『TAROの塔』DVD-BOX 特典ディスク

TAROの塔』DVD-BOX 特典ディスク
今月24日に発売になった『TAROの塔』DVD-BOXに
TAROの塔を創る」という特典ディスクが付いているんですが、
これが、コメンタリー入りメイキングから、
キャスト爆発インタビュー、岡本太郎アーカイブス、
美輪明宏さんの「水に流して」まで、
非常に充実した内容で、しかも168分もある!という、
とんでもないものになっていて、
全部観終わった後の満足感と疲労感たるや、
本編に勝るとも劣らない・・って言ったら大袈裟かも知れないけどw
でも、それに近いものがあった、と、個人的には思います。

 

1★「TAROの塔を創る」〜撮影の裏側に迫るメイキング
1時間近いメイキングには、
脚本の大森寿美男さん、制作統括の訓覇(くるべ)圭さん、
演出の梛川(なぎかわ)善郎さん、
そして後半は太郎役の松尾スズキさんも加わっての、
言いたい放題コメンタリーがついていて、
制作陣が、俳優さんたちをどんなふうに見ていたのか、
というのが伝わって来て、すごく興味深かったです。

 

特に、実際に皆が知っている人間を演じる難しさ、というところで、
太郎を演じた松尾スズキさんや敏子役の常盤貴子さんに対して、
大変だったろうなぁ、と言う言葉には、
実感がこもっていました。

 

逆に、太郎の母・岡本かの子は、
生きていた時代と現在との時間的な距離があって、
実際のかの子を知っている人がもういない、というところで、
自由に役作りが出来るので、
寺島しのぶさんは、本当に楽しんで役作りしていたんだろうな、と。

 

一平を演じた田辺誠一さんに関しては、
多分梛川さんだと思うんですが、
「訳わかんないっすよ田辺っちってのは。不思議な人ですね」
と言ってたのが、ものすご〜く印象的でしたw。
どうも、一平そのものに関しても、
制作陣は捉えどころがなかったらしい。
「一平さんに関しては不思議な脚本だった」そうですw。

 

太郎に「芸術家ってなぁに?」と訊かれた時の
一平のあの名台詞が、
どういう場所で、どういう状況で生まれたのか、というのも、
なかなか興味深かったです。
脚本作りも本当に大変だったんだね〜。

 

かの子の遺体を東京中の薔薇を買い占めて埋めた、
というエピソードは、普通のドラマじゃ出来ない、
本当に一平がそういうドラマチックなことをしたから撮れた、
というお話も面白かったな〜。

 

コメンタリーじゃない、実際の収録の方では、
西田敏行さんと松尾さんのアドリブ合戦が面白くて、
太陽の塔がとんでもない説明されてる)
もっと長く観ていたかった〜、と思いましたw。

 

2★キャスト爆発インタビュー
公式サイトにupされたものと同じだろう、と思っていたのですが、
こちらの方がはるかに充実していました。
特に、松尾さんと常盤さん、田辺さんと寺島さん、
それぞれが、お互いの印象を語るところが、ものすごく興味深かった。

 

ここでも、本編同様、
女性陣の積極さに対して、どこか引いてる男性陣、という構図が
浮き彫りになっていて、その対比が面白かったです。

 

松尾さん、常盤さん、寺島さんが、
非常に明確に、役に対するアプローチを語っていたのに比べると、
田辺さんは、サックリとした内容で、
役に深く斬り込んで行っていない感じで、
時間も短く、ちょっと物足りなかったかなぁ、と思いました。
これはまぁ、岡本一平という役が、
もともとあまり捉えどころのない、前に出ない役だったから、
ということも関係しているかもしれません。

 

しかし、その分、寺島さんが、
ものすごーく的確に、田辺さん演じる一平の魅力を語ってくれていて、
「誰かが田辺誠一を語る」のを見たり聞いたりするのが
大好きな私としては、すごく嬉しかったです。

 

「エピソード0(ゼロ)を作りたい。
なんでふたり(一平とかの子)はこういう関係になったのか・・
とてもドラマチックな関係があって、
そしてあの太郎が生まれたわけだから・・」
という寺島さんの言葉に、ぜひ実現させてくれ〜!と
大声でエールを送りたい気持ちになりました。
もちろん、一平は田辺さん、太郎は高澤父母道くん&濱田岳くんで!

 

3★広報番組
松尾さんの笑いへの想いみたいなものがちょっとだけ聞けたり、
常盤さんの「松尾スズキの扱い方」wが面白かったり。
太郎と(舞台で演じた)天才バカボンのパパを
同じ扱いにしちゃうところが、松尾さんらしいなぁ、とw。
あと、田辺さんがグータンヌーボ白石美帆さんに言われたのと同じことを
松尾さんが常盤さんから言われていたのが、
何だか私にはちょっと衝撃的で、かつ可笑(おか)しかったですw。


4岡本太郎アーカイブ
実際の岡本太郎さんの映像いろいろ。
ドラマにシンクロするような言葉がたくさんあって、
これもまた興味深かったです。
万博直前の番組での、憔悴し切ってた丹下健三さんの姿、
何だかすごく納得させられましたw。
あと、敏子さんは、実際もすごく魅力的でした。

 

5★主題歌「水に流して」
美輪明宏さんのレコーディング風景。
聴きながら、いろんなシーンが思い出されました。
歌い終わった後に さらりと「トレヴィアン」とつぶやく美輪さんが、
すごく素敵でした。

 

以上、見応え聴き応え十分、充実の168分!でした。

TAROの塔 DVD-BOX