「フィギュアスケートGPファイナル2009」

フィギュアスケートGPファイナル2009」
ショートプログラム
いや〜、面白かったですね〜!
特に男子。
やっと3年ぶりに、高橋大輔くんと織田信成くんが同じステージに立った!
というだけでも感涙ものなのに、
ふたりとも本当に素晴らしい出来栄えで、感動してしまった。

 

高橋くんは、カナダグランプリのSPを観た時には、まだ、
丁寧に、真摯に滑ろう、というような硬さが感じられたんだけれども、
その後のフリーでは、ちょっと余裕が出て来て、
でも、まだ完全には、怪我以前のあの、観客をガッと鷲掴みにするような
ものすごく魅力的な空気を作り出すまでは到達していなくて、
少しもどかしい感じもあって。

 

で、今回。
まだ、どこかにかすかな不安を残しながらも、
それをスキルでカバーしよう、という、まっすぐな姿勢が感じられて、
カナダから日本へと、
もともと持ってる実力の上に、どんどん力を重ねている、進化している・・
そういう高橋くんが観られたことは、本当に嬉しかったです。
あとは、その魅惑的で挑発的な独特の情感を、
フリーで、さらに上乗せ出来るかどうか、だったんですが・・・

 

そして、織田くん。
実はこの人の演技を観るチャンスがあまりなかったんですよね、最近。
ただ、今期は非常に調子がいい、ということと、
休んでいた間に何か変化したものがあったのかどうか観てみたい、という
気持ちもあって、楽しみにしていました。

 

この人のスケーティングは、柔らかい、というイメージがあったんだけど、
今回観ていて、ただ柔らかいだけでなく、しなやかになった、
という印象を受けました。
芯にしっかりとした軸が出来て、
観客に「織田信成のスケートはこれだ!」というのを、
アピール出来るようになった、と言えばいいか。

今後、高橋くんとは違った、
織田くんなりの織田くんにしか出せない情感を身につけたら・・
いやはや、オリンピックが本当に楽しみです。

 

フリー
仕事だった上に、ちょうど『小公女セイラ』とかぶる時間帯で、
録画をそちら優先にしたので、
最初の55分と最後の25分を観ただけだったんですが・・
もう、何が起こったのかと思いましたよ、
2位の織田くんがオリンピック内定、ってのは嬉しかったけど、
SPでトップだった高橋くんの名前が3位までにも入ってないなんて!

 

今朝、サンデーモーニングを観て、ようやく理由が分かりました。
最初の4回転をミスしたのが、他のジャンプにまで影響してしまった様子。
でもね、私は、それを聞いて、何だかゾクゾクしました。
確かに、4回転のミスから立ち直れなかった、というのは、
大きな課題だと思いますが、
オリンピック内定を取るだけなら、4回転は飛ばなくても良かった、
SPの安定感を持続するだけで十分だったんですよね。
にも関わらず、彼は、4回転を飛ぼうとした・・
そこには、このグランプリファイナルで優勝したい!という想いと、
その後に控えるオリンピックを視野に入れて、
SPでわずか0.1ポイントの差だったライサチェックや、
織田、ウィアーらのライバルに、
高橋大輔の圧倒的な強さ」を焼き付けたい、
という狙いがあったように思うのです。

 

結果は失敗だったけど、
彼が、この大舞台で果敢に4回転にチャレンジしたことに・・
常に上を目指して、歩みを止めない彼に・・また惚れ直してしまった。

 

そして織田くん。
フリーのチャップリンをずっと観たいと思っていたので、
今回観ることが出来て、嬉しかったです。
最初のジャンプの膝のやわらかさに、
思わず「おお〜」と声を出してた自分w。
でも、この演目は、さらに膨らませて行ける要素がいっぱいありそう。
チャップリンの面白さ、哀しさ、を、
もっともっと自信を持って「演技」出来たら・・
自然と得点はついて来るんじゃないか、と思いました。

 

それは、女子の安藤美姫さんにも言えること。
4回転にこだわらなくなってから、
すごく雰囲気のあるスケートをするようになった、
でもまだ、身体全体から湧き出るような「自信」が感じられない。
演目的にはアピール出来るものがたくさんあると思うので、
そういうところを大胆に表現して、もっともっと観客を魅了して欲しい。
だって、クレオパトラなんだから。
キム・ヨナがうまいのは、まさにそういうところなんだと思う)

 

そんな中、女子の鈴木明子さんが、
フリーで自分の力を出し切って3位に食い込んだのも、嬉しいことでした。

 

それにしても、フィギュア(シングル)は、男女とも層が厚いですよね〜。
今回オリンピック内定を取れなかった高橋くんや、
ファイナルに出てなかった浅田真央さん始め、
国内の主要メンバーが顔を揃える今月末の日本選手権もまた、
盛り上がること間違いなし!で、楽しみです。