ライアーゲーム~The Final Stage~(mini)

2010.3公開

リアルタイムの感想にも書きましたが、
映画としてより、むしろゲームとして楽しんだ作品だったように思います。
あくまで「誰が何色のりんごを入れたか」を重視する展開のうえ、
キャラの色づけの仕方があまりにも個性的・マンガ的だったこともあって、
確かに「映画」としては好き嫌いが分かれる作品だったかもしれないですが、
登場人物をコマとして自分が動かしているような感覚が新鮮で、
普通の映画にはない不思議な臨場感もあって、
私は非常に面白いと思いました。
たぶん、ゲーム好きな人は、すんなり入って行けたんじゃないでしょうか。

コマとしてのキャラに徹した俳優陣も良かったですが、
何と言っても、これだけの「ライアーゲーム世界」を作り上げた
演出・美術・音楽スタッフが素晴らしかったですし、
観客をゲーム感覚に引きずり込んだ「りんごゲーム」の作者にも、
功労賞を上げてもいいんじゃないか、と思いました。

田辺さんの仙道アラタは、
ゲームのラスボスとして、とても分かりやすい「悪者キャラ」に徹していて、
それはそれで面白かったけれども、
だからと言って、こういう役ばかりだったらつまらないだろうな、とも思います。
ブラック会社・・』の藤田の時にも思ったことですが、
もはや、どんなに いい役・おいしい役・かっこいい役でも、
田辺さんの持ち味だけを使えばいい単純で分かりやすい役では面白くない。
田辺誠一を使うなら、もっと 演じにくい役・色を決めにくい役・複雑な役を与えてくれ!
・・と思ってしまうのは、私の好みの問題でしかないんでしょうかw。