『神の雫』(第8話)感想

神の雫』(第8話)感想
観終わった後、なぜか手が震えて止まりませんでした。
このドラマを、何でこんなに「面白い!」と思ってしまうんだろう、私は・・?


あいかわらず、
物語として物足りないところ、惜しいと思うところはたくさんあるし、
ひとつひとつの役に対しても、また エピソードに対しても、
もっと深く、しっかりと描いて欲しい、とも思うのだけれど・・
それ以上に、物語全体の組み立て方とか、
俳優さんたちの演じ方とかが、
私の好み(願い・希望)にもろにジャストミートしてしまって、
もう嬉しくて楽しくて、いろんなこと考えて、
どっぷりと『神の雫ワールド』に嵌まってしまってる状態。
どんな些細なことも、なるべく全部欠けることなく受け取りたい、
と思っているので、
このドラマを観た後の私は、いつも、ものすごくテンション高いです。(笑)
で、そのハイテンションが一週間続いたまま、次の回に突入、という・・
なんて幸せな輪廻(りんね)。(笑)


さて本題。
田辺さんは、雫と一青を、ガンダムアムロとシャアに例えたけれど、
今回観ていて、私は、二人が、矢吹丈力石徹に見えて仕方なかった。
あしたのジョーのファンに怒られてしまうかもしれないけれど)


丹下おっちゃんやドヤ街の人たちの
厳しくも温かい愛に包まれて成長して行く丈と、
丈を最大のライバルと認め、
彼と闘いたいがために過去の栄光をかなぐり捨てて、無茶な減量を重ね、
ついに、丈と同じフィールドに立つ力石と・・


すべてを受け止め、受け入れることで、豊かに成長して行く雫と、
まるで命を削るように すべてを捨て去ることで、
大切なものを掴もうとする一青と・・


この物語が、
ワインの薀蓄(うんちく)に定評のある あの人気漫画
ついにドラマ化! とか、
KAT-TUN亀梨和也 主演! とか、そういう捉え方でなく、
最初から、少年漫画に好んで描かれる、男と男の闘いのドラマ、として、
視聴者に受け入れられていたとしたら・・
何かが変わっていたでしょうか。


・・・いやいや、そんなふうに後ろ向きに考えるよりも、むしろ、
人気漫画の描く世界観を生かしながら、まったく違ったアプローチをし、
人気アイドルの主演ドラマでありながら、
そのキャラを封じ込めた制作側と、
一俳優としてそれにきちんと応えつつある亀梨和也
さらには、田辺誠一仲里依紗内田有紀戸田菜穂竹中直人・・
といった、自分の役に丁寧に色を重ねて行く作業を
根気よく続ける演じ手たち、
その双方の せめぎ合いと融合こそ、を、
心から楽しみたいと思います、今は。



登場人物について――――

☆西園寺マキ(内田有紀
先週の霧生涼子(戸田菜穂)に続き、今週の西園寺マキ(内田有紀)も、
前回までに比べ、密度の濃い描かれ方をしていたように思います。
マキの内面に沈殿する寂しさ、哀しみ、かすかなプライド・・
こんなふうに、一人の人間の複雑な感情の在り処をきちんと描き、
きちんと演じる、
そういうドラマを観られることは、私にとって、とても嬉しいことです。


モノポールのマキが本当に美しくて、
その後、先週までの強気一辺倒ではなく、
どこか弱さを見せ始めた彼女に、
先週の霧生(戸田)と同じように、一方的に感情移入。(笑)
イヤな女のはずなのに、どうしても嫌いになれないんですよね。


階段から落ちそうになる一青の手を一旦はしっかり取ったのに・・
あんな眼で見られたら・・というか、
完全に何も見ていないあの一青の遠い眼を見てしまったら、
支える手の力も無くなってしまうだろうなぁ・・と、
愛し方を知らない可愛そうな女なんだよなぁ、彼女も・・と。


☆神咲雫(亀梨和也
先週よりもさらに、強さや確かさを増した亀梨・雫。
回を追うごとに逞(たくま)しさが備わって、
今回、完全に一青と立場が逆転。
最初の頃の浮遊感はどこへやら、
今やドラマ全体を牽引(けんいん)する勢い。


ちゃんとおぼっちゃま的なところも出て来て(笑)
みやび(仲里依紗)に対する態度なんか、
強引さのカケラもなくて、おっとりしているのに、
いつのまにか彼女の心にすんなり入り込んでいて・・
そこがまたすごく良くて。


その、自分の言ってる意味が分かってるんだか分かってないんだか
よく分からない(笑)雫おぼっちゃま相手に、
庶民派みやびちゃんが、いちいちアタフタしてる様子も可愛らしくて。
いや〜改めていいコンビだなぁ、この二人。
うん、もうちょっと進展してもらってもいいかも。(笑)


☆遠峰一青(田辺誠一
たとえば、一青が使途のワインに到達するまでの過程、というのは、
このドラマにとって、あまり意味のないものになってしまったので、
簡単に描いてもらっていい、と私は思っています。
(いや・・残り時間を考えたら、端折るのはそのあたりしかない、
という言い方のほうが正解かもしれないけれど)


もっと大きな・・彼の「内なる闇」の部分について、
今のところ、田辺ファンとしても、一青ファンとしても
フラストレーションの溜まる描き方しかしてもらっていないことへの
不満は、確かにあるのだけれど、
私としては、そういうものすべてを反古(ほご)にしてもいい、
と思えるくらい、
今回の田辺・一青を観ていて、ものすごく惹かれる、というか、
激しく揺さぶられる、というか、そういう 心震えるものがありました。


最初の頃、奇行を繰り返す一青に対し、力技、という言葉を使ったけれど
今回の一青には、そういう強引さは感じられなかった。
なのに、あの、
一層痩せた彼の全身から伝わって来る説得力の大きさはどうだろう。
時間の制約等で、脚本や演出上で描き切れていない、
遠峰一青の人生の欠けたピースを
自分が代わって埋めようとでもするように、
田辺さんが演技で見せてくれたものに、何だか感動してしまった・・
雫と一青が「神の雫」に到達するための、
ほとんどのピースは埋まっている、
だけど、まだ、ひとつだけ埋まっていないものがある、と思うのは、
ひょっとしたら、私が勝手に
田辺・一青に特別な思い入れを持ってしまったせいなのかもしれない、
と、そんなふうに自分自身を疑ってしまうくらいに。


少なくとも、私は、一青の闇の部分が描かれなかっただけの理由で、
このドラマ全体を「つまらない」とは言いたくないなぁ。
むしろ、田辺誠一という俳優が作り上げた遠峰一青というキャラクターが、
そういう欠けた部分があってもなお魅力に満ちていた、
そのことに、素直に感動しています。


一青が、唯一 好敵手と認めた雫。
彼と闘いたい!と願う「強い意志」が、一青を突き動かす。
そのあたり、正直なところ もう一歩、
雫と一青それぞれに、突っ込んだ描き方が出来なかったものか、
という思いもありますが、
何だか、二人を「向かい合うライバル」として描いてくれた、
それだけで嬉しいと思っている自分がいるのも確かだったりします。
(ああもう甘々だ・・笑)


公式サイトの最終回のストーリーを読んで、
私が当初に思い描いたラストに近い展開になっているのを知りました。
ドラマが始まる前、使途が6本だと知った時、
雫と一青の到達点は18巻〜19巻へと繋がる表紙にある、
と私は思ったのですが・・
もしそうだとすると、田辺さんの予想(のひとつ)も当たっている、
ということにもなります。(笑)

最終回、果たしてこのドラマは、どこに辿り着くのでしょうか。
予想が当たると嬉しいけどなぁ・・・

                         (敬称略)


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亀梨和也くんのファンの方が、
ブログで≪翔夢≫を紹介して下さいました。
素敵なブログなので、こちらからもご紹介させていただきます。
なりゆきのちから(らいおんウサギさん)
翔夢の紹介記事はこちら
この日、翔夢のトップが普段の倍以上のヒット数になったのは、
たぶん、らいおんウサギさんがブログに書いてくれたせいだと思う。(笑)


また、らいおんウサギさん繋がりでもうひとつのブログもご紹介。
こちらも亀梨くんのファンの方です。
亀とともに(いつかさん)


神の雫』に対しての感想が、それぞれに違っていて面白いですし、
田辺さんにも興味を持って下さってるようなのが嬉しい。
おちついていて居心地が良い感じがするのは、
お二人とも大人だからかな。(でも、たぶん私よりは年下。笑)


他にも、M-BOXに感想を寄せて下さった方がいらっしゃったり。


ひとつのドラマからいろいろと輪が広がって行くのが嬉しいし、
毎回感想を書いて行く上で、すごく励みにもなります。
ありがとうございました。
(詳しくご紹介できず、まとめてのお礼で申し訳ありません)