『きみはペット』(第8話)感想:1

きみはペット』(第8話)感想:1 投稿日: 2003年6月 6日(金)roji
昨夜は、「蓮實は紫織を意識する」という一文に、
思わず動揺してしまった私です。
昨日の紫織は切なかった。
救ってあげられるの、蓮實しかいない、
どうにかして助けてあげて、と思っちゃったもんなぁ。(苦笑)

 

さておき。
8話2回目は、7話同様、武志の気持ちを中心に観ました。
武志って、私としては、どうしても、
スミレを「女性」として観てるように思えない。
「女性として好き」という感情が、
ひょっとして心をかすめた時もあったかもしれないけど、
少なくとも今は、もっと違う形で惹かれてる、
もっと違う意味で、大切な存在、のような気がする。
自分の「居場所」というか、凧の糸を安心して託せる相手、というか。

 

たとえ人間扱いされなくても、
「そこ」は、武志にとって、戻りたかった場所で。
でも、自分は本物のペットじゃなく、人間で、しかも男で。
自分がペットとしてスミレの傍にいることを、
蓮實が認めてくれるわけもなく。

自分にとって大切な居場所を失わない為には、
スミレの手を離さない為には、
蓮實と闘い、勝つしか、道はなく。

でも、自分に勝ち目はあるのか、と、武志は不安になる。
行こうと思っていないドイツ留学の話を、わざわざ持ち出して、
スミレの心を試そうとする。

・・・・ってのが、ここまでの流れかな。

 

でもね。
スミレはもともと武志を「男性」として見てないし、
かと言って、「ペット」という人格を持たない存在でも、
もはや ないような気がします。
武志と同じように、「一緒にいることが心地良い存在」で、
でもそれは、蓮實を好き、というのとは、まったく違う感覚で。
(うーん、この距離、私の中では、一番近いのは、「姉と弟」なんだけど)

ともあれ。
スミレの中で、武志への想いと、蓮實への想いが、
違う形できちんと二分されてるとしたら、
彼女の心を蓮實が認め、武志が納得し、
お互いに「スミレを独占したい」という欲を振りかざさなければ、
共存は、可能ではないか。
・・・・ということで、最終的には、どういう結末になるのか知らないけど、
私としては、出来れば、「3人が家族になる」という道を模索して欲しい、
と思うわけです。

 

ところで蓮實さん。
武志とスミレのキスを見てしまった後の表情は、
キ−ンと氷が張ったみたいで、
観てるこちらが、すごく苦しくなった。
こういう表情、原作の蓮實には、たぶん最後まで縁がないかも。

ようやく、むくむくと、蓮實・田辺の全体像が見えて来たようで、
すごく嬉しい。
でも、きっと、これからもっと
くっきりと鮮やかになってきそうな気がします。