『ウォーターボーイズ』/『14ヶ月』感想

ウォーターボーイズ』/『14ヶ月』感想 :2003年8月28日(木)roji
今クール、私にしてはめずらしく、
田辺さんが出ていないにもかかわらず見続けているTVドラマが、
2本あります。――『ウォーターボーイズ』と『14ヶ月』。

 

ウォーターボーイズで感じたのは、
見え見えのベタな展開が、これでもかこれでもかと続く、
それを、うとましくも、くだらなくも思わず、
けっこう楽しんで観てる自分がいる、ということでした。

 

今回、人命救助をして一躍人気者になったシンクロのメンバーの練習を観に
街の人達が学校に押しかけて来る、というシーンがあったのですが、
学校内で文化祭の準備品を、その人たちがめちゃくちゃにして行くのね。
そりゃないだろう、ってな傍若無人ぶりなんですが、
そこに、これまたお決まりの、
展示物倒れる→女性徒あわや→メンバーのひとりが助ける→怪我してしまう
というシーンがあったりとか。(どっかで観たな。笑)

主人公・勘九郎山田孝之)のお父さんは市役所勤め、
お母さんは教育委員会の委員、ってのも、
教育委員会がシンクロ公演をやめさせたがってることを考えると、
きれいな「板ばさみ」になれる要素いっぱいだし。

 

これが『14ヶ月』になると、もっともっと「ありえない話」の連続で。
それを、くだらない、と思ってしまうと、
このドラマを楽しめないんでしょうが、
「ガラかめ」をすんなり観てた私のような人間は、
その「ありえない感」や「嘘の物語」に、妙に惹かれてしまう、
というのも事実で。(笑)

だいたい、薬を飲んで、どんどん若返って行く、という発想はいいとして、
今、主人公の女性は、8歳ですよ。
かつて、こんな若い子が、連ドラの主人公になったことがあっただろうか?
(「家なき子」の安達祐実ちゃんだって、6年生ぐらいだったはず)
それが、中身はあくまで35歳で、だんなさん(中村俊介)相手に、
すごく大人っぽい口きいたりして。

薬を発明した医師(石黒賢)が、また変なヤツで、
彼女と一緒に時間を遡るために、
彼女が飲んだ薬(自分が発明した)を飲んじゃうし。
ところが、彼女のように身体が子供に戻るんじゃなくて、
記憶が、新しい方から徐々に消えて行く、という変化になってしまって。

ずーっと伏線となってた夫の極度の近眼、というのも、
ストレスから来る、失明の危機!みたいなことになっちゃうし。

とにかく、これでもか、これでもか、と、試練がやって来るんですよね。

 

これは嘘だ、とわかっていながら、感情移入してしまう。
ありえない、ばかばかしい、と思っても、
登場人物たちの境遇に、心を寄せてしまう。
・・・・そう、まるで、あの時・・『ガラスの仮面』の虚構の世界に
惹き込まれて行った時のように。

ベタでも、こそばゆくても、嘘でも、ありえなくても、
それらを超越してなお、観る者の心に響くものはある。

それは、『ガラかめ』や『月下の棋士』・・・・
そして今回『熊沢パンキース03』を経て、
改めて、強く感じている想い、と言えるのかもしれません。