『三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される〜』(第1話)感想

『三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される〜』(第1話)感想
いやいや、感想書こうとするたびに、
「もいっかい観てからにしよう〜♪」って思って つい観てしまうので、
なかなか書くまでに至らなくて参りました。
ほんと、何度観ても面白いし、
観るたびにいろんな発見があって楽しいったらありゃしないw。


ブログ等の感想を読むと、「ゆるゆる〜」と書いてた人が多かったので、
「どんだけゆるゆるなんだ?」と思いつつ観たら、
ほんとに「ゆるゆる〜」でした。(爆)

でもね、このゆるゆるの空気感を出そうとして、
全体的に大味で締まらなくなってしまうドラマもあったりするのに、
このドラマは、そのあたりをうまく回避しているような気がする。
ただクダラナイだけじゃなくて、ばかばかしいだけじゃなくて、
きちんとこちらに伝わって来るものがある。

それは、中五郎(田辺誠一)にしても、大家の磯貝(要潤)にしても、
「そうなってしまった事情」みたいなものが、ある程度描かれていて、
人間の昏(くら)さというか、陰影の部分が、
二人を、薄っぺらな人間じゃなく見せることに成功している
からなんじゃないかと。
そこはかとなく哀愁があるんですよね、二人とも。


登場人物に こういった陽と陰のコントラストがないと
人間的な深みが出ない・・それがないと、こういうドラマは、
ただのコント番組になってしまうわけで。
まぁ、30分完結なので、相当薄くなってしまってはいますが、
ちゃんと「人間ドラマ」としての形になってるところが、面白いと思いました。


推理ドラマとして観た場合ですが、
(そういう見方をした人がどれだけいたのか、って疑問もありますがw)
動機にしても、トリックにしても、かな〜り無理矢理wではあります。
ただ、普段ぼーっとしてる中五郎だから
犯人のトリックに気づくことが出来た、という流れは、
特別に探偵としての才能があるわけでもない中五郎にとっての、
「自分らしさ」という唯一の武器を使った解決方法のようにも思えて、
なかなか興味深かったですし、
犯人の殺人(未遂ですが)動機にしても、リアリティはないですが、
もともと「明智」(怪人が出て来るような探偵物)なんだし、
相手への怨みつらみをクドクドと説明されるより、
突き抜けた説得力があったようにも思います。


ドラマを観ていて心地良かったのは、
最初から最後まで・・それこそDVD発売の告知までw、
みんなでアイデア出し合って、
まるで高校の部活みたいに、ワイワイ楽しく作ってる、って感じが
画面の端々から伝わって来たこと。

まぁしかし、そこはそれ、もちろん ただの部活じゃなくてw、
ちゃんとプロフェッショナルな仕事になっていて。
「やっぱさぁ、そこはこうした方がいいんじゃね?」とか
「んじゃ、そんな感じでやってみよっか」とかのタメ口じゃなくて、
「やっぱり、そこはこうした方がいいと思うんですよね」とか
「それじゃ、それでやってみましょうか」とかの、
大人の真面目な会話になってる感じ・・というか。
(いや、私の勝手なイメージですw)


田辺さんのtwitterを読んでも思ったことですが、
さまざまな注文に即座に対応するスタッフさん、グッジョブです。
あちこちに遊び心満載で、本当に楽しかった。
運送屋さんの名前まで凝ってて、伝票見て笑っちゃいましたw。
2話以降もすご〜く楽しみです。


登場人物について。
★磯貝(要潤
ううう・・仮面ライダーアギトでデビューした頃は、
こんなとんでもない俳優さんになるとは思ってなかった・・(爆)
何でもありだなぁ、彼も。
そういうところは、何となく田辺さんに似ている。
田辺さんほど「読み切れない」って感じはしないけど、
田辺さんより「自分の魅力」というものを知っていて、
表に出すのが上手い感じがする。
(いや、これも、私の個人的なイメージに過ぎませんが)
今後どういう俳優さんになって行くんでしょうね〜、
追いかけたい俳優さんのひとりです。


★小林少女(小池里奈
ヘンに美少女じゃない、普通の女の子、ってところがいいと思う。
母性的な温かさみたいなものが感じられるせいか、
彼女にガチガチ怒られてる中五郎が、
母親に怒られてる子供にも、奥さんに怒られてるだんなさんにも見えて、
何だかほほえましかったですw。


明智中五郎(田辺誠一
やっぱり、ただのコメディアンじゃなかったですね〜w。
私の一番のツボは、中五郎の表情に時折かすかに滲む「陰影」でした。

明智」という名前に潰されそうになりながら、
それでもその名前を捨てきれない・・
おじいちゃん(明智小五郎)のことも、
パパさま(明智大五郎=西岡徳馬)のことも好きで、
だからこそ、ふがいない自分を、自分自身情けなく思っていて・・


そのあたりの屈折がねぇ、もう堪らないんですよね、
ああ!もう!田辺さんがやると どうしてこうなっちゃうんだろうなぁ!
かわいくて、切なくて、愛おしくて、哀しくて・・
そうだよ!こういうとこに惚れて、ファン続けてるんだよ、私は。
(ふ・・思いっきりカミングアウトだわw)


・・・でね、
きっと、怪人○○○の孫を演じるラー○○○の片○○さん(伏字ごめん)も
そういう陰影を背負って出て来てくれるんじゃないか、なんて、
あっちに突っかかり、こっちにぶつかりながら去って行く後姿を観ながら、
おおいに期待してしまったわけでw。


若僧じゃない、こんないい歳になってもw、
じいちゃんのおっきな名前に潰されそうになりながら、
劣等感抱えながら、優しさを捨てきれないまま、
ぶつかり合うだろう「明智」と「怪人」が、
どんなふうに面白おかしく、切なく、このドラマの中で生きて行くのか、
まだあと9回も観られる幸せを噛み締めながら、
楽しみに追いかけたいと思います。