『ディア・シスター』(第8話)感想

『ディア・シスター』(第8話)感想
葉月(松下奈緒)と美咲(石原さとみ)がタイムカプセルを埋めたのは
11年前(2003年)、葉月が19歳、美咲が16歳の時。
その時はまだ、宗一郎(田辺誠一)は 葉月の憧れの人でしかなく、
美咲と問題を起こしてもいなかった。
母・七重(片平なぎさ)が働きづめであまり家にいなくて、
ずっと二人きりだった姉妹は、とても仲良しだったんでしょうね。

映画をまねて書きっこした「死ぬまでにしたい10のこと」、
美咲の10番目のしたいことは「お姉ちゃんを幸せにする」だった。
今までさんざん妹のいいように振り回されて来たと思っていた葉月は、
それを見て、やっと美咲の本心を知ることになります。

美咲に対する葉月の気持ちの変化を、
ずっと傍にいて優しく見守ってくれた陽平(平山浩行)の存在が、
少しずつじんわりと葉月の中で大きくなって行く、
その流れがとても自然で、二人のことをますます応援したくなったし、
本当にこの二人には幸せになって欲しい、と思いました。


一方の美咲は・・
宗一郎と会い、おなかの子の父親は彼であることを告白。
しかし、認知してもらうつもりも一緒に育てるつもりもない、
と、きっぱりと宣言。
今までウザいほど彼女につきまとって来た宗一郎にしては、
やけにあっさりと、彼女の言葉を受け入れます。
う〜ん、ここはもっと食い下がってもいいんじゃないの、とも思うけれど、
自分を嫌ってる(と宗一郎は思ってる)彼女をこれ以上傷つけたくない、
だから身を引く、ということなんでしょうか。

案の定、酔っ払ってる宗一郎のもとに 永人(岩田剛典)が来て、
美咲が宗一郎を好きなこと、迷惑かけたくなくて突っぱねていることを伝え、
子供が誰の子かなんて関係ない、
美咲が好きならこの先何があっても美咲を守って行く覚悟をしてくれ、
と詰め寄ります。(永人かっこいい)

いやいや、宗一郎は、最初から
美咲に子供を一緒に育てようと言ってるし、
宗一郎の子供じゃないと言い張る美咲に対して、
DNA鑑定を持ち出すほど、子どもに対する責任感もおそらく愛情もある、
永人にも(美咲のことを)あきらめるなんて出来ない、って言ってるし、
ちゃんと意思表示してるんですよね。
それを頑として受け入れないのは、美咲のほうなんだけどな。

でも、確かに、宗一郎には、
どこか、何か、一歩踏み出せないでいる感じがありますよね。
その辺のカギを握っていそうな宗一郎の元妻・貴子(音月桂)が
二人の話を偶然聞いていた、というのも気になります。


宗一郎が、美咲に対してストレートにぶつかって行けないのは、
貴子と美咲と自分との関係において、
10年前の出来事がいまだに深く影を落としていて、
本当の意味でそれを乗り越えることが出来ていないからなんじゃないか、
と私には感じられるのですが。
美咲が宗一郎を頑(かたく)なに拒むのも、
何かしら贖罪(しょくざい)のようにも思えるのですよね。
・・まぁ、あいかわらず私の勝手な深読みではありますが。


次回の予告を観ると、
そのあたりにも大きな動きがあるようですし、
何となく、そこから先のラストもぼんやりと見えて来た気がするので、
あまり先走らずに次週を待ちたいと思います。



『ディア・シスター』     
放送日時:2014年10月-毎週木曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本:中谷まゆみ 演出:関野宗紀 プロデュース:中野利幸
音楽:Jhameel 橘麻美 白石めぐみ 大間々昂 
主題歌:「Happiness」シャネル 挿入歌:「BF」moumoon
制作:フジテレビドラマ制作センター
キャスト:石原さとみ 松下奈緒/岩田剛典 平山浩行 森カンナ
田辺誠一 堀内敬子 片平なぎさ 他
『ディア・シスター』公式サイト