『こちら葛飾区・・』/『救命病棟24時』/『天地人』/『20世紀少年』ミニ感想

 こちら葛飾区亀有公園前派出所
結局最後まで楽しく観てしまいました。
いや、確かに、くだらないし ばかばかしいんだけど、
それをちゃんと自覚して作っているのがとてもいいと思う。
このCG全盛のご時勢に、ジオラマの嘘っぽさを取り入れて、
絵も、ストーリーも、シンプルに作っているのがいい。

たとえば、漫画家が、
絵がうまくなるにつれ コマの端々まで細かく書き入れるようになって、
やがてその緻密さに、自ら息が出来なくなるように、
最近のCGの徹底した描き込みもまた、
どこかで壁にぶち当たるような気がしてしょうがない私としては、
隙だらけのこういうドラマが、週に1本ぐらいあってもいい、と、
このドラマを観ていて思いました。

とにもかくにも、両津をやりきった香取慎吾くんに拍手!
最終回、キムタクの絡み具合も良かったw。

 

『救命病棟24時』
最終回は特に、登場人物それぞれの立場、それぞれの主張が明快で、
一人一人に感情移入して、本当に泣かされました。
敵役・ユースケサンタマリアの役作りはみごと。
けっして激昂しない、感情の抑制が効いた演技に、惚れ直しましたw。

 

天地人
先週の「関ヶ原」の合戦のシーンは、迫力がありましたね。
いつも、あのくらいの人数を使って撮ってほしいものです。

今週は三成の最期でしたが、
小栗旬くんの演技は、なかなか見ものでした。

このドラマは、いい人と悪い人がはっきりしていて、
分かりやすいんだけど、深みがないんですよね。
主人公にも、せめて三成ぐらいの陰影をつけてやれないものか、と思う。
家康も、松方弘樹さんにあれだけのことさせるなら、
もっと背景をしっかり描いてあげないと可哀想。
そんな中、優柔不断な小早川(上地雄輔)が、良かったです。

 

『20世紀少年・第3章<ぼくらの旗>』
先日TV放映された、「第1章」「もうひとつの第2章」を観た上で、
第3章を映画館で観ました。 素晴らしかったです。
堤監督、面目躍如。
原作者でもある浦沢・長崎両氏の脚本も見事。
キャストでは、豊川悦司さん、香川照之さんが特に良かった・・
というか、好きでしたw。

 

TV放映時に、「マンガだからこそ描けたものがある」と書いたのですが、
3章に限って言えば、その「マンガ」にかなり肉迫していたように思います。
途中までは、原作で描きたくて描き切れなかったもの、まで、
しっかりと映像化されていたようにさえ思えました。
ただ、ラスト近く、「ともだち」の正体が明かされるシーンには、
どうしても物足りなさを感じてしまった。
あれだけの世界観を構築していたにもかかわらず、というか、だからこそ、
最後のタネ明かしが弱いんじゃないか、と思えてしまって。
バケモノになってしまった「ともだち」が、マスクをはずした時、
どうしても、あんな大それたことをする人には見えなかったんですよね。
私の貧しい想像力のせいなのかもしれないけど。
エンドクレジット後の本当のラストがああいうものならば、なおのこと、
もっと、「ともだち」の痛みが、
あのシーンで浮き出て欲しかったと思いました。

 

ラストは賛否両論あるかもしれません。
ただ、あれを付け加えたことで、マンガが背負った未曾有の痛ましさに、
救いの手が差し延べられたような気が、私はしました。
階段の手すりのかげから、おずおずと顔を出す神木隆之介くんの表情が、
心に残りました。