『黄泉がえり』感想

黄泉がえり』感想 投稿日:2003年11月25日(火)roji
ほんとに久しぶりにビデオを借りて来ました。
「笑う蛙」「ごめん」「火星のカノン」「歩く、人」等々、
借りたいビデオがたくさんある中、
結局選んだのは「黄泉がえり」と「ドライブ」。

黄泉がえり」は、田辺さん観たさ・・というより、
最近興味を持ってる草序イ剛くん観たさ、と言ったほうが正しいかも。(笑)
ドライブ」は出演メンバー(堤真一筧利夫大杉漣安藤政信
寺島進)と監督(SABU)への興味から。

 

で、今黄泉がえりを観終わりました。が。
うーん、テーマとして柱となるはずの部分が、かなり弱い、という感じ。
特に前半は、いろんな人のエピソードを入れ過ぎて、
誰に感情移入すればいいのか困った。
ただ、後半、葵(竹内結子)の秘密が明かされたあたりから、
スピード感が出て来て、ぐいっと引っ張られる感じがしました。

 

観ていて強く印象に残ったのは、
「草序イ剛は、ただもんじゃない!」ということ。(笑)
自分のことを、すごく遠くから見られる人、と言ったらいいか。
あの独特の空気感は、たとえキムタクや窪塚洋介くんでも出せないだろう、
という気がする。
ほわんとしてる、と思うと、スパンと切れ味鋭くなったり。
確かに弱点もあるんだけど、でも、
ドラマの流れを切らない程度の振れ幅が、なんとも心地良かったです。

あと、竹内結子さんも、すごく自在な雰囲気を持ってる人ですね。

 

で、田辺誠一さん。
「私の妻も黄泉がえりなんです」
ただこの一言で、
この言葉の深さと、川田(草序イ)を助ける行動の理由を伝えるのは、
ほんとに難しいと思う。
物足りないのは、仕方ないことかもしれません。

ただ、この役の消化不良の部分というのは、
他の、身近な人を黄泉がえらせた人たちにも共通のものだった
ような気がしますし、
その「きっちり消化させて描いていない‘肝心な部分’」が、
この映画の、もっとも大事な、
この映画の核となるはずの部分だったのではないか、
そこをきちんと描いていないから、
感動も中途半端になってしまったのではないか、という気もします。

もっと全体を整理して、
いっそ、川田と葵の気持ちをメインにするぐらいの作り方をしたら、
それこそ、王道を行く素敵なラブストーリーになったのではないか、と、
その点、かなり残念でした。