『きみはペット』(第8話)感想:2

きみはペット』(第8話)感想:2 投稿日: 2003年6月 8日(日)roji
スミレと武志のキスを偶然見てしまった蓮實。
あの、怒りと哀しみを含んだ表情ひとつで、
彼がどれほど傷ついたかが、容易に想像出来た。

そう、蓮實だって傷つくのだ!
と、そのことが、私には、すごくショックであり、
すごく嬉しくもありました。

 

原作の蓮實の、
天然、というだけでは収まらないスケールの大きさって すごく好きで、
この役を田辺さんがやると知った時、ものすごく嬉しかったのですが、
ドラマの蓮實は、原作のように、おおらかに何も気に留めない、
というのでもなく、
スミレの確実な愛情を受け取っているわけでも、
Hして幸せを与えてる(笑)わけでもなく、
重大な欠点を持つスミレを、ただ愚直に愛するだけで、
蓮實ファンとしても、田辺ファンとしても、
ただただ、じっと、スミレの心が蓮實に向いてくれるのを、ひたすら待つ、
という、そうとう忍耐を必要とされる日々が続いていた、というのが、
正直なところだったと思います。

だけど、あの表情ひとつで・・・・

 

あの表情を見て、スミレは気づかなければいけない、
永遠に続く、と、どこかで甘えていた、
蓮實の自分に対する溢れるほどの愛情が、
ひょっとしたら消えてしまうことがある、ということを。

スミレは、ちゃんと蓮實と向き合わなければならない。
正直に、自分の気持ちを打ち明けなければならない。
そうすることで、たとえどれほど蓮實が傷つこうと、
蓮實を傷つけることで、どれほど自分の胸が痛もうと、
それを乗り越えなければ、スミレは「病やまい」を克服出来ないのだから。

 

そこから、ふたりの一歩は、ようやく始まる。
そうして、ようやく、スミレと、モモと、蓮實の、3人のドラマになる。

だから・・・・
スミレの、蓮實への気持ちが、形として見えて来るのは、これから。
蓮實の、スミレへの愛の深さが見えて来るのは、これから。
という気がします。