『ネオ・ウルトラQ』(第11話)感想

ネオ・ウルトラQ(第11話/アルゴス・デモクラシー)感想

う〜ん、このお話は難しかったです。
というか、ふたつの話を無理にくっつけたような違和感があった。
怪獣を敵と見る人もいれば、共存を望む人もいる。
そのふたつの考え方に接点はないのか、
というあたりを、もうちょっと掘り下げて欲しかった気がします。


唐沢(室井滋)のお母さんたちへの媚びは選挙がらみと想像つくけれど、
ヤマグチ(光石研)の怪獣に対する想いはどこから生まれたものなのか・・
そのあたりがはっきりしないまま、
急に民主主義とかデモクラシーとかイデオロギーなんて言われても、
私には何だかしっくり来なかったですし、
せっかく室井さんとか光石さんとか力のある俳優さんが出ていたのに、
もったいない使われ方だったようにも思いました。


そもそもアルゴスは何のためにやってきたのか、
人間がデモクラシーに固執するわけを知ってどうしようというのか・・
唐沢やヤマグチを拘束し、国民投票を行って、何をどう試そうとしたのか・・
なぜ実体のないアルゴス南風原田辺誠一)の顔が映ったのか・・
私の読みが足りないのかもしれないけれど、
ほとんど未消化のまま終わってしまったのが残念でした。


ただ・・
今ひとつ気づいたのは、ヤマグチたちの扮装。
これは、日本の中の話ではない。
地球上には、さまざまな思想・宗教を持つ人たちが存在する。
その人たちすべてを民主主義という定規で測ることが出来るのかどうか・・
そう考えると、
南風原の「人間は不完全だ。人間を試さないでくれ!」という言葉が、
意味の深いものにも感じられる気がしました。



監督:入江悠 脚本:いながききよたか 
出演:田辺誠一南風原仁) 高梨臨(渡良瀬絵美子) 尾上寛之(白山正平)
島田雅彦屋島教授)
室井滋(唐沢貴子) 光石研(ヤマグチ) 螢雪次朗(村上警部)

『ネオウルトラQ』公式サイト