『天地人』/『こちら葛飾区・・』/『官僚たちの夏』/『20世紀少年』ミニ感想

 天地人
ドラマの出来がいいか、悪いか、という問題ではなく、
どうも、今回の大河も(昨年もだったけど)私には合わないようです。
でも、視聴率はいいんだよね。
私と一般視聴者との大きなへだたりを感じる今日この頃、だったりします。
以前は、それでちょっと不安になった(よっぽど変なのか自分・・とかw)けど
自分は自分、人は人、と開き直ってからは、
逆にそのギャップが面白く思えたりして。(基本、へそ曲がりな女なのさっw)
妻夫木くんも北村さんも好きな俳優さんなんだけど、
魅力的に見えない(あくまで私にとって、です)のが辛いなぁ。
せめて、去年の堺雅人さん(家定)とか中村梅雀さん(井伊直弼)みたいな
好みのワキ役はいないか、と思ったら、いましたよ!
今は、松方弘樹さん(徳川家康)のワルっぷりに嵌まってますw。

 

こちら葛飾区亀有公園前派出所
逆に、視聴率が右肩下がりなのに、面白い、と思って観てるのが、これ。
あの原作のハチャメチャ感を実写で出すのは到底無理があるんだけど、
でも、健闘してるなぁ、と思う。
へたにCG多用してリアルにせず、書き割りをぶっ壊す、みたいなやり方で、
マンガチックにしてるのが、功を奏してる感じがする。
人情話をうまく差し込んで、ドラマ仕立てにはしているけれど、
これは結局「ドリフ大爆笑」とか「笑う犬」とかの流れを汲む、
シチュエーションコントなんじゃないか、とも思ったり。
(3話のクドカンなんか、嵌まり過ぎでしたw)

 

そんなバカバカしくて嘘っぽい亀有世界に、息を吹き込んでいるのは、
香取慎吾くんの、両さんキャラの作り方の上手さ。
ドラマが始まる前は、両さんと香取くんがうまく繋がらなかったんだけど、
始まってみたら、違和感がほとんどなくて、
改めて、香取くんの俳優としての・・と言うより、人間としての、
間口の広さを感じました。

 

官僚たちの夏
あの時代の熱や、鼓動みたいなものは、うまく伝わってる気がします。
だけど、その時代の出来事や動きを追っているだけで、
一人一人の人間の感情の揺れみたいなものまでは、
深く掘り下げていない感じがする。
真面目に取り組んでるいいドラマなんだけどなぁ、
何かが足りない、歯がゆい感じ。
「時代」側から見ていて、「人間」側から見ていない、というか・・
NHKの「プロジェクトX」を、豪華キャストで観せられてるみたいな感じ、
と言ったらいいか。

 

『20世紀少年(第1章・もう一つの第2章)』(映画)
原作のファンで、途中まで本当に夢中になって読みました。
(あまりにスケールの広がっちゃった後半は、ついて行けなくて未読)
傑作の多い浦沢作品の中でも、間違いなく上位に入る作品。
だからと言って、というか、だからこそ、
映画に、同じものを求めちゃいけないんだな、ぐらいの分別は
持ち合わせておりますw。
しかし、特に第1章は、そういう防護壁を心に張って観なくても、
かなり原作の世界観に忠実に作られていて、
観ていて、かなりびっくりしました。

ただ・・・
登場人物も、時代背景も、あまりにも原作に忠実に作られている、
そのせいで、逆に、原作に流れていた決定的なものが、
損なわれてしまった気がする。
いやいや、堤監督も、唐沢さんや豊川さんを始めとするキャストも、
非常に頑張っていた、
ひょっとしたら、実写でこれ以上のものは作れないのかもしれない、
というぐらいクオリティも高い、と思う。
だけど・・

二次元のマンガだからこそ描けたものがある、
あの余白にこそ、込めることが出来た世界がある。
少なくとも、私は、そこに、めちゃくちゃ惹かれたんだ、と、
映画を観て、改めて感じさせられました。