を踏み入れざるをえなくなりそうな高木・・
それをやっちゃいけない!とは分かっていても・・
ということになるんでしょうか、
それとも私の妄想で終わるんでしょうか。

 

そしてもうひとつ、
彼のスウェーデンへの過剰反応は何を意味するのか?
スウェーデン人のおねえちゃんと付き合ってる、
なんて軽い話じゃないよね〜)


今回観ていて考えたこと。
「手術の成功」とは、どの段階を指して言うのか。
希望=HOPEを持てる治療とは何か。
波多野(相葉雅紀)が橘(多部未華子)に言った、
「一人の患者さんをちゃんと救うことは、そんな簡単なことじゃない」
そこを、今後 このチームが共通認識出来るのかどうか・・
おそらく、今のところ、波多野以外では、高木が、
それを一番良く理解しているんじゃないか、という気がするのですが、
果たしてどうでしょうか。

 

iPS細胞について。
「細胞の初期化」という言葉を聞いて、なるほどうまいこと言うなぁ、
と思い、少し分かったような気分になりました。
改めて、すごいことなんだ、と、このドラマのカンファレンスから
学ばせてもらった(もらっている)気がします。

 

そのあたりも含め、古牧(小日向文世)や波多野を観ていると、
今後、話がとんでもない方向へ飛んで行きそうな気がしますが、
私が「とんでもない」と思っているだけで、
先端医療では決して夢物語じゃないのかもしれない・・と、
4話までの流れを観て納得させられつつある気がします。

 

関わるすべての医師が、
安直な倫理観を振りかざさずに、人間としての温かみを持ちながら、
人体の再生・操作というところまで入り込めるかどうか・・
先端医療は、どこまで神の領域に足を踏み入れて行くのか、
それは人間にとって、本当に幸せなことなのか・・
このドラマから掘り起こせるテーマは、
非常に深く、非常に重いものにもなりうる気がします。


さて、田辺誠一さん。
いや〜、回想の高木が、20代終わり頃の田辺さんの感じ
そのままだったので、びっくりしました。
NYの高木の風情も、『ホテリアー』の緒方を彷彿とさせて、
いい感じだったし・・等々、
他にもいろいろ書きたいことはあるんですが、
最近田辺さんに関するヲタ発言が多いような気がするので、
今回はこのぐらいで自粛w。


追記。
そのうち高橋一生くんあたり、ゲストで出てくれたりとか・・
いや、私の個人的な願望に過ぎませんが。

 

ゲスト:石田ひかり 紺野まひる


▼『ラストホープ』(第5話)
毎回、1時間があっと言う間に過ぎて行くのですが、
今回は特に、過去の全体像や、核となりそうなものの輪郭が
じわりと浮き上がって見えて来て、
さらに興味深い展開になっていたように思います。

 

メンバーの誰かの過去話と、カンファレンスをメインにする、
という いつもの流れも、今回はいったん小休止。
大規模火災が発生し、橘の要請で救急の助けに入り、
緊急搬送されたたくさんの患者と対峙した6人が、
緊迫した状況の中で、次々と一瞬の判断で的確に対応して行く。

 

その、治療に立ち向かう医師本来の姿の中に、
瞬発力や、スキルの高さや、チームワークの良さや、
悪態つきながらもお互いへの信頼関係が出来上がりつつある様子が
存分に描かれて、結果、ますます彼らを好きになったし、
経験と、使命感と、勇気を頼りに自分の限界に挑みつつ、
何とかして患者を救おうとする姿に、思わず胸が熱くなってしまいました。

 

ひたすらに前へ、前へ、前へ!という、彼らの前傾姿勢が、
頼もしくもあり、また、胸に詰まされるものもあって。
恐れと不安の中で、彼らは、前のめりになって立ち向かって行く、仲間と。
・・そう、一人じゃない、信頼を寄せ合える仲間がいる。
分刻み秒刻みで緊迫した時間を送る彼らの姿を追いながら、
そのことに、何だかホッとさせられている自分がいました。

 

未経験の胎児治療にあたる、
波多野(相葉雅紀)と橘(多部未華子)。
怖くて波多野の手が震える、だけど自分で乗り越えて行く、
そのシーンも良かったし、
「医者には、誰かのために、という強い気持ちが必要だ」
という父親(鶴見辰吾)の言葉を胸に秘めていた
橘の熱い一面が見えたことも嬉しかった。
そこに、偉人のありがたい格言などではなく、
小橋建太(プロレスラー・後述)の言葉を絡(から)めるあたり、
あいかわらず緩(かん)の取り入れ方もうまくて、
真剣な話なのに、どこか微笑ましくもあって、
だからこそ、かえって、すごく心に響くものがあったし、
頑張れ、頑張れ、と、
何だか、観ている私の方が励まされているようにも感じられました。

 

「怖いけど行かなきゃならない。行かなきゃラストホープじゃなくなる」
という橘の言葉も、
「これからの医者は、常に、革新的な医療をもって
患者とどう向かい合うか、が大きな問題になる。
私たちが経験したような立場に、これから数多く立たされることになる。
でも、あいつなら、その問題に正面から向き合って、
答えを導き出せるかもしれない」
という波多野の父親(平田満)の言葉も、
先端医療の力強い前途と共に、
どこまで行ってしまうか解からない危うさをも物語っている。

 

古牧(小日向文世)を見ていると、
何だか危なっかしい気がして仕方ないのも事実ですが、
(「細胞リプログラミング」って、意味深な研究内容ですよね)
一方で、「医療には限界がある。感情に流されてはいけない」
という言葉が、他でもない鳴瀬(高嶋政宏)から発せられたことで、
より不安が薄まって、より救われたような気分にもなって。

 

医療の最先端に立つ彼らの進む先に、いったい何があるのか、
5話にして初めて、無性に 「見てみたい」 という思いに駆られました。


その「先端医療の核」の部分と平行して、
過去の全体像も、少しずつ見えて来た気がします。
6人を巡って張りめぐらされた伏線の糸が、徐々にほぐれ、
それぞれがどんなふうに繋がっていたのか、も、
ちょっとずつ解かって来ました。

 

【波多野・橘・古牧・荻原(小池栄子)】組と、
【高木(田辺誠一)・副島(北村有起哉)】組の接点が、
今のところまだ見えませんが、
大森(小木茂光)あたりが関わって来るのかな、と。

 

そして、どうやらすべてのベクトルの指し示す方向には、
遺伝子学会会長・佐々木の存在があるらしいのですが・・
彼を、単純悪として描くのかどうか(そして誰が演じるのか)も、
興味あるところです。

 

それと、今回、中締めとして話が展開したことで、
物語全体の輪郭が見えて来たのに伴って、
だいぶ波多野に比重が掛かって来た気がします。
彼の まっすぐな性格の内にある陰影を、
相葉くんがうまく出し始めているので、
今後波多野がどんなふうに描かれるのか、
また、「患者の身体だけでなく心をも救い、患者の家族も救いたい」
そのことを常に願っているように見える彼の想いが
どう結実して行くかも楽しみです。

 

毎回思うのですが、このドラマは、言葉の中身が濃い気がします。
今回は特に、非常に重要で意味深いセリフが多かったのですが、
私が面白いと思ったのは、副島が橘に放った、
「人殺しの父親の罪滅ぼしのつもりか」という一言。
あんなてんやわんやの状況の中で、
そんな辛らつなことを言っちゃうのかよ〜、と驚き、
でも、たぶんあそこにいた皆の気持ちを代弁してる、と納得し、
副島のキャラをうまく使っているなぁ、と喜び、
皆の前で一番身近なセンターの人間に突っ込まれることで、
結局、橘の荷が少し軽くなったんじゃないか、とも思い・・
本当に、こういうほんの一言でいろんなことが読める脚本って、
妄想好きの私には堪(こた)えられないです。

 

でも、まぁ、妄想を膨らませ過ぎると、
ただのエピソードか重要な伏線か、読み間違うこともあって。(苦笑)

 

・・で、ここでお詫び。
先週、高木(田辺誠一)に関して、
「さらに大きな問題に足を踏み入れざるをえなくなりそう・・」とか、
「彼のスウェーデンへの過剰反応は何を意味するのか?」とか、
先走ったことを書きましたが、それはただ、私が、
もしかしたら医師免許がない状態であの女性を手術したのがばれて
今後 問題になるんじゃないか・・
で、何だかんだで日本にいられなくなり、
最後はスウェーデンに武者修行に旅立つんじゃないか・・なんていう、
(主人公と言っていいぐらいの)高木メインのストーリーを
勝手に作ってしまっていたから、なんですよねw。
    (まさか、本当に、スウェーデン人のおねえちゃんと付き合ってるとは
    思わなかったし〜w)

・・もう、どんだけ高木好きなんだか、私。

 

    でもなぁ、
    次回はまさかの高橋一生くん出演。 先週の願いが通じてしまった。
    うん、だからやっぱり妄想はやめられない。w

 

さて、その高木淳二=田辺誠一さん。
スウェーデンのおねえちゃんとのラブアフェアとか、
エレベーターに乗る寸前 若い看護師さんに声かけたり とか、
すっかり「女たらし」に馴染んでる田辺さんを観ていて、
もう、楽しくて楽しくてw。
かと思うと、すぐに医者の顔になって、てきぱき処理する、
その変化がすごくスムーズで、
ロビーでの他のメンバーとの緊急カンファレンスでの、
的確な、病状・制限時間の読み、や、
(波多野に頼りにされてるんだなぁ、と、何だか ほっこりした)
「自称って言うな」と言いつつ橘の患者を引き受けるところ、
時計をはずす仕草に至るまで、どの一瞬を切り取っても、
高木淳二という一人のキャラとして、まったく違和感ないのが、
本当に嬉しいし、本当に観ていて面白い。

 

う〜ん、あと6話しか このキャラを観る事が出来ないのが、
すごく寂しいし、もったいない!
続編かSPを切に希望!・・って今から言うのは、気が早過ぎますかね。w


「どういう風に向こうが来るかわからないけど、俺は行くから。
どんなものが返ってくるか怖い部分もあるけど・・・
行かなきゃ小橋建太じゃなくなるからね」
小橋建太

    小橋さんのWikipedia(練習内容・試合態度あたり)を読むと、
    妙に橘とダブってしまいますw    小橋建太Wikipedia

 

ゲスト:坂井真紀