『ディア・シスター』(第7話)感想

『ディア・シスター』(第7話)感想

美咲(石原さとみ)の妊娠が発覚した時の
葉月(松下奈緒)や七重(片平なぎさ)の喜びようやら、
葉月の親友・和子(森カンナ)のお見合いやら、
ほっこりしたエピソードがあった中で、
葉月も、美咲も、永人(岩田剛典)も、宗一郎(田辺誠一)も、
一歩前へ進むために カオス(混沌)から抜け出そうと
必死で もがいているように感じられました。


美咲に「唯一無二の存在になる」と宣言した永人が、
一番しっかりと自分の立ち位置を見つけ出したかな、と思ったのですが、
スケボーの練習でミスを繰り返す姿を観た時に、
彼もまた、迷いの中から抜け出せないでいるんだなと感じました。
一人前の男として自立出来ているならまだしも、
確かなものをまだ何も持たない20代半ばの彼が、
一人の女性を(おなかの子も含めて)支えるなんて、
そんなに生易しいことじゃない、
その現実味みたいなものがちゃんと描かれているのが良かった。


葉月が、究極のいい人・陽平(平山浩行)のプロポーズに対し、
潔く飛び込んで行く勇気がまだ持てない、
自分自身に対して自信が持てないから、前に踏み出すことが出来ない、
という、そのあたりの臆病さも、すごく良く分かる気がしました。


美咲は、「お姉ちゃんを結婚させる」というミッションのため、
一計を案じ、まんまと葉月と陽平を会わせることで、
二人の結婚への道筋を作ってやれた、と思い込んで・・
で、ふと淋しくなっている自分に気付く、
今までお姉ちゃんが好きになった人のことがすごく気になってたけど、
お姉ちゃんを誰かに取られちゃうんじゃないかと不安で、
お姉ちゃんが好きになった相手にちょっかい出してたんだ、と・・

・・え〜っと、ちょっと待って、
じゃ、今までことごとく葉月の好きだった人に手を出してたのは、
単にシスコンだったから、ってことなの?
美咲の‘愛してる’とか‘好き’という感情の行き着く先はそこなの?
宗一郎とのことも、
お姉ちゃんを取られたくなくてやった、ってだけの話なの?
・・と、初見の時は茫然としちゃったんですが、
再見して、美咲や葉月のセリフをしっかり聞き直して、
で、これまで同様 フェイクが入ってるんじゃないか、と勝手に想像して、
ちょっと安心しました。
(その想像が当たってるかどうかは分からないけどw)


今までさんざんウザいキャラオーラを発していた宗一郎が、
ここに来て、自分の本心を語ってくれた(しかも相手は永人)ことにも、
ちょっとホッとしました。
「このままあきらめるなんて無理だ」
そりゃそうですよね〜。上等じゃないか。

彼に関しては、もっと深いところでの葛藤がある、
そのカギを握るのは元妻なんじゃないか、と思っていて、
最初の頃に、静岡から東京の実家に戻った、という話があったので、
こりゃいずれ出て来るかな、と思っていたのですが、
どうやら次回登場ということになりそうですね。
この人が、今後ずっと出るようになるのか、次回限りなのか、によって、
宗一郎の今後というのも見えて来る気がするのですが、
はたしてどうでしょうか。


美咲・葉月・永人・宗一郎・・
彼ら4人に共通するのは、「自分を変えたい」という想い。
「私自身が変わらない限り、このまま結婚しても何も埋まらない」
と、葉月が陽平に言ったように、
自分を変えようとして その方法を見い出せずにいる、
あるいは、本当の気持ちを閉じ込めたまま変わろうとしている、
そんな彼らの姿に、
すでに彼らの年齢を遥か以前に通り越して来た私は、
親戚のおばちゃん気分で、
おいおい とツッコミを入れたり、分かる〜 と共感したり、
頑張れ とエールを送ったりして。

悩むことも、苦しむことも、決して悪いことじゃない、
生きて行くってことは、そういうものを必ず含んでいるんだから。
傷ついて傷ついて、そこから大切な本当の何かを見つけて行く、
そんな彼らを、これからも見守りたいと思います。


『ディア・シスター』     
放送日時:2014年10月-毎週木曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本:中谷まゆみ 演出:田中亮 プロデュース:中野利幸
音楽:Jhameel 橘麻美 白石めぐみ 大間々昂 
主題歌:「Happiness」シャネル 挿入歌:「BF」moumoon
制作:フジテレビドラマ制作センター
キャスト:石原さとみ 松下奈緒/岩田剛典 平山浩行 森カンナ
田辺誠一 堀内敬子 片平なぎさ 他
『ディア・シスター』公式サイト