『肩ごしの恋人』(第4話/お局vs結婚しない女)感想

『肩ごしの恋人』(第4話/お局vs結婚しない女)感想
うーーん・・・今回は、観ていてちょっと辛かったなぁ!
あいかわらず、いいセリフとかはあるんだけど・・・

みんな、どこか切実じゃないんですよね。
どの登場人物も迷走してるのは分かるんだけど、
その迷走の仕方が本気じゃない、というか。
いや、柿崎(田辺誠一)なんかは、そういう本気でないところが
柿崎らしい、とも言えるのかもしれないけど。


そういう切実さを、正面からではなく、あえてはずして軽〜く描く、
というのも当然ありだと思うし、
3話までは、その軽さが心地よかったりもしたんだけど、
今回、萌(米倉涼子)の派遣先の会社に、
あまりにもそういう軽さとは正反対のリアリティがあったので、
先週までの軽妙さと今回のリアルな重さが、あまりにもかけ離れてしまい
萌の「私生活」と「仕事」が、ひとりの人間のものとして
自然に繋がらない感じがして、
観ていて、何だかしんどくなってしまいました。

そうなってくると、
萌・るり子(高岡早紀)・崇(佐野和真)の現実味のない共同生活、
1LDKのあまりにも広い空間、贅沢そうなファッション、
回毎に繰り返されるエステ・・etcが、魅力的ではなく、
ただ、不自然なぎごちない設定にしか思えなくなってしまって。

そこに棲んでるこれまでの登場人物たちも、
どこか靄(もや)がかかったように、
ビビットな魅力を失ってしまったように感じられて。


一方で、一気にリアリティを請け負った感の、
恭子(夏木マリ)や係長(皆川猿時)ら、
あの、天井の低〜い小さ〜い会社の地味〜な社員たちが、
非常に暑苦しく「生活」と闘っている姿に、
自分の気持ちがどんどん引っ張られてしまうのを止められなくて。

良かったなぁ!夏木マリさん。
あの、籠いっぱいにネギやら何やら積んでママチャリこぐ姿は、
感動的ですらあった。
萌、甘ったれるな!!と、横っ面の2つ3つ張り倒してくれたような
気さえした。
だって、「生きる」って、つまり「ああいうこと」なんだもんなぁ!


そして―――
私の好きな柿崎もまた、萌と同じように、
あのリアリティとは真逆の場所に棲息しているんだった。
うーん・・なんか虚しい・・なんか胸に迫って来ない・・
なんか魅力を感じない・・
あの夏木さんや皆川さんと比べちゃうとねぇ・・・(sigh〜)

結局、さっきも書いたように、「本気」じゃないんでしょうね、
萌も、るり子も、柿崎も、崇も、信之(永井大)も。
どこかで逃げてる。決定的な「覚悟」をしていない。
大切な何かを失う覚悟で もっと大切な何かを得ようとしていない、
・・・と言ったらいいか。


そういう意味では、文ちゃん(池内博之)やリョウ(要潤)の方が、
よっぽど肝が据わってる。
やっぱり、柿崎って、文ちゃんから「本気(マジ)な思いのたけ」を
ぶつけられないと、目が覚めない気がするなぁ!


来週の萌、仕事がなくて、一気に自給800円のバイト暮らし。
・・って、いくらなんでも落ち過ぎじゃないだろうか。
あのでっかい部屋に住み続けるつもりなら、
せめてそこそこの運送会社で小奇麗に働く(中林@夢のカリフォルニア
ぐらいの落ち方にしてくれないと、
萌周辺の環境とのギャップ(違和感)は増す一方、って気がする。