『神の雫』感想まとめ:後編(5〜9話)

 ▼ 『神の雫』(第5話)
う〜・・ドラマ観てるあいだ ずっと全身に力が入ったままなので、
肩が凝って仕方ない!(笑)

 

うん、やっと「ドラマ」として動き出した、という感じですね。
田辺さんの怪演(笑)もあって、
今までどうしても一青側に気持ちが傾いていたんですが、
今回は、亀梨くんとワイン事業部の人たちの描き方が良くて、
かなり雫側に惹かれてしまいました。

 

イタリア長介のエピソードは、
今までのエピと同じく本当に短かかったんだけど、
今回が一番、すんなり気持ちを寄せることが出来ました。
それは、短いセンテンスの中に、役の気持ちをギュッと凝縮させて、
感情を上手に練り上げた田口浩正さんの、
これもまた(田辺さんとは質の違う)「力技」の賜物と
言っていいのかもしれません。
相手役の松田沙紀さんの透明感ある笑顔も良かったです。

 

それと、何と言っても神咲雫を演じる亀梨和也くんが、
役の上に、いろんな「色」を差し込み始めた、というのが大きい。
ドラマの流れとは言え、ここまで、大きな揺らぎのないまま、
割と淡色に描かれていた雫でしたが、
ここに来て、ちょっとずつビビットな色味を付け始めた、と言ったらいいか。
最後の感情の爆発も素晴らしかったけれど、
その前の、ワインから得たイメージを言葉にした後、
父・豊多香の愛をやっと確信出来た(と、この時点では思っている)雫の、
穏やかな微笑みもまた、私としては心に響くものがありました。

 

前回、ちょっと苦言を呈しましたが、
この人もまた、役を征服しない、役に寄り添うタイプの俳優さんだと思うし、
それゆえに魅力的になれる要素を持ってる人だとも思うし、
天才肌じゃない、そういう俳優さんが、私としては大好きなので(笑)
今後どんなふうに色を重ねてくれるのか、
楽しみに観続けて行きたいです。(すっかりミーハーファン。笑)

 

遠峰一青の田辺誠一さん。
実は今回初見した時に、
一青を演じる田辺さんを観ていてすごく辛くなってしまって。
何だろう・・うーん・・
まるで、たった独(ひと)りでシェークスピアの難解な台詞に挑む
舞台俳優 か、
荒行に立ち向かう修行僧 みたいに見えた、と言ったらいいか・・
何だか、観ているうちに、「これ以上 自分を痛めつけないでくれ!」 と、
無性にそう思ってしまったんですよね。(苦笑)

 

原作(漫画)の通りにやろうとするなら、
もっともっと綺麗にかっこ良く演じてもいい役だし、
もっとあっさりと美しく一青の「苦悩」を表現することも出来るはずだ、
と思うんだけど・・・
(おそらく、他の人が演じたら、そうなってたんでしょうね)
そんなふうに簡単に一青を演じようとしない田辺さんを観ていて、
何だかすごく居たたまれない気分になってしまって。

 

「愛とは何だ!?」と苦悩する一青、独り苦しみ、のた打ち回る一青・・・
画面上では本当に滑稽(こっけい)なほど大袈裟で・・・
だけど、そのオーバーアクションの中から、
ほんの一片の「一青の真実」を見つけ出そうとしている・・
あえてかっこ悪く、遠回りをすることで、
一青の心の奥に潜む「闇」を探ろうとしている・・

 

・・と、ちゃんと納得しているつもりだったのに。
まるで苦行僧のような田辺さんを、これからもずっと観続ける勇気を、
持続出来なくなりそうになってる自分が、情けなかった。
先週「このとんでもない一青が好き」と言ったばかりなのにね。(苦笑)

 

で、一昨日から昨日にかけて、二度再見。
まったく軟弱なファンだ、と、自分を嗤(わら)って、
少しおちつきました。(笑)
豊多香が父と知った時・・雫の頬をぶった時・・の表情や台詞には、
明らかに、一青の心の在り処を掴んだ田辺誠一
溶け込んでいたような気がしました。

 

そして。
へたをすると、原作ファンの怒りを買いかねない、
彼らを敵に回しかねない、
それどころか、ドラマ自体を壊しかねない、
そんな危ない橋を渡ってまで表現したい、田辺誠一の「遠峰一青」とは、
いったいどんなものなのだろう・・
それを観たい!と、強く思うようになりました。

おそらく来週、一青にとって、一番大きなピースが嵌め込まれる。
その時の一青の苦悩と、その後の成長を、
田辺さんがどう演じてくれるのか、じっくりと見届けたい、と思います。


▼ 『神の雫』(第6話)
え〜っと・・実は、先週私が予想した展開とは違っていたので、
ちょっと戸惑いもあるのですが。
というか、4話の予告を観たあたりから、
次こそは一青の過去が明らかにされるだろう、
次こそは、次こそは・・と思い続けて、はや6話。(あらら〜)
今回は雪山がキーポイントになってる、ということで、
今度こそ間違いない!と思い、
前回「一青にとって一番大きなピースが嵌め込まれる」
と書いたんですが、また肩透かしをくわされてしまいました。

 

うーん、どうなんだろう・・
雫と兄弟であることを知ってから、
兄としてのしなやかな感情を表現し始めた田辺・一青を観ると、
原作にあるその事実(子供の頃の雪山での出来事)を描かなくても、
ストーリーは成立してしまいそうなんだけど・・・
でもね、そうなると、
「私は愛を知らない」とつぶやいていた彼、
思いっきりワインにのめり込んで奇行を繰り返していた彼、
っていうのは、いったい何だったんだろう、とも思うのですよね。

 

神咲豊多香は二人の女性(一青の母と雫の母)を愛した、
豊多香は一青の本当の父親であり、一青と雫は本当の兄弟である、
という大きな事実が発覚した前回を受けて、
それぞれに新たな一歩を踏み出した感のある二人。
雫が、雪山に登ることで、
父親と違う自分の居場所を発見したように、
一青もまた、母が決して不幸な女性でなかったことに思い至る。

 

セーラという異父妹の存在があるから、
一青は、雫に対しても、
あんなに優しい表情になれたんですよね、きっと。
もう、このまま「いいお兄ちゃん」になってもいいよ、っていうぐらい、
あの表情がとっても心に響いたから、
改めて一青の苦悩を掘り起こすのが辛い気持ちもあるんだけれど・・
でも、やっぱり、あの出来事を描かないと、
一青の芯(闇)の部分は明確にならないままだ、とも思うのです。

 

次回、失明の危機に陥る一青。
果たして病気なのか、
あるいは過去のトラウマから来るストレスが原因なのか・・・
(一青を見てると、一種のトラウマ後ストレス障害にも見えるので)
今回は「雫の成長編」と言っていい内容だったので、
次回は、一青側に変化がある展開になって欲しいものです。(切望)

 

うーん、ここまで、こと「雫vs一青」に関しては、
芯が通ってる感じがするので、
ちゃんと描いてくれそうな気もするんですけどね。
でも、あと3回しかないしなぁ・・
そこまで一青のエピソードに時間を割いてくれるかどうか、
正直不安ではありますが。

 

そのあたりも含め、
どうも、このドラマは、掴みどころがない、というか、
要所要所では、間違いなく最終地点に向かって進んでいる、
と感じられるんだけど、
全体の流れとして、うねりとなってそこに向かって行く、
というような、力強さが感じられないのですよね。
ジグソーパズルのピースはたくさん見せられてるのに、
いまだにそれがどういう絵になるか解からない、というような、
すごくもどかしい感じがあって。
それを解くヒントが、ここまで来てもほとんどないので、
何となく、どこにどう感情移入をすればいいのか解からない、というか。

 

でも、それもスタッフの計算のうちで、
あと3回で、ピースがパパパッと埋まって行って、
一気に感情移入出来るような展開になる、なんてことになったら、
それは、私としては、
すごく嬉しい裏切られ方だと言えるんですけどね。
原作を新しく練り直し、構築し直した手腕を考えると、
そのあたり、計画的に狙ってやろうとしている
ような気もするんだけどなぁ・・

 

・・・・まぁ、そんなこんな、
フラストレーションが溜まってる部分もあるんですが、
遠峰一青を演じている田辺誠一さんに関しては、
今回、ほんっっとに!最高に!楽しませてもらったので、
結果、6話全体の印象としては、かなり良いものになりました。(笑)

 

いや〜、今回ほど、
一場面一場面に釘付けになってしまったことはないですね。
このドラマを観続けて来て、初めてですよ、
こんなに、田辺・一青が、原作の遠峰一青に似てる、って思ったのは。(笑)
・・というか、感情の細やかさ、緻密さ、という点では、
原作の一青より魅力的だ、とさえ思ってしまいました。ははは。
(原作の一青ファンのみなさま、すみませんっ)

 

多分、カメラアングルがいいんだろうけど、
画面に映る一青のビジュアルが、今回は完璧に近かったですね。
演じている田辺さんがまた、今までの「読めない一青」から、
じんわりと感情の表現方法を広げ始めて、
微妙な表情変化だけで、瞬間瞬間に一青がどんな気持ちでいるのか、
観ている私たちにしっかりと伝わるように演じてくるので、
いちいち一青に感情移入して、いやもう萌える萌える。(笑)

 

二次元の世界(漫画)の人間に血を注ぐ、というのは、こういうことだ、
という、お手本のような人物描写。
滅多に田辺さんを手放しで褒めない私ですが(笑)
今回ばかりは、お見事!と素直に頭を下げるしかありません。
(あ、でも、ワイン事業部で雫と対峙するシーンは、
あと一歩 感情の踏み込みが足りなかったかな・・って、
やっぱりちっとも素直じゃない!笑)

 

こうなってくると、もう、
スタッフ〜!もっともっと田辺・一青をいじめて!(笑)
と、実はSな翔の本性も出て来たりして。(爆)

 

毎回のことですが、
雫との使徒対決の場は、緊張感があってすごく好きです。
今回は、雫(亀梨和也)の大人びた表情と、
一青のやわらかな微笑が、
いいコントラストになっていました。
亀梨くんも、少しずつではあるけれど、
彼なりの色味を差し加えて来てるんだなぁ、と改めて思いました。
隠れ亀梨ファンになりつつある(笑)私だけど、
でも、ま、今回ばかりは田辺さんに軍配♪ ってことで。(笑)

 

 

▼ 『神の雫』(第7話)
田辺誠一&遠峰一青ファンとしては、
一青が第五の使徒に辿り着くまでの過程が あっさりし過ぎていて、
物足りなく感じられましたが、
神咲雫(亀梨和也)側から観ると、ピースがだいぶ埋まって来て、
興味深い展開になって来たように思います。

 

父・豊多香(古谷一行)が抱えていた闇(孤独)の原因が、
自分にあったのではないか、と思い悩む雫。
しかし、父には支えてくれた女性がいた。
その人への父の感謝の気持ちが、第五の使徒として表現される。

 

6本のうちの1本を割(さ)いてまで霧生に言及する、というのは、
雫と一青の対決、という使徒ワインの意味合いから
はずれるんじゃないか、とも思うけれど、
6本の使徒が、二人の息子の「父への真の理解」への道標(みちしるべ)
として用意されたものであるなら、
これもまた、意味のある1本ということになるのでしょうね。

 

霧生が、途中で第五の使徒の遺言状を読むのを止めてしまったのは、
このワインが、おそらく自分を指している、にもかかわらず、
「愛という言葉では言い表せない・・」
つまり、豊多香の自分への想いが「愛情」ではない、という記述に、
予想していながらもショックを受け、
その先が、怖くて読めなくなった、ということだと思うのですが、
雫が、使徒を探すうち、霧生の存在に思い至り、
使徒の記述に足りないものを感じて、続きがあるのではないか、
と考える、という展開は、多少強引ではあるけれど、
納得出来るものになっていたように思います。

 

何より、今回は、霧生涼子役の戸田菜穂さんが素晴らしかった!
一青を演じている田辺さんに対しても思ったことだけれど、
役を演じる、って、その役の人生を背負って生きるってことなんだなぁ、と、
改めてそんなことを考えさせられる、
深みと重みと存在感のある演技だったように思います。
回想シーンでの、豊多香の前に座る霧生の美しさは、
絶品でございました。

 

何だかねぇ、たった1話の中だけど、こういう描き方をしてもらえる、
今までの伏線が全部生きるような描き方をしてもらえる、
それを演技として表現出来る場を与えてもらえる、って、
俳優(女優)として、こんなに幸せなことはないんじゃないか、って、
戸田さんの涙を観ながら、そんなことを考えてしまいました。

 

第五の使徒の重要なキーワードに「感謝」という言葉があるんですが、
今回、雫はみやび(仲里依紗)に
何度も「ありがとう」って言ってるんですよね。
豊多香も霧生に言ってますが。
それは、いわゆる(男女間の)「愛」というものとは
ちょっと違うのかもしれない。
だけど、とてもとても大切な感情には違いない。
「ありがとう」と言える人がいつも近くにいる、って、
すごく心強くて、すごく励みになって、すごく元気になれることなんだ、と、
そんなことも思いました。

 

うん、実は私、男と女がいると、すぐLOVEに発展しちゃう
安易な展開のドラマがあまり好きではなくて。(笑)
たとえば、木村拓哉さんが総理を演じた『CHANGE』にしても、
深津絵里さんとの信頼関係がすごく好きだったのに、
最後に、取ってつけたように「きみが好きだ」
みたいな終わり方になってしまったのが、すごく残念で。

 

雫とみやびはどうでしょうね。
何だか、私は、この二人を観てるとすごく幸せな気分になれるし、
今の二人の距離感がすごく好きなので、
簡単に「愛してる」なんて告白する展開には なって欲しくないけど。(笑)

 

戸田さんも素晴らしかったけれど、
今回は、亀梨くんと仲さんも、とても良かったです。
仲・みやびの、懐の深い温かさ、
みたいなものは元々伝わって来ていたけれど、
少しずつ雫への気持ちが深まって行ってる感じが、とてもいい。

 

それと、何と言っても亀梨くん。
いや〜、やられてしまいましたね、今回は。(笑)
先週「田辺さんに軍配」と書いたけど・・田辺ファンの私だけど・・
はい、今週は間違いなく亀梨くんに軍配。(笑)
今までの、どこかフワフワしていた雫に、しっかりと一本芯が通った感じ。
遠慮がちでお客様っぽかった以前に比べ、
事業部の面々とも、すっかり打ち解けた様子だし、
みやびに対しても、心を許す、というより、心を預ける感じになって来たし、
使徒対決の場での霧生への気遣いなどは、
ちょっとした風格さえ出て来て・・
いやはや、大人になったもんだね〜、亀梨・雫くん。(笑)

 

うーん、雫としても、亀梨和也としても、
今後がほんとに楽しみになって来たなぁ!
あと2回、「隠れ亀梨ファン」の私の「隠れ」が取れるような雫を
見せて欲しいぞ、亀梨和也〜!(と、遠〜〜くの方から挑発してみる。笑)

 

さて、今回、すっかり分が悪かった田辺・一青。
ワインに向かって「貴様は神か悪魔か・・」なんて、
あいかわらずシェークスピア劇まがいの言いにくいセリフを
言わされてますが。
まぁ、そういうところは観ていて辛いこともあるんですが、
それでも、登場シーンにはまったくそつがなくて。

 

再び闇の中に沈んだ一青。彼を救えるのは誰なのか。
セーラか、マキか・・・いや・・たぶん、雫なんでしょうね。
部屋を訪ねて来た雫に、眼の見えなくなりつつある一青が、光を感じる・・
あのシーンを観ていて、
結局、一青を救えるのは彼だけなんだろうな、と、そう思いました。
今までの雫なら、到底支え切れなかっただろうけど、
今の雫なら、何となく、一青を支えてあげられそうな気がする・・
そんな力強さと確かさが、
亀梨・雫の中に育ち始めてるように感じられるので。
・・まぁ、どういう展開になって行くのかは解かりませんが。

 

どんな少年漫画(あるいはドラマ)でもそうだけど、
男vs男の闘いの面白さは、お互いに対する敵対心と共に、
どこかで「背中合わせの友情」みたいなものが育って行くところ
にあるような気がします。
良きライバルって、自分の度量と相手の度量をしっかり見比べられる
「公平な眼」みたいなものを持っている者同士のことを
言うんじゃないでしょうか。
お互いが、お互いの力をしっかりと認めている・・
だからこそ、自信と不安とが綯い交ぜ(ないまぜ)になりながらも、
こいつだけには負けたくない!って思える・・

 

今回の使徒対決の場は、霧生と雫に持って行かれた感じだけど、
田辺さんは田辺さんなりに、
そのあたりの一青の気持ちを表現しようとしていたんじゃないかなぁ、と、
あの場面の田辺さんを観ながら思いました。

 

ここまで、一青の2勝1敗1引き分け。
雫を甘く見て、油断のあった第1の使徒の敗戦があったとはいえ、
実力で一青が勝っているのは間違いないし、
前回は、闘いの場に戻って来てくれた雫に対して、
兄として、対戦者として、嬉しい気持ちもあったかもしれないけど、
今回の一青は、完全に対戦モードで。

 

そんな中、自分が闇と格闘してようやく見つけ出したワインと同じものを、
豊多香や霧生の気持ちを汲む、という形で言い当てた雫に、
一青は、初めて、手ごわい、と感じたんじゃないか、と思うのです。
そのあたりの、雫の言葉にかすかに反応する一青、というのを、
田辺さんはちゃんと表現していたように見えたのですが、
画面ではあまり映っていなかったのが、すごく勿体ない気がしました。
いや、もちろん、あの場面は霧生中心で正解だろう、
とは納得してるんですが・・

 

豊多香の闇の謎(もちろん雫が原因ではない)が解ければ、
一青の闇の謎も解けるはず。
(まぁ正直、一青の闇の正体が明らかになることで、
豊多香の闇の謎も明かされる、という展開がベストなわけですが)
そこにマキがどう絡んで来るか・・
あと2回でどれだけ描けるのか、正直不安だらけですが(苦笑)
田辺・一青ファンとしては、
今回、眼が見えなくなりつつある原因が「精神的ストレス」だった、
ということと、
ロベール(竹中直人)の
「一青が、絶望の暗闇に眼を向けてしまうとはな・・」
という言葉にひたすら 縋(すが)って(苦笑)
とりあえずは、一青メインになるらしい展開の来週を、
楽しみに待ちたい、と思います。

 

予告を観ていて思ったこと・1。
予告の階段落ちは、どうやら22日の夜に撮影されたようです。
放送のわずか2日前だったと思うと、
まるでライブで見ているような感覚に陥って、胸が痛かった・・
でも、背中からふわ〜っと落ちて行く あの落ち方には萌えてしまった。(笑)

 

予告を観ていて思ったこと・2。
さっき、良きライバル、ということを書きましたが、
雫と一青には、さらに「兄弟である」という離れられない繋がりもあって、
闘いながらも、力を合わせて共通の克服すべき山(父・豊多香)に
立ち向かう、という、ライバルでありながら協力者でもある、
すごく興味深い関係になってるんだな〜、と、予告の二人を観ていて、
改めてそんなことも思いました。


▼ 『神の雫』(第8話)
観終わった後、なぜか手が震えて止まりませんでした。
このドラマを、何でこんなに「面白い!」と思ってしまうんだろう、私は・・?

 

あいかわらず、
物語として物足りないところ、惜しいと思うところはたくさんあるし、
ひとつひとつの役に対しても、また エピソードに対しても、
もっと深く、しっかりと描いて欲しい、とも思うのだけれど・・
それ以上に、物語全体の組み立て方とか、
俳優さんたちの演じ方とかが、
私の好み(願い・希望)にもろにジャストミートしてしまって、
もう嬉しくて楽しくて、いろんなこと考えて、
どっぷりと『神の雫ワールド』に嵌まってしまってる状態。
どんな些細なことも、なるべく全部欠けることなく受け取りたい、
と思っているので、
このドラマを観た後の私は、いつも、ものすごくテンション高いです。(笑)
で、そのハイテンションが一週間続いたまま、次の回に突入、という・・
なんて幸せな輪廻(りんね)。(笑)

 

さて本題。
田辺さんは、雫と一青を、ガンダムアムロとシャアに例えたけれど、
今回観ていて、私は、二人が、矢吹丈力石徹に見えて仕方なかった。
あしたのジョーのファンに怒られてしまうかもしれないけれど)

 

丹下おっちゃんやドヤ街の人たちの
厳しくも温かい愛に包まれて成長して行く丈と、
丈を最大のライバルと認め、
彼と闘いたいがために過去の栄光をかなぐり捨てて、無茶な減量を重ね、
ついに、丈と同じフィールドに立つ力石と・・

 

すべてを受け止め、受け入れることで、豊かに成長して行く雫と、
まるで命を削るように すべてを捨て去ることで、
大切なものを掴もうとする一青と・・

 

この物語が、
ワインの薀蓄(うんちく)に定評のある あの人気漫画 ついにドラマ化! とか、
KAT-TUN亀梨和也 主演! とか、そういう捉え方でなく、
最初から、少年漫画に好んで描かれる、男と男の闘いのドラマ、として、
視聴者に受け入れられていたとしたら・・
何かが変わっていたでしょうか。

 

・・・いやいや、そんなふうに後ろ向きに考えるよりも、むしろ、
人気漫画の描く世界観を生かしながら、まったく違ったアプローチをし、
人気アイドルの主演ドラマでありながら、
そのキャラを封じ込めた制作側と、
一俳優としてそれにきちんと応えつつある亀梨和也
さらには、田辺誠一仲里依紗内田有紀戸田菜穂竹中直人・・
といった、自分の役に丁寧に色を重ねて行く作業を
根気よく続ける演じ手たち、
その双方の せめぎ合いと融合こそ を、心から楽しみたいと思います、今は。


登場人物について――――

 

☆西園寺マキ(内田有紀
先週の霧生涼子(戸田菜穂)に続き、今週の西園寺マキ(内田有紀)も、
前回までに比べ、密度の濃い描かれ方をしていたように思います。
マキの内面に沈殿する寂しさ、哀しみ、かすかなプライド・・
こんなふうに、一人の人間の複雑な感情の在り処をきちんと描き、
きちんと演じる、
そういうドラマを観られることは、私にとって、とても嬉しいことです。

 

モノポールのマキが本当に美しくて、
その後、先週までの強気一辺倒ではなく、
どこか弱さを見せ始めた彼女に、
先週の霧生(戸田)と同じように、一方的に感情移入。(笑)
イヤな女のはずなのに、どうしても嫌いになれないんですよね。

 

階段から落ちそうになる一青の手を一旦はしっかり取ったのに・・
あんな眼で見られたら・・というか、
完全に何も見ていないあの一青の遠い眼を見てしまったら、
支える手の力も無くなってしまうだろうなぁ・・と、
愛し方を知らない可愛そうな女なんだよなぁ、彼女も・・と。

 

☆神咲雫(亀梨和也
先週よりもさらに、強さや確かさを増した亀梨・雫。
回を追うごとに逞(たくま)しさが備わって、
今回、完全に一青と立場が逆転。
最初の頃の浮遊感はどこへやら、今やドラマ全体を牽引(けんいん)する勢い。

 

ちゃんとおぼっちゃま的なところも出て来て(笑)
みやび(仲里依紗)に対する態度なんか、
強引さのカケラもなくて、おっとりしているのに、
いつのまにか彼女の心にすんなり入り込んでいて・・
そこがまたすごく良くて。

 

その、自分の言ってる意味が分かってるんだか分かってないんだか
よく分からない(笑)雫おぼっちゃま相手に、
庶民派みやびちゃんが、いちいちアタフタしてる様子も可愛らしくて。
いや〜改めていいコンビだなぁ、この二人。
うん、もうちょっと進展してもらってもいいかも。(笑)

 

☆遠峰一青(田辺誠一
たとえば、一青が使途のワインに到達するまでの過程、というのは、
このドラマにとって、あまり意味のないものになってしまったので、
簡単に描いてもらっていい、と私は思っています。
(いや・・残り時間を考えたら、端折るのはそのあたりしかない、
という言い方のほうが正解かもしれないけれど)

 

もっと大きな・・彼の「内なる闇」の部分について、
今のところ、田辺ファンとしても、一青ファンとしても
フラストレーションの溜まる描き方しかしてもらっていないことへの
不満は、確かにあるのだけれど、
私としては、そういうものすべてを反古(ほご)にしてもいい、
と思えるくらい、
今回の田辺・一青を観ていて、ものすごく惹かれる、というか、
激しく揺さぶられる、というか、そういう 心震えるものがありました。

 

最初の頃、奇行を繰り返す一青に対し、力技、という言葉を使ったけれど
今回の一青には、そういう強引さは感じられなかった。
なのに、あの、
一層痩せた彼の全身から伝わって来る説得力の大きさはどうだろう。
時間の制約等で、脚本や演出上で描き切れていない、
遠峰一青の人生の欠けたピースを
自分が代わって埋めようとでもするように、
田辺さんが演技で見せてくれたものに、何だか感動してしまった・・
雫と一青が「神の雫」に到達するための、
ほとんどのピースは埋まっている、
だけど、まだ、ひとつだけ埋まっていないものがある、と思うのは、
ひょっとしたら、私が勝手に
田辺・一青に特別な思い入れを持ってしまったせいなのかもしれない、
と、そんなふうに自分自身を疑ってしまうくらいに。

 

少なくとも、私は、一青の闇の部分が描かれなかっただけの理由で、
このドラマ全体を「つまらない」とは言いたくないなぁ。
むしろ、田辺誠一という俳優が作り上げた遠峰一青というキャラクターが、
そういう欠けた部分があってもなお魅力に満ちていた、
そのことに、素直に感動しています。

 

一青が、唯一 好敵手と認めた雫。
彼と闘いたい!と願う「強い意志」が、一青を突き動かす。
そのあたり、正直なところ もう一歩、
雫と一青それぞれに、突っ込んだ描き方が出来なかったものか、
という思いもありますが、
何だか、二人を「向かい合うライバル」として描いてくれた、
それだけで嬉しいと思っている自分がいるのも確かだったりします。
(ああもう甘々だ・・笑)

 

公式サイトの最終回のストーリーを読んで、
私が当初に思い描いたラストに近い展開になっているのを知りました。
ドラマが始まる前、使途が6本だと知った時、
雫と一青の到達点は18巻〜19巻へと繋がる表紙にある、
と私は思ったのですが・・
もしそうだとすると、田辺さんの予想(のひとつ)も当たっている、
ということにもなります。(笑)

最終回、果たしてこのドラマは、どこに辿り着くのでしょうか。
予想が当たると嬉しいけどなぁ・・・

 

▼ 『神の雫』(第9話=最終回)
どうしよう・・顔がゆるみっぱなしです、
いまだに思い出し笑いが止まらなくて・・(笑)

 

めちゃくちゃテンポが速かったので、
え!?え!?え!?って観てるうちに、
あっと言う間に最後まで行ってしまいました。
サラサラッと簡単に流れて行った分、
いつもよりさらにツッコミどころは多いし、
もっとゆっくり味わいたかった、というのはあるんだけど、
最後は、何だかものすごくほのぼのとした、
温かい、いい気持ちになったので、
すべて赦しちゃいたい気分です、私としては。(笑)

 

でもね〜、きっと、原作の遠峰一青ファンや田辺誠一ファンは、
激しくツッコミ入れたいだろうなぁ、いろんな意味で、
いろんなところを。(爆)・・いや、私も田辺ファンだけど。(笑)

 

そのあたりは後ほど(笑)ということで、まずはドラマの総括を―――

 

きっと制作側にも、それなりの意気込みや勝算はあったと思うんですが、
必ずしも、いい方向、納得出来る方向に進んで行ったとは
言いがたいです。
人気漫画のドラマ化、というだけでなく、
ワインの背後にある風景、といった
感覚的なものを映像化する難しさがあったし、
きつい言い方かもしれませんが、実際、物語全体のスケール感にしても、
ワインの魅力を十分に伝えるための雰囲気作りや内容にしても、
原作漫画の足元にも及ばなかった気がする。

 

ただ、このドラマに関しては、
ワインを脇役に置き、男vs男の闘いや、父を越えるための試練、といった、
人間の成長をメインに持って来たのは、正解だったように思います。
もちろん、それであっても、
毎回、雫vs一青の対決が最後に設定されているので、
どうしても1回ごとに大きな変化がつけにくくて、単調になる・・
二人が使徒ワインを探す上で、
すごく苦労をして見つけ出してるという感じが、ほとんどしない・・
等々、物足りなかった部分、あと一歩突っ込んで欲しい、
と思ったところが、たくさんあったのも確かなんだけど。

 

第3話の感想で、
 >何だろう、私が連続ドラマでここしばらく味わえなかった、
 >この「軸がぶれない」感じ、まっすぐにどこかに向かっている感じ・・・
と書いたのですが・・・

 

原作が終わっていない中でのドラマの収束のさせ方というのは、
本当に難しかったと思うのですよね。
でも、私は、神咲豊多香が、何ゆえに遠峰一青を養子にし、
何ゆえに息子・雫と闘わせようとしたか、
その根本の部分は、
既刊の原作の中に描かれているような気がしたから、
あとは、二人の最終到達点を見つけてあげればいい、と思っていた。
そして、その到達点は、非常にベタだけど、
父によって「対決」の場に立たされていた雫と一青が、
やがて何らかの形で手を結ぶ、というようなことじゃないか、
と思っていた。
(そのあたり、田辺さんも、そういうシーンがあるといい、
というようなことを、何度かインタビューで話してましたが)

 

原作をサッとしか読んでいないので、
ひょっとしたら私の勘違いかもしれませんが、
漫画では、そのシーンは、
あまり深いこだわりなく描かれていたような気がします、
雫と一青の一瞬の邂逅(かいこう)といったような。

 

とすると、原作では、使徒が12本ある、ということもあり、
もっと深い、というか、
高い到達点が二人に用意されているのかもしれない。
だから、二人が協力し合う、というのは、
一過性のものとして扱っていい問題だったのかもしれない。

しかし、使徒が6本しかないドラマとしては、
そのあたりが、非常にいい落としどころになるのではないか、
という気もして。

 

回が進むにつれ、
ドラマが、そういう方向に向かっているようで、嬉しかった・・
その気持ちが、前述の第3話の感想になったわけです。

 

雫の、父・豊多香への反発の謎と、
死の直前の豊多香と一青との養子縁組の謎、
という「なぜ?」という疑問符から始まったドラマは、
やがて、雫の母親が倒れた日に、
「ほのかと実りを祝う」という日記を残していたことを知った雫が、
父親不信に陥り、反発していたことが明らかになる。

そのあたり、きちんと原因が見えている雫に比べると、
一青の立場というのは、最初から不明瞭で、
最初の頃の彼の奇行も、「私は愛を知らない」というモノローグの意味も、
結局は明かされないままで。

 

もうドラマは終わっているし、
原作にきちんと描かれていることなので、
ネタばらししてもいいと思いますが、
漫画の一青は、子供の頃に母親に殺されかける(自殺の道連れ?)
という体験があって、
そのことが、彼の性格やさまざまな行動に反映されている、
というような描き方をされているんですよね。

 

そういった過去が、ドラマにも生かされていたら、
あの、前半の一青の行動や言葉の意味が、
ずっと深くなっていたはずなのに・・
そこをバッサリと切られてしまったのは、本当にとても残念だったです、
一青ファンとしても、田辺ファンとしても。

 

けれども、今にして思えば、
そのあたりのことは、原作においても大きなプロットのひとつであり、
今後、魅力的に膨らませて行きたい部分でもあって、
原作を借りている立場のドラマとしては、
今の時点では、そのあたりに突っ込んだ言及が出来なかったのかな、と、
もちろんあくまで私個人の想像でしかありませんが、
そんなことも、最終回を観終わって、思うようになりました。

 

その部分だけでなく、このドラマは全体に親切ではなくて、
物語の流れや、登場人物の言動に、
きちんと説明がなされていないことも多いのですが、
逆に、私のように妄想過多の人間(笑)にとって、
親切に事細かに説明されていないからこそ、
想像する面白さ、推理する面白さを味わえたドラマでもあった
ような気がします。

 

たとえば、一青の過去にしても・・
豊多香の初恋の人はほのかで、
二人は愛し合い一青が生まれたのだけれども、
豊多香の心を捉えて離さないワインに嫉妬した彼女は、
彼のもとを離れてしまった。

 

ほのかのワインへの嫉妬は、
その原因となった父親が誰とは明かされないまま
幼い一青に語り継がれ、
やがて一青は、まだ見ぬ父親への渇望とともに、
ワインに対して、異常なまでの征服欲を駆り立てるようになる。

 

一青が16歳になった時、
すでにフランス人と結婚しセーラを産んでいたほのかは、
豊多香と密かに再会、一本のワインを託されることで、
彼の心に、息子・一青への愛が間違いなく育まれていることを知り、
かたくなだった心を氷解させる。

しかし、そのこと(豊多香とほのかの再会)を知らない一青は、
成長し、家族のもとを離れ、依然として一人、埋まらない心を抱えていた。

 

それに気づき、心配したほのかは、豊多香に相談、
やがて、一青のもとに、
世界的なワイン評論家である豊多香との養子縁組の話が持ち上がる。
一青は、豊多香に自分の父親の姿を重ね合わせ、
彼を乗り越えることで、父親への一種の擬似復讐を果たそうとする、
豊多香こそが本当の父親であるとも知らずに・・・

 

・・たとえばこんなふうに、
一青の「愛を知らない」というモノローグを、
「父親の愛を知らない」という意味として捉えると、
あら不思議(笑)、母親に殺されかける、という「闇」を描かなくても、
ドラマにおける一青の言動に、辻褄が合って来るんですよね〜。

 

その思って観ると、
父親が豊多香だと知った時の(田辺さんが演じた)あの揺らぎは
深い意味があったし、
一足先に事実を知った一青が、使徒対決の場で
「いい加減にしろ!知らなかったのは君だけじゃないっ!」
と、静かな怒りを込めて雫にぶつけた一言にも、
一青の複雑な感情が潜んでいたんだな、と思えるんですよね。

 

さらに、最終回の一青奇跡の復活については・・
もともと一青の眼については、精神的ストレスが原因、
と、ちゃんとお医者さまが話してますよね。
「このまま行けば失明の恐れがあるので、ワインを飲まないように」
と、クギも刺されてる。
(そんな病気があるのか!?というツッコミはさておき。笑)

 

しかし彼は、第6の使徒を見つけるために、
失明の不安に怯えながらもワインに口をつけてしまうわけです。
で、第6の使徒をようやく発見、その直後に、階段落ち、ということになり、
意識不明に陥るわけですが、
それが、階段から落ちたこと(外傷)が直接の原因ではなくて、
ストレスがピークに達したため、と考えれば、
いきなりの目覚め、というのも、
まったくありえない話ではなくなるんですよね。
(目覚めに至る背景が、いかにも無理矢理って感じで残念だったけど)

 

たとえば、20億のワイン(豊多香の遺産)の行方にしても・・
雫と一青の依頼により、あの屋敷ともども、
霧生涼子が管理を続けて行くようになるんじゃないか、とか。

 

・・・あれこれ妄想すると、実に面白いし、楽しくて仕方ない。(笑)
マジで第1話から全部妄想埋めをしたくなってきた。(笑)

 

こんなふうに、ストーリーそのものに不十分な部分がいっぱいあった、
でも、だからこそ、
私みたいな妄想人間にとっては、楽しめたところもあった、
ということなのですが、
一方、それぞれの役を演じた俳優さんたちにとっても、
普段以上に求められるものが大きかった、と言えるわけで。

 

たぶん、私がこのドラマを「面白い!」と
ずーっと思い続けて来られたのは、
亀梨くんも、田辺さんも、仲さんも、内田さんも、戸田さんも、
自分にないもの、想像して作り込まなければならないもの、
がたくさんあって、
役を不自然なく作り上げることが本当に難しかった、
にもかかわらず、それぞれが、本当に「いい仕事」をしている、と、
そう思えたからなんだと思います。

そう思うと、
どんな不自然な展開、急な方向転換、不十分な人物描写であっても、
その役を演じている俳優の力量を試されてる、という感じがして、
「俳優が役を作る」のを観るのが大好きな私としては、
ものすごく興味深かった。

 

本来のキャラを封じ込められ、
一から人物造形をしなければならなかった亀梨和也くん、
未成年でありながら、
ワインの世界に溶け込まなければならなかった仲里依紗さん、
弥勒菩薩のごとき慈悲深い微笑を求められた戸田菜穂さん、
振り幅の広い感情をコントロールしなければならなかった内田有紀さん、
そして、田辺誠一さん・・・

 

今までの作品でも、
田辺誠一という俳優のファンであったことを嬉しく思い、
誇りに思ったことは何度もあったけれど、
こんなにも強くそう思ったことは、かつてなかったような気がします。
ひとつのドラマの中で、冗談かと思うほど(笑)
最初から最後までの振り幅のとんでもなく広い役をやって、
しかも、ほとんどブレがなく、
最後はちゃんと「着地」していたことに大満足。

 

一歩間違えば失笑を買うような奇行に走ってびっくりさせたかと思えば、
回が進むにつれ、どんどん痩せて行く、
その鬼気迫るような役へののめり込み方に、胸が痛くなったり・・
最後の最後に、着地場所がそこでいいんかい?と思わせられたり・・(爆)
(いや でも 案外大正解って気もする。笑)
そういう、最初からずーっとさんざんとんでもないことをやって来て、
あげく、とんでもない場所に着地する一青、というのが、
全然不自然じゃなく、すんなりとこちらの心に入り込んで来る・・
(めちゃくちゃ一青らしい、へたくそな、ナオさんのあやし方だったよ〜笑)
やっぱり、田辺誠一ってすごいよなぁ!と思う。

 

一青の全身から醸し出される雰囲気もすごく好きで。
特に、使徒対決の場の亀梨・雫と田辺・一青を見ているのは、
二人が他の場面で誰と一緒にいるより、私にとっては、胸躍ることでした。
・・いや、この時の田辺さんのビジュアルが、いつもすごく良かった、
ってこともあるんだけど。(笑)
(メイク・衣装・照明・カメラさんにも拍手!)

 

もうね、私の中では、使徒対決の勝者はどちらか、というのは、
たいした問題じゃなくなってましたよ。(笑)
亀梨くんと視線を合わせた時に一瞬にして生まれる
二人のあいだの空気が、
いつもいつも綺麗に澄んでいて、本当に気持ちよかったから。

 

対決の場で、
雫と一青の気持ちが絡み合い、
ぶつかり合い、反発し、再燃し、融合する・・
二人だけの、二人にしか分からない複雑な感情の交流が、
亀梨和也田辺誠一によって具現化され、
魅力的な化学変化を起こして行く・・
それを、TVを通してひしひしと感じることの出来る幸せ。

 

田辺ファンであり、にわか亀梨ファンになってもいた(笑)私にとって、
毎回楽しむ・・というそんな軽い気持ちにはなれない、
すごく緊張感を強いられる、
だけど、それがとても嬉しくもあり、幸せでもある、
そんな密度の濃い感覚を味わえた・・
あのシーンがあったから、毎回、ドラマを心待ちにしていられた・・
私にとって、そのぐらい貴重なものだったよう思います。

 

最後、眼を微かにうるませながら兄と弟として握手をかわす二人に、
まるで雫と一青そのままに、
この出逢いが、
亀梨くんと田辺さんにとっても実りあるものであったに違いない、
「演じる力」をさらに信じる糧になってくれたに違いない、
と、そう確信出来たことが、本当に嬉しかったです。

 

・・・いつか、また共演して欲しいですね、
こんなふうに、役を一から作り上げて行くようなドラマで。

 

亀梨くんについて、あまり書けなかったのですが・・
みやびちゃんに告白した後、「もう1回言って」と言われ、
「・・はい・・?」って戸惑っていた亀梨・雫が、
ものすご〜く可愛かったです。(笑)
雫の性格の良さがあの場面に凝縮されていたように思いました。
うん、いい俳優さんだね〜、亀梨くんも。
いつか、亀梨・雫についても、詳しく書いてみたい気がしますが。

 

ああ、もう・・まだまだ書きたいことはあるんですが、きりがないので・・(笑)
一応このあたりでピリオドを打ちたいと思います。
まとまりのない感想ですみません