『ネオ・ウルトラQ』(第7話/鉄の貝)感想
観終わって、手塚治虫さんを思い出したのは何故でしょう。
単純明快な悪役の描き方、人間の身勝手な判断に翻弄される怪物、
酔っ払いの父親と心優しい娘、正しい者 対 間違った者、
そして かすかな希望・・
それらの中に、手塚さんらしい匂いが感じられたからでしょうか。
悪役・福田教授(岩松了)の描き方があまりにも単純なのは、
30分でまとめるには仕方なかったのかもしれないけれど、
屋島教授(島田雅彦)との対比に、もうちょっと深みがあったら・・
と、そこがちょっと残念でした。
激しい熱を発して地球に害をおよぼすと思われた、
巨大な巻貝ガストロポッド。
しかし実際には、地球の熱を吸収して、
活発化する火山活動を沈めてくれていた・・
このお話もまた、
一方向からだけ物事を捉えることの危うさ・怖さを示唆しています。
「いいもの」と「悪いもの」の正しい境界を見出すことは難しい。
その正しいジャッジが出来るのは、
案外、「暗黒」を覗いたことがある人間なのかもしれない。
欲を捨てた状態で暗黒を覗き、またこの世界に戻って来た時、
彼は、一体、どんな人間になっているのだろう・・
・・・いつにも増して妄想過多な感想ですみません。
監督:入江悠 脚本:いながききよたか 加藤綾子
出演:田辺誠一(南風原仁) 高梨臨(渡良瀬絵美子) 尾上寛之(白山正平)
/島田雅彦(屋島教授) 辰巳蒼生(丹下准教授)
/岩松了(福田教授) 平澤宏々路(波多野マヤ) ガストロポッド 他
『ネオウルトラQ』公式サイト