人らしく、生きられるように(mini)

2010・5・29放送

第25回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集入選作(田山琢朗さん作)です。
演出は、『風林火山』で田辺さんと組んだことのある東山光裕さん。
出演は、田辺さん、高橋和也さん、他。

東京から地方に引越しして来た北野一家と、引越し先のアパートに住んでいた熊や狸との、
ちょっと不思議でユーモラスな交流と友情を描いたドラマです。
これをTVドラマにしようとしたら、CGを使っても、わざとらしくなってしまって、
なかなかうまく表現出来ないだろう、という気がするので、
ラジオドラマの題材としては、面白いものを持って来たなぁ、と思いました。

ただ、内容としては、童話や民話として今まで聞いてきた物語に特に勝るものではなく、
もうちょっとヒネリが効いていると、より面白かったんじゃないか、と思います。

田辺さんのラジオドラマ出演は、これで5度目。
アニメのアフレコなどもいくつか経験しているので、
あまり不自然さを感じさせることもなく、無難に役をこなしていたように思います。
ただ、ちょっと物足りなく思ってしまったのも事実で。

高橋和也さんは、鈴木さんという名前の熊の役をやったのですが、
これが本当に素晴らしく、プロの声優さん顔負けのキャラ作りをしていて、惚れ惚れしました。
あそこまで思い切った声の作り方をしていいんですよね、ラジオドラマやアフレコでは。

田辺さんも、今回だけでなく、
たとえば『アタゴオルは猫の森』のギルバルスとか、『ケロロ軍曹』のナべべとか、
もっともっと思い切ったキャラつくりをしてもよかったと思うし、
アフレコでそういう経験をすることが、
実際のドラマ等での役作りにも繋がって行くような気がするのですが、いかがでしょうか。