奥山貴宏さんのこと

 奥山貴宏さん―――編集者・ライター・小説家。
今年4月、33歳の若さで、彼は亡くなりました。

 

私が彼のことを知ったのは、つい最近のことです。
その時すでに、彼は、この世の人ではありませんでした。
私が彼のブログに辿り着いた時、
そこは、彼のさまざまな興味を写し取って、
魅力ある言葉で埋め尽されていました、
活き活きと、みずみずしく、
まるでPCの向こうに、今も彼が存在しているかのように。

私が、ブログを読み進むうち、急速に彼に惹かれて行ったのは、
彼の「最期まで自分らしく生きたい!」という強い意志が、
2年前に同じ病気で逝った私の父と、
ダブるような気がしたからかもしれません。

 

さておき。
今、もし、彼の映画を撮ることになったとして。
田辺誠一さん、あなたなら、俳優として、彼をどう演じますか。
監督として、彼をどう撮りますか。

演じることの嘘も、作ることの嘘も、
この壮絶なひとりの人間の「自分らしく生きたい!自分らしく逝きたい!」
という思いを、きっと写し取ることは出来ない。
だとしたら、あなたは、自分の「何」をもって、彼を演じ、
             あるいは、彼を映(うつ)そうとするのでしょうか・・・・