2002・6・19-21放送(FM東京)
★このトークは、あくまで、翔と夢の主観・私見によるものです。
夢:このドラマは、最初ラジオ(FM東京)で放送されて、その後、ルルティアさんのCDに挿入されたのだけど、こういうコラボレイトも面白いね。
翔:そもそも、ルルティアさんの曲がまずあって、そのイメージでドラマが作られた、ということのようなので。
夢:あ、そうなの?
翔:そう。 ラジオドラマって、視覚に訴えるものがないから、音楽(BGM)が TVドラマの時より重要な役割を担(にな)っていると思うのだけど、今回のように、ドラマに音楽を添えて行くんじゃなくて、もともと曲として出来上がっている音楽を使うというのは、もっと、ドラマのストーリーと‘対等’な感じがするよね。
夢:ほんとに、ルルティアさんの曲(声)が、すごくきれいで・・・・
翔:「水」のイメージ、というか。 水面がきらきら光っていたり、揺らめいたりしているような感じ。
夢:うんうん。
翔:で、監督が磯村一路さん。 『がんばっていきまっしょい』など、こちらも「水」にまつわる映画を多く撮っている人で。
夢:『解夏』も、この人が監督だったよね。・・・でも、どうだろう、ストーリーとしては、物足りない感じもしたんだけど。
翔:そうだね、聴いていて、すごく情景としてのイメージは膨らむんだけど、物語として、武史(田辺誠一)とすみれ(市川実和子)の心の動きとか行動とかが、どうも、こちらの身に迫って来ない、というか。
夢:うん。
翔:すごーくきれいなイメージフィルムを見せられている感じ、と言ったらいいかな。 もちろん、ラジオドラマなんだから、視覚に訴えるものがないのは当然で仕方のないことなんだけど、それにしても、「物語」として伝わって来るものが乏しかった、私たちが、頭の中でラブストーリーを作り上げるだけの材料に乏しかった、という気がする。
夢:うんうん。
翔:その辺は、かえって、先に曲ありき、だったことで、きっちりと何かを伝え切る、「。」で言い切るような作品になれなかった、ということもあるのかもしれないけど。
夢:・・・う~ん・・・・
★ ★ ★
夢:さて、田辺さん、ですが。 屋久島の漁師・武史という役だったけど、田辺さんと漁師というのが、なんとなく似合わないかな、と思ったら、全然そんなことなくて。
翔:実際の田辺さんの外見からすると、確かに、線が細い感じはするけど、ラジオだから、声だけの印象だし、聴いていて 違和感はなかった・・・というか、ピッタリって感じがした。
夢:最初の、プールから上がる「プハーーッ」とか「潜水」という声で、もう、イメージ一気に膨らんで。(笑)
翔:そうだね。 息を弾ませている感じとか、「たくましい」と思った。 今まで、田辺さんの役で たくましい と思わせられたことが一度もなかったので、声だけで、それほどの気持ちにさせられる俳優さんになったのか・・なんて。(笑)
夢:単純。(笑)
翔:甘々。(笑) でも、ラジオとはいえ、「漁師」という役が田辺さんに与えられた、そして、それを、田辺さんがさらりと自然にこなした、ということが、私としてはすごく嬉しかったから。
夢:うん。
翔:あと、こんなふうに「子供がいる役」というのが、あたりまえになって来たんだなぁ、と。
夢:そうだねぇ、確かに この時期続いてたよね。 『眠れぬ夜を抱いて』の進藤要士も、『夢のカリフォルニア』の中林も、子持ちだったし。
翔:もちろん、30代半ばに差し掛かってるわけだから あたりまえなんだろうけど、でも、独身の役と違って、子供のいる役というのは、難しい部分もあるような気がするので。
夢:年齢的なことで?
翔:それもあるけど・・・どう言ったらいいか・・・演じることに「ゆとり」がないと、子供がいることに負けてしまう、と言ったらいいか。
夢:うーん、ゆとり、かぁ・・・・
翔:田辺さんは、厳しく言えば、まだそこ(ゆとり)まで行っていない、どっかぎごちない感じもあったりするんだけど、でも、このドラマを含めた「子持ち」の作品に出会った時に、どれも、私が想像してたよりすんなり馴染んでいる、違和感がない、という第一印象だったので、なんとなく嬉しかった。(笑)
夢:・・・・うん。(笑)
翔:いずれ、そう遠くない時期に、子持ちの役を「ゆとり」を持って演じられる俳優さんになるんだろう・・・と思うと、ちょっと感無量のものがあるけどね。
夢:でも、子持ち役にすんなり馴染んでしまうというのも、ちょっと寂しい気もするけどなぁ。 やっぱり、「王子さま」な田辺さんってのも、捨てがたいから。(笑)
翔:(笑)そうねぇ・・・それは確かに言えるけどね。