『神の雫』(第4話)感想

神の雫』(第4話)感想
一気にサスペンスフルでミステリアスな展開になって来ましたね。
妄想好きの私(翔)にとっては、
もうホントに、これ以上ないっていうぐらい願ったり叶ったりの状態で、
嬉しくて楽しくて面白くて仕方ない。(笑)


何度も言うように、これは「雫vs一青」の物語。
そして、おそらくは、今、二人が悩み苦しんでいる「親と子」(肉親)の関係を
ワインを通して理解し、赦し、信じ、愛し、再構築して行くまでのドラマ。


一青にとって、ワインは命綱。雫にとっては、父親との唯一の絆。
確かに重要なものには違いない。
けれども、このドラマに出て来るワインは、物語の中心にあるものではなく
彼らが紡ぐ「親と子の物語」を彩る絵の具に過ぎない・・
使徒のワインの銘柄が何であるか、ということよりも、
そこから導き出される心象風景こそが、二人を導く「鍵」となる、
そこが、原作とは違うところ・・
と、私は、すっかり自分好みの妄想を働かせているわけですが。(笑)


原作(漫画)が、12本の使徒を使って、
どういうクライマックスにしようとしているのか、は解からないけれど、
ドラマの使徒が、6本しかない、と聞いた時、
私の中で、未だ半ばまでしか描かれていない(19巻までの)
この漫画の、現時点での終着点を探すとなると、たぶんこの辺かな・・
と、あたりをつけたところがあって。
でも「そこ」に結論を持って来ようとすると、
使徒の(6本までの)順番が、漫画とは違うものになってしまったのですが・・
そのあたり、使徒の順番も含め、
少なくともここまでは、ドラマの流れが私の願った通りになっていて、
それがすごく嬉しくて。(笑)


今回、第3の使徒モナリザ」の正解を先延ばしにしたのは、
実はそこに、このドラマの最大のキーポイントが
あるからだと思うのですが、
次回、一青の過去がどう描かれるか、田辺誠一がそれをどう演じるか、
によって、一青が、あんなヤツ(笑)になってしまった「必然性」が、
ちゃんと観ている側に納得してもらえるかどうかの分岐点になる気がします。
(田辺・一青、今、ギリギリのところを疾走してます。ほんと、俳優って大変)


ところで・・・
視聴率がらみで、回数が減らされるんじゃないか、
なんて噂があるみたいですが、
うーん・・せめて8話ぐらいまでは頑張って欲しいです。
少なくとも、このドラマにおいては、
神の雫」たるワインが何であるか、というのは、あまり意味がない、
(団円に花を添えるものでしかないような気がする)
むしろ「使徒」こそが、文字通り「使徒」として重要なのだ、
と私は思っていますが、
せめて、その「使徒」が、雫と一青を「神の雫」に辿り着かせてくれるまで、
物語が続いて欲しい!と、切に切に願っています。

だって、このドラマは、きちんと最後まで描き切れたら、
原作『神の雫』の人間ドラマとしての芯の部分を残したまま、
新たにまったく違う角度から作り直した面白い作品になるんじゃないか、
と思うから。(褒め過ぎてますか?笑)


・・・・・いやはや、どこまでのめり込むんだか、じぶん。(笑)
あまりあれこれ読み過ぎると、
きみはペット』の時のように最後に泣きを見るぞ!とも思うけど、
一青のキャラが面白すぎて、暴走を止められない・・(笑)


★出演者(雫と一青)について――――


☆神咲雫(亀梨和也
あいかわらず、この人の佇(たたず)まいというのは、好きです。
今回は、一青と対するシーンが多くて、
二人でいる時に醸し出される空気が好きな者としては、
すご〜く嬉しかった。(笑)

どうしても物足りなさが感じられるのは、
雫が豊多香の息子として持っているはずの「天才的な感性」が、
ここまで、ほとんど表現されていない、ということ。
それは、演技としてもそうなのだけど、
むしろ、演出法として、もっと雫をそういう感じに見せる、
何かしらの工夫があってもいいんじゃないか、という気がしました。
1話の、ワインの香りを嗅いだだけで、過去の一瞬を思い出す、という、
あのひとつのエピソードだけで引っ張るのは、とっくに限界。


ただ、雫の感性が色濃く現れるのは、むしろこれからなんだろうし、
感情が表に出て来るにつれ、雫の持つ感性が華開く、
という進展もありだと思うので、
ここからたたみ掛ける展開になるとすれば、
少しずつ新たな何かを足して行こう、という様子が垣間見える亀梨くんが、
自分が俳優として持っているもの、得たものを、
今後、全部しっかりと役の上に乗せ切ることが出来るのかどうか、が、
大きなポイントになって来る気もします。

雫を、原作のような明るいキャラとして演じていたら、
感情の起伏というのは、ちょっとテンションを上げたり落としたりしただけで
楽に表現出来るのかもしれないんだけど、
亀梨・雫は、最初から、
物静かな、ふわんと浮いたようなキャラになっているので、
(でも、私はそこが好きなんだけど。笑)
これからの演技というのは、正直、相当難しいかもしれない。


でもね、この人には、そこを乗り越えてもらいたいですよね。
ジャニーズの、とか、KAT-TUN の、といった冠を思い切って捨てる
ぐらいの気持ちで、(というか、彼には、もともと
そういうものに寄り掛かって安穏としてる という印象はないんだけど)
このチャンスに、俳優としての大切な何かを掴んで欲しい、と思う。
そのためには、人間・亀梨和也として「裸を晒す覚悟」が必要。
そうなって初めて、この人が持つ、
ピュアで繊細で臆病であるがゆえの「美しさ」が、
本物として、役の上に、しっかりとコーティングされるような気がします。


☆遠峰一青(田辺誠一
こちらは逆に、やり過ぎ とも取れるような数々の奇行で、
一青の内なる闇を「お笑い寸前」にしている、という、
危なっかしい状況で。(笑)
さっきも書いたように、それらが正当化されて視聴者に納得してもらえるには
実は、次回(第5話)の出来が大きな鍵になるんじゃないか、
と思うのですが。


でもね〜、何だかこのとんでもない一青が、私は好きで。(笑)
今回の途中まで、内心、ひょっとしたら
田辺・一青が、舞台あらし(@ガラスの仮面)になってしまうんじゃないか、
なんてことを考えてたんですが(笑)
ドラマ中盤のレストランのシーンで、ひとつの仕草、ひとつの表情を、
ものすごく詳細に作り込んでいるのを観た時に、
本当にいろんなことを試して捨てて、試して生かして、
遠峰一青という人間を表現する手段を模索しているんだなぁ、
という気がして。
決して、奇をてらったり、話題を集めようとして
やってるんじゃないんだなぁ、と・・あたりまえだけど。(笑)
(少なくとも、この一青は、端正な美しさが魅力のぺ・ヨンジュン氏には
到底演じられまい・・って、こんなヨン様、観たくもないけど。笑)

だとしたら、今後どんな展開になるとしても、
田辺誠一が見せてくれる遠峰一青を、信用してもいいのかな、と。
(あいかわらず上から目線。笑)


何だか、どんどん面白い俳優になって行くなぁ、田辺誠一
(何度使っただろう、このフレーズ。笑)
以前「臥龍のめざめ」なんてことをBBSに書いたけど、
それも、あながち眉唾(まゆつば)じゃないんじゃないか、と思えて来た。(笑)


閑話。
ちょっと興味が湧いたので・・・
木更津キャッツアイ』や『流星の絆』で、
余命半年のぶっさんや、両親を殺された兄弟を、
「普通」の世界に生きさせた、宮藤官九郎クドカン)脚本。
ならば、遠峰一青を、彼ならどう描くだろう、と。(笑)
で、それを、もし、田辺誠一が演じたとしたら、
どんな一青になっただろうか、と。(笑)


そしてドラマに戻る・・・・(笑)


亀梨和也田辺誠一によって、
神咲雫と遠峰一青のピースが、少し埋まったような気がした今回。
急展開になるであろう(希望的観測。笑)今後、
二人が、役の上に、どれだけ「真剣な自分」を乗せて来るのか、
おおいに楽しみにしたい、と思います。