『ホテリアー』(第3話)感想

『ホテリアー』(第3話)感想
あいかわらず先の読めない展開だし、テンポも早いです。
ただ、1話・2話に比べると、少しメリハリが足りないというか、
登場人物それぞれの輪郭がはっきりしていない、というか、
特に、主要三人(杏子・水沢・緒方)の‘気持ち’が、
きっちりと描けていないような気がして、少々物足りなく感じました。


で、もう一度じっくり観直して、
登場人物それぞれにいろいろと妄想を働かせ始めたら、
いやもう、嵌まる嵌まる・・・いや、それは、だから、
私の妄想(あるいは願望)の産物に他ならないんだけど。(笑)
(それについては↓***以後にて詳しく)


★小田桐杏子(上戸彩
大人っぽい雰囲気が出てきましたね。
あかね(サエコ)と同年齢という設定ですが、
2〜3歳年上に見えます。
やはり25歳ぐらいの設定でも良かったんじゃないかなぁ。
実は、私が‘杏子の気持ち’で引っ掛かったのは、
水沢に緒方のことを尋ねられた杏子が、
「好きでした」と‘過去形’で言ったところなんですが、
これはちょっとショックでしたね〜。
(過去形なのかよー!)と、急速に気持ちが萎えてしまい、
杏子にとって、緒方ってどういう存在なんだよ〜!と、
ツッコミを入れまくってました。
でも、あとで観直した時に、
「好きでした」というのは、決して過去形ではなく、
「(ずっと)好きだった」という意味なんだろうな、と考えたら、
納得出来ましたが。
(そういう捉え方でいいのよね・・ね?)


★水沢圭吾(及川光博
今回、一番印象的だったのは、この人。(笑)
あいかわらずセリフが硬いけれど、
前回に比べると、感情表現の幅が格段に広がって、
こちらに訴えかけるものが、随分大きくなって来たように思いました。
彼が思い浮かべた杏子の笑顔が、どれも、とても素敵だったので、
どうして彼が杏子を好きになったのか、
ようやく少し納得出来た気がします。
(それでも、彼が、最初から杏子に惹かれていた、というのは、
やはり無理がある。
杏子を買収に利用しようとしているが、これから徐々に惹かれて行く、
という滑らかな展開なら、納得も行くんだけど・・・)
それにしても、
「あなたを愛しています」というとんでもなく甘いセリフを、
まったく違和感なく言えるミッチー、さすがです。(笑)


★緒方耕平(田辺誠一
今回は、見せ場を水沢に譲った感じ。(笑)
前回に比べて、ちょっと線が弱いような気がしたのですが、
仕事上の見せ場が少なかったせいでしょうか。
2話がものすご〜く良かっただけに、ちょっと物足りなかった。
でも、表情や仕草は、あいかわらず繊細かつ大胆。(笑)
サプライズでの、口角がちょっと上がるはにかみ表情なんか、
苦手なはずなのに、なぜか受け容れてたもんなぁ、私。(笑)
何だかねぇ、彼の仕草を一つ一つじっくり観ていると、だんだん、
なだぎ武がディランを演じているがごとく(爆)
「型」を作っている感じがしてきて、
ものすごく興味深いし、楽しいんですけど・・
そういう観方はしちゃいけないですか、緒方さん。(笑)
シン・ドンヒョク(ぺ・ヨンジュン)のメールの内容からすると、
今後、買収絡みで、
この人にさまざまな災難が降り掛かる予感がするので(笑)
その点、非常に楽しみです。


ここまで観て来て思うのは、このドラマ、
ソフトな企業買収劇(というか職場風景?)としては結構面白いんだけど、
恋愛ドラマとしては、どうも「切なさ」が足りないんですわ。
で、そのあたりを妄想で補うとどうなるか―――

  ***


―――以下、翔的妄想フル回転させて、
「切なさ」を織り交ぜつつ、好意的に筋を追ってみました、編。(爆)


杏子の気持ちは、今もずっと緒方にあって、
でも、それを本人に伝えられずにいる。
どこまでもそっけない緒方に、自分の気持ちが伝わらないはがゆさ。
緒方にとって自分は、それほど大きな存在ではないのだ、
という臆病な誤解。
そういう彼女の行き場のない気持ちを知り、
緒方から貰った 杏子にとって大切なペンダントを懸命に探し、
見つけてあげる水沢。
その優しさが、緒方からのものであったら・・という想いが、
杏子の中で渦巻く。そして涙。
そういう杏子が痛々しくて、いとおしくて、
「あなたが好きです」と告白し、彼女を抱きしめる水沢・・・


買収目的で杏子に近づき、食事に誘ったり、バラを送ったりしたけれど、
杏子の笑顔に癒され、次第に氷のような心が融けてゆく水沢。
機械のように、感情を封印して生きてきた彼にとって、
初めての瑞々しい恋。
しかし、杏子には、ずっと憧れてきた人・緒方がいる。
本当の恋だからこそ、絶対に失いたくない。
仕事上の敵として、恋のライバルとして、その矛先は緒方に向けられる・・


まるで小さな迷子犬のように居場所を捜していた杏子を、
拾い、見守り、大切に大切にして来た。
影で支え続け、彼女が一人前のホテリアーになるのを楽しみにして来た。
今、総支配人という立場の緒方にとって、
杏子は、最良のパートナーとなりつつある。
でも・・それだけだろうか。
なぜ、あかねに対して、あんなに親身になるのか。
周囲の誤解を招くかもしれないのに、
彼女を、他人に委ねられないのはなぜか。
それは、彼女に、過去の杏子を重ねていたから・・・
そのあかねに、杏子のことを「恋人なんですか」と尋ねられて、
思わず「まさか」と否定してしまったけれど、
緒方は、自分の心の奥にある感情に、その時、ようやく気づく。
立場や、歳の差や、相手の気持ち・・そういうものを無意識に思慮して、
自分の想いにブレーキを掛けてしまっていたけれど、
本当は、自分は杏子が好きなのだ、と。
その想いを、さらに強く抱くようになるのは、皮肉にも、
水沢の存在による。
杏子を奪われそうになって初めて、緒方は、杏子の存在の大きさを知る。
自分の想いを正直に晒さなければ、杏子は水沢に奪われてしまう。
想いを抱えて耐え忍んでいるだけならば、何も進展しない。
水沢という手ごわいライバルの出現が、
彼の心の奥に眠っていた「本当の気持ち」を目覚めさせる―――


・・・ということで、今後は、こんな翔的妄想を差し挟みつつ、
ホテリアー』を楽しみたいと思います。(笑)


  ***

次回。
予告の緒方と水沢の火花バチバチッってのに、ちょっとわくわく。
いや、ほんとはこういうの、
小山田さまと勘助くん(@風林火山)で観たかった!
ってのが本音だけどさ。(笑)