ベストファーザー・ブック2012:田辺誠一さん
第31回ベストファーザー賞発表に合わせて、
「ベストファーザー・ブック2012」が発売されているのですが、
ベストファーザー・ブック(2012年版)1000円
その中の田辺誠一さんのインタビューから、感じたことを少し。
おそらく、俳優としてより、何より、
「幸せな家庭を作ることが自分にとって最も大切なこと」と
思っていただろう田辺さんが、実際にそういう家庭を築き育て、
この賞を授かったことで、周囲だけでなく、より広くより多くの人たちに、
田辺誠一の生き方やスタンスを伝えることが出来た、というのは、
一個人としてばかりでなく、
俳優としても、とても大きな意味があったように思いますし、
このインタビューもまた、
今まで田辺さんをあまり知らなかった人たち、
「何で田辺誠一がベストファーザーなの?」と思った人たちに、
非常に多くのことを伝えてくれているように思いました。
とはいえ・・
田辺さんとご家族(大塚寧々さんや息子さん)の仲睦まじい様子や、
子育て論のようなものについては、
彼のブログやツイッター、トーク番組や、雑誌のインタビュー等で、
何度か聞いたり読んだりしていたので、
私としては、特に目新しい感じはしなかったのですが・・
・・と、サクッとあっさり流そうとしているのは、私が、
父親としての田辺誠一よりも、俳優としての田辺誠一の方が好きだから、
に他ならないわけですがw。
で、そういう目線でこのインタビューを読んだ時に、
私が一番惹かれたのが、このフレーズ。
「僕たち役者が演じる仕事は、自分の中に蓋をしたものを一つずつ
解放していく作業なんですね。人間って何だろう、自分って何だろう、
というように、一つの役を通して殻を壊して再発見していく。」
・・ベストファーザーと関係なくてすみません。(苦笑)
でも、この言葉は、私にとっては、すごく興味深かったです。
常々、演技している彼を観ていて、
自分を壊すことを恐れない人、という印象を強く持っていたので。
たとえば堺雅人さんは、
古美門(@リーガル・ハイ)のようなぶっ飛んだ役をやっても、
自分を壊している、とは、私には思えなかった。
役に入り込む前に、自分の(俳優としての)引き出しを全部開けて、
そこから役に必要な膨大な数のパーツを吟味して集め、練り合わせ、
回を追うごとに隙間を埋めて行き、
役を大きく育てて行った、という感じがしたんですが。
「自分を壊して行く田辺」と「自分を組み立てて行く堺」・・
「いまだに自分のことをよく分かっていない田辺」と
「自分を熟知している堺」・・
ん〜、面白い!(例によって妄想に走ってますw)
ともあれ、
田辺さんにとって、バックボーンに家庭があるというのは、
とても重要なことのように感じられます。
結婚すると普通はどこかで守りに入るものなんだろうけれど、
逆に 攻め の姿勢が出てきて、
恐れることなく自分を壊すことで あの独特の空気感・存在感が生み出され、
躊躇(ちゅうちょ)なく自由に自分を浮遊させることが出来るようになった・・
彼を見ていると、そんな気がしてならないので。
thanks to appiko