『ガリレオф』感想

今さら『ガリレオф』感想
連続ドラマ『ガリレオ』SP版。
連ドラの3年前という設定。第0章ということだそうですが。


放送時に都合で最初の30分程度しか観られなかったので、
あらためて再見。
初見の時に、福山雅治さん演じる湯川(ガリレオ)に、
連続ドラマではあまり感じられなかった「陰影」がついたような気がして
興味深く思ったのだけれども。
おそらく、連続ドラマの後に『容疑者Xの献身』を撮り、
さらにその後に、このドラマを撮ったせいで、
いい意味で、福山さんが、『容疑者‥』の「重さ」をまだ引きずって
いたんじゃないか、と思いました。
そして、そこが、私はすごく良かったと思いました。


『容疑者‥』では、湯川が物理学者である意味、
というのはあまりなくて、むしろ「探偵役」として、
事件の傍観者という立場に終始していたわけですが、
今回はもうはっきりと「主演」であり「物理学者」として、
湯川学(ガリレオ)としても、演じる福山さんとしても、
魅力全開のドラマになっていたように思いますし、
SPドラマとして2時間たっぷりと湯川=福山を味わう上で、
映画で探偵役に徹したことで身についた(と私には思われる)陰影が、
非常にいい かくし味 になっていたような気もしました。


今回は、ドラマで創作された内海刑事(柴崎コウ)は登場せず、
草薙刑事(北村一輝)が相棒役になっていたのですが、
これが本来の原作(東野圭吾)の形、ということになるのでしょうか。
(原作を読んでないので解かりませんが)
どちらが湯川の相棒だとしても、面白いには違いないですが、
私は草薙の方が好きかな。
いや、この役を演じてる北村さんが好き、
ってことなのかもしれないけど。(笑)
内海は、連ドラの時にちょっと、と、
映画でしか観たことがないのですが、
もうちょっとじっくり湯川に絡ませてみたい気がします。
あ、もちろん、恋愛を匂わすような、変な甘さ抜きで。(笑)


ドラマとしても、推理ものとしても、とても面白かったし、
同日に映画の上映開始、ということで、
「静のガリレオ」(映画)と「動のガリレオ」(ドラマ)の両方を
味わってもらおうという制作側のもくろみは、
まんまと成功したように思います。
私みたいに、連ドラの時はたいして熱心でもなかったのに、
映画を、堤真一さんの名前に釣られて(笑)観に行って、
で、さらにこのSPドラマを観て、
その面白さに惹かれた人間もいますので。


それにしても、TVでは、2時間ドラマも多く制作されていますが、
これと同じくらいクオリティの高い作品を作るぞ!ぐらいの気概が、
ドラマ制作者にも、もっともっと欲しいです。


あ、あと最後にもうひとつ、
学生時代の湯川を演じた三浦春馬くん。
これはもう、私みたいに「俳優が役を演じる」のを観るのが
大好きな人間としては、
「くそ〜やられちまったぜ!」的敗北感=喜び(笑)を感じられた
キャスティングでしたね。
(映画の堤真一さんや松雪泰子さんとは別な意味で)
あれは、「学生時代の湯川」を演じてるんじゃなくて、
「湯川を演じてる福山雅治」を演じてるんだよね。(笑)
しかも、それが、単なる「モノマネ」じゃなくて、
ちゃんと「演じている」と感じられたことに、
何だかちょっと震えが来るほど感動してしまいました。
ブラッディマンデイ』の時のキャラとはまったく違うしね〜。
いやはや、また動静注目必至の若手が出て来てしまいました。(笑)


草薙を演じた佐藤和真くん(久しぶりだ〜)も良かったので、
この二人で、若かりし日のガリレオ、なんてやってみても面白いかも。
そこに石神も絡んで来たり、とか。
・・・な〜んて、ああ、もう、妄想爆発してます!(爆)