『ホテリアー』(第2話)感想

『ホテリアー』(第2話)感想
いや〜、先週「大絶賛!」という大きな花火を
景気よく打ち上げてしまったので、
正直、今週は、観るのがちょっと恐かった。
あそこまで持ち上げたのに、今週ポシャってたらどうしよう、
と思って。(笑)

でもでも、その心配は、まったくの杞憂でしたね。
登場人物や周辺状況の紹介も兼ねていたので、あまり話自体を動かせず、
物語としては、ちょっと窮屈で面白みがなかった初回に比べると、
今回は、登場人物が生き生きと動き出し始めて、
ひとりひとりが、とても魅力的に見えるようになって来ました。

韓国版『ホテリアー』というしっかりした土台があるせいでしょうか、
物語自体に厚み、というか、奥行きがあるし、
主要人物からワキに至るまで、
登場人物それぞれの立ち位置が非常に明快で、
きっちりと色がついているのが、観ていて とても気持ちいいです。


★小田桐杏子(上戸彩
2話目にして、一気に水沢のラブコールを受け始めるようになって、
杏子もびっくりしただろうけど、私もびっくり。(笑)
その情熱的な押しの強さに どこか惹かれながらも、
心の中では、緒方への想いを抱き続けている、というあたり、
最後の、300本のバラを抱きしめるシーンに、
うまく表現されていたように思います。

ひとつ気になるのは、
この人が、なぜ、社長夫妻に愛されるようになったのか、
なぜ、22歳でアシスタントマネージャーになるまでになったのか、
ということ。
そのあたりの、具体的なエピソードが欲しい気がします。


「ホテルを愛する、お客様を大事にする」という気持ちは、
学歴やキャリアとは違ったところから発生するものだと私は思うので、
杏子のホテルへの深い愛情を、社長夫妻が見抜いて抜擢したと言うのなら、
若くして重要なポストにいることにあまり不自然さは感じないのですが、
だからこそなおのこと、杏子のその「ホテルへの愛」というものが、
具体的に分かりやすくきっちりと描かれなければならない、
とも思うのです。

そこから、緒方がなぜ彼女に惹かれるようになったのか、も、
自然と導き出されるような気がするのですが、どうでしょうか。


★水沢圭吾(及川光博
まったく表情の読めなかった初回に比べて、
少しずつ自分を出して来たなぁ、という感じ。
でも、まだまだ、どこか硬いところがありますよね。
その「硬さ」が、果たして及川さんの計算によるものなのかどうか、
が、読めない。(笑)
一気に崩すのか、じわじわ変化させるのか、
まだまだ、あいかわらず、ミッチーのお手並み拝見、という状態。(笑)

もったいないなぁ、と思うのは、
水沢が杏子に惹かれる重要なポイントとなった「300本のバラ」での
エピソード。
あれだけで杏子に惹かれる、というのは、いくら何でも無理があり過ぎる。
2話で、これだけ猛アタックするなら、
もうちょっと丁寧に、あのシーンを描いてくれるか、
さらに杏子に惹かれる特別なエピソードを加えて欲しかった、と思う。


★今回は、ワキの人たちがとても良く描かれていたように思います。
中でも、森本(竹中直人)のひとり娘・あかね(サエコ)に、
すごく感情移入してしまいました。(笑)
ずっと表情の乏しかったあかねが、緒方の気遣いにようやく少し
笑顔を見せるところ、何だかキュンと来てしまいました。


あと、杏子の先輩・奈津子(西田尚美)の明るいキャラクターも、好き。
緒方の気持ちを勘違いしてるところなどは、
観ているこちらの気持ちを掬い取って代弁してくれているようで(笑)
思わず応援したくなってしまいました。


レストラン主任・荻原(丸山智己)の、緒方へのタメ口も良かった。
マネージャー(田辺)にタメ口叩けるなんて、
出世したじゃん、ヤス(@NANA2)とか、
ついつい思ってしまった。(笑)


他にも、森本とみつ子(片平なぎさ)の関係なども、
なかなか見逃せないし、
岩間(東幹久)・後藤(小田茜)の悪役コンビは、
どこか間が抜けてそうだけど、
そういう詰めの甘い連中に、緒方が弱みを握られている、というのが、
なおさら腹立たしいし(笑)
水沢を食っちゃいそうなキクチ(甲本雅裕)の今後にも注目だし、
・・・ということで、
ほんと、どこを切っても面白い要素たっぷり、
私にとっては、久しぶりに(『風林火山』ともども)
ストーリーも登場人物も、どちらも楽しみなドラマになっていて、
嬉しい限りです。


―――まぁね、私は田辺贔屓なので、
緒方という役を田辺さんがやってるから、すべてを肯定的に、
楽しく観ることが出来ているんだと思うけど。(自覚してます、はい。笑)
―――で、その緒方。


★緒方耕平(田辺誠一
先週、「ホテルマンとしての、あの優しげでやわらかな雰囲気が、
総支配人としては、ちょっと弱いことも確かだと思う」と書いたのですが、
2話にして、そういうところを完全に払拭してくれましたね。

初回の回想シーンとは明らかに違うキリッした雰囲気が出ていましたし、
とにかく、しっかり仕事してくれていたことが、
私としては、この上なく嬉しかった。
場末の食堂で皿洗い、っていうんでも、確かに仕事してるには
違いないけど(笑)
そりゃやっぱり、ピシッとスーツ着て、
総支配人としてバリバリ仕事してくれた方が嬉しい。
・・・うん、私、田辺さんが仕事している姿が好きなんだな、やっぱり。


しかも、総支配人として、このホテルになくてはならない人だ、
ということが、いろいろなエピソードを通して、自然と伝わって来る。
特に、みつ子の息子・洋介(佐藤祐基)に平手打ちをくわせたところ
などは、社長一家と家族同様のつきあいをしていなければ出来ないこと。
その責任の重さみたいなものに、負けていない、
すべてのトラブルに対処し切れる能力を持っている、
そういう役を田辺さんが演じているということが、とても嬉しかったです。
(さっきから「嬉しい」ばっかりだな。笑)


この緒方を巡る女性たち、というのが、また、引く手あまたで。(笑)
杏子、あかね、奈津子、みつ子、と、主な女性陣 総崩れ状態。(爆)
いや〜、こんなにモテる役やったことあったかな、田辺さん。(笑)
まぁ、社長のみつ子はないとして(笑)
あかねもかわいいじゃないか、とか、
奈津子とだったらいい家庭作れそう、とか、
観ていて、あまり杏子にこだわっていない自分にびっくり。
これはたぶん、今のところ、田辺さん特有のあの「切なさ」が、
杏子に対して、十分に描かれていないせいだと思う。

このあたり、案外キーを握っているのは、
シン・ドンヒョク(ぺ・ヨンジュン)なんじゃないか・・・
緒方に帰国を決意させたドンヒョクの重要な一言が、
まだ、OAされずに残っているんじゃないか・・・
なーんて、また、勝手に先を読んで、
勝手に物語を作ってる私なのでありました。
(そんなばかばかしいことやるのも楽しいのよ、緒方が相手だと。笑)


ちなみに、今回の、私の好きな緒方。
黒岩料理長(塩見三省)に「おかえり」と言われて振り向いた時。
洋介を叩いた後。
杏子にバッティングセンターに誘われたのに、仕事があるから、と、
書類見ながら行っちゃったところ。


PS(恒例の雄叫び? 笑)
あ〜〜、この田辺誠一で、もう一度、
蓮實滋人(@きみはペット)が観たいっ!(爆)