『ネオ・ウルトラQ』(第3話)感想

ネオ・ウルトラQ(第3話/宇宙(そら)から来たビジネスマン)感想

毎回、各監督が、自由に自分の色を出しているように感じられます。
監督の違いによって「ウルトラQ」の世界観の構築の仕方も違うし、
毎回見所も違うので、作品によって、観る側の好き嫌いが分かれる、
ということもあるかもしれませんが、それぞれに興味深いです。
(クレジットタイトルまで凝っているのが嬉しい)


今回は、ヴァルカヌス星人という「宇宙人」をどう作るか、
に興味があったのですが、
村杉蝉之介さんの持ち味をうまく引き出した造形になっていて、
宇宙人としての特異さも違和感もあまりなく、
イマドキの東京であんな格好で歩いてても、
何かのコスプレと思われて素通りされるだけなんだろうな、
と妙に納得してしまいました。


南風原田辺誠一)とあっち向いてホイやって和んでる宇宙人って・・w
いや、宇宙人とあっち向いてホイやって和んでる南風原が面白いのか・・
南風原は負のエネルギーをかなり持っていたから、
宇宙人も彼に興味を示したのかもしれないけれど、
それにしても馴染みすぎでしょ。w


考えてみると、ヴァルカヌス星人が欲しがる負のエネルギーは、
地球にうんざりするほどたくさんあるわけで、
だとすると、これは、地球にとっても、ものすごく大きなビジネスチャンス
にもなりえるわけですよね。(しかも誰も不幸にならない)
そういう先見の明を持った人が現れて、
積極的に宇宙人と交渉するようになったら面白いのにな〜・・
・・って、私も宇宙人に馴染み過ぎてる?w


渡良瀬(高梨臨)たちが必死で負のエネルギーを集めたことによって
地球に残れることになったのに、
結局、ヴァルカヌス星に旅立つことを選んだ美樹(小泉深雪)。
だけど、彼女が美しさを保つために望んで向かったヴァルカヌス星は、
「負のエネルギー」を美しい、と感じる星。
彼女が、自分の美(地球的な)に満足してしまえば、
負のエネルギーが弱まって、
ヴァルカヌス星の人々からは醜いと観られてしまうわけで。


最後にそのブラック感に思い至った時に、
今回のドラマの面白さが、私なりのレベルで、ではあるけれど、
いくらか理解出来たような気がしました。



監督:入江悠 脚本:いながききよたか 山本あかり
出演:田辺誠一南風原仁) 高梨臨(渡良瀬絵美子) 尾上寛之(白山正平)
島田雅彦屋島教授) 小泉深雪(美樹) 
村杉蝉之介(ヴァルカヌス星人・羽屋丈二) 他

『ネオウルトラQ』公式サイト