『小公女セイラ』(第4話)感想

小公女セイラ』(第4話)感想
何だろう、セイラ(志田未来)が、
だんだん「人間」になって行く感じがするw。
「女の子は誰でもプリンセスなのよ」と、
母親(黒川智花)から優しく言い聞かされ、
誰からも愛されて育ったセイラが、
自分を受け入れてくれない相手に対して、どう立ち向かって行くか・・

 

どんなひどい目に遭っても ひたすら「愛している」と言い続けることが、
相手にきちんと気持ちが伝わる方法だとは限らない。
正しい人間の正攻法の言葉が、まっすぐであればあるほど、
言われて傷つく人間だっている。
・・「愛」を上手に伝えるのは、本当に難しい。

 

「弱いとこ見せちゃったから恥ずかしい」
「いつも、どんだけ強いんだこの子は、ってとこばかり
見せられてるから・・大丈夫だよ」
このセイラとカイト(林遣都)の会話に、何だかすごくホッとしました。
人は、強いままではいられない。
自分の弱みをさらすことで、
人の弱みにも心を寄せることが出来るようになる。
まっすぐな気持ちを伝えるには、時には自分を一歩引かせることも、
あるいは、あえて敵役になることも大切。

 

熱が出て劇の稽古が出来なくなってしまった真里亜(小島藤子)に、
「風邪ぐらいでチャンスを逃すようなあなたじゃないでしょ。
「あなたが出来なかったら私にやってくれって。
悔しかったら意地でも元気になりなさい」
と吹っかけて、負けん気を引き出すあたり、
一度どん底に落ちたセイラが身に着けることが出来るようになった、
人心掌握術、とも言えるのかなぁ、と。

 

さて、一方の千恵子(樋口可南子)ですが。
実は、こっちの方がずっと根が深かったんですね。
千恵子が抱き続けている、セイラの母に対する屈折した感情が、
今と昔の「ロミオとジュリエット」の芝居をオーバーラップさせることで
明らかになって行く、そのあたりの流れがスムーズで、
自然に、千恵子の気持ち(深いコンプレックスの根っこ)が伝わって来ました。

 

で、亜蘭先生(田辺誠一)。
何なんでしょうねぇ、この人は。w
セイラに関しては、それほど心配していない、というか、
いろんな経験をさせることも必要だと思って ちょっと離れて見てる、
って感じがするけど、千恵子に関しては、本当に心配してるみたいだし。
かと言って(少なくとも今のところは)千恵子に恋してるって感じ
じゃないし。

 

彼の感情の出どころは、いったいどこなんでしょうか。
う〜ん、なんとなくセイラのお母さんあたりなんじゃないか、
って気もするんですが、まだ謎だらけ、であります。
で、その、よく掴み切れない歯がゆい感じがまた、良かったりしますw。

 

とりあえず、亜蘭にもちゃんと大事な役目は課せられていて、
それも、このドラマの中枢に係わって来ることらしい、ってだけでも満足。

ビューネくんみたいに、そっとやさしく包み込んで千恵子を癒すんでも、
ずっとあなたが好きでした!ってな衝撃の告白でも、
実はミレニウス女学院を乗っ取りに来た大手私立校のまわしもん(!)でも
何でもOKだなぁ。w
だって、田辺誠一、見事に演じおおせてるもん「読めない亜蘭」を。

 

   *

 

今週の、心に残った一言。
「権力と人望、このふたつを兼ね備えた人間は滅多にいない」

 

ところで・・
千恵子は、どういう経緯で、ミレニウス女学院の院長になったんでしょうか?
しかも、妹の笑美子(斉藤由貴)が副院長だし。
そのあたりの事情説明って、まだ何も語られてないと思うんですが・・
私、見落としてます?