『ディア・シスター』(第4話)感想

『ディア・シスター』(第4話)感想
今回、私が一番印象に残ったのは、
「俺、美咲のためなら死ねるよ」と言う永人(岩田剛典)に対して、
「そういうの全然嬉しくないから。今度言ったら絶交する」
と即座に言い放った美咲(石原さとみ)の一言。
この容赦ない手厳しい言葉は、
美咲のどういう気持ちを表しているのだろうか、と。


2話の感想で 「このドラマは一種のメルヘンだ」と書いたのですが、
この 永人の 美咲への想いも、
あるいは、陽平(平山浩行)の 葉月(松本奈緒)への想いも、
葉月の 宗一郎(田辺誠一)への想いも、
まるで少女マンガみたいな典型的な「切なさ」の描き方で、
それらの 軽妙でキュンと来る心地良い「好き」という想いに比べて、
美咲と宗一郎の お互いへの想い、というのが、
私には、ちょっと重く感じられて、
今のところ、あまり魅力的に見えないのですよね、
そこだけは「メルヘン」と言えない気がして。

そのあたりが、このドラマを、
ライトなラブコメディという枠にすんなり収まらせていないし、
観ていてちょっとしんどく思ってしまうところでもあるんですが。


美咲のおなかの中の赤ちゃんの存在・・
それは、宗一郎と美咲のあのキスシーンから繋がっている。
そうして生まれた 新しい命に対する責任・・
その部分をいい加減に描いていない、
そこだけはメルヘンと言えない描き方になっているから、
観ていてしんどくなってしまうのかもしれない。

だけど、そのことが逆に、
私には すごく興味深く感じられたりもして。


夢よりも現実、憧れよりも責任――
メルヘンタッチの世界観の中で、
異質な重さを背負わされた二人をどう描くか、は、
このドラマの大切なキモにもなるんじゃないか、という気がします。

二人が自然とメルヘンの世界に取り込まれて行くのか、
あるいは、葉月を筆頭にしたメルヘンの住人たちが、
現実的な重さを受け入れるようになるのか、
あるいは、
奇跡的にそれらがうまく融合・調和されたものになって行くのか。

そして、複雑に張られたそれぞれの「想いの糸」は、
どんなふうに繋がって行くのか・・

宗一郎を振っても、美咲には永人がいるし、
宗一郎に振られても、葉月には陽平がいる。
ドラマ的には、宗一郎が一人残されて、
この二組がそのままペアになっても いっこうに構わないわけですが。
(それを望んでいる視聴者が大勢いるわけだし)

でも、この脚本は、
そのセーフティネットを 安易には使わない気がするのですよね。
・・まぁそれは、美咲と宗一郎の
お互いへの気持ちが半端なものではない、と信じたい、
私の希望的観測ではあるのだけれど。w


そんなこんな、次回以降への興味は尽きません。
妄想好きで、いつもはあれこれ先回りして考えてしまう私ですが、
このドラマはキャラや背景がきっちり出来上がっている上に、
先が読めないので、
気軽に妄想を働かすことが出来ない。
おとなしく次の放送を待っていようと思います。


『ディア・シスター』     
放送日時:2014年10月-毎週木曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本:中谷まゆみ 演出:平野眞 プロデュース:中野利幸
音楽:Jhameel 橘麻美 白石めぐみ 大間々昂 
主題歌:「Happiness」シャネル 挿入歌:「BF」moumoon
制作:フジテレビドラマ制作センター
キャスト:石原さとみ 松下奈緒/岩田剛典 平山浩行 森カンナ
田辺誠一 堀内敬子 片平なぎさ 他
『ディア・シスター』公式サイト