『ヤマトナデシコ七変化』(第10話=最終回)感想

ヤマトナデシコ七変化』(第10話=最終回)感想
う〜ん、私としては、ヤマナデ本編は前回までで終わり、
今回は、エピローグ、という捉え方をしたい気持ちになりました。
最終的にこういうドタバタに戻る、というのが、
いかにもファンタジーコメディっぽい、と言えば言えるんだろうけど、
正直、ちょっと違和感があり過ぎた。


この展開(スナコが銃で撃たれるかもしれない)をドッキリにしちゃうって、
いくらなんでも、度が過ぎてやしませんか?
ファッションショーを口実に女の子誘拐して売り飛ばす、って、
いくら恭平(亀梨和也)やスナコ(大政絢)にドッキリを仕掛けるための
芝居だとしたって、
あまりにも突飛(とっぴ)だし、趣味が悪過ぎるんじゃないじゃないだろうか。


せめてあの衣装が、あんな品のないものじゃなく、
美しいウエディングドレス、とかだったら、まだ良かったのに。
(それじゃ「売り飛ばす」って感じじゃなくなっちゃうかもしれないけど、
こういう終わり方にするんなら、最後に純白のドレス使うのが常套でしょう)
「自分もまぶしい存在になればいい」って言われた後に、
あの格好、って、いくらなんでも、そりゃ飛び過ぎだろう、と。


そういう無理矢理な設定だったので、
恭平の涙にも、今回はあまり共感出来なかった。
あれは、亀梨くんの自然な感情のたかぶりから来たものかもしれないけど、
前回、深い 美しい涙を観た後だけに、
今回もまた、というのは、ちょっと軽く感じられてしまった。


それよりも、私は、恭平が、あの場面で、
自分の身体内全てのエネルギーを解放させて、
怒りを爆発させてくれたほうが、ずっと共感出来た気がする。
母親との確執から解き放たれた恭平が、自然に、
スナコへの熱い気持ちを、思いっきりぶつけられるようになる、
といった展開の方が、恭平の成長が見られたのではないか、と。


ひょっとして、亀梨くん自身、そういうことが出来にくいとしたら、
なおさら、その激しさを引き出すために、
周囲がもっと亀梨くんを追い詰めなきゃいけない、と思う。
・・いやいや・・まぁね、制作陣が恭平の涙を求めていたのかもしれない、
涙があればそれでいい、と思ったのかもしれないけど・・


最後に来て、相当辛口になっちゃいましたが(苦笑)
全体としては、悪くなかったように思います。
主要4人も、それぞれの色がはっきりしていて、観ていて楽しかった。
それぞれに進展も見られたし。
(雪之丞(手越祐也)だけちょっと気の毒だったけど)


ドラマを最後まで観て、
私個人の、何となく・・の印象でしかないけど、
一番強くこちらにぶつかって来てるように思われたのは手越くん、
あとの3人(亀梨・内博貴宮尾俊太郎)に関しては、
まだ未知数(面白いものを内在させていそうだけど、まだ確実には見えない)
という感じがしました。


亀梨くんは、
得手不得手な部分が何となく見えて来たようにも思いますが、
魅力的な「自分色」みたいなものは持っている人なので、
それを出し切る思いっきりのよさと、
制作スタッフには、かさねて、
俳優としての彼をぎりぎりまで追い詰めてくれ!と
お願いしたいところです。
やはり、まだ、決定的に自分を曝(さら)け出すまで行ってない、
というような、もどかしさが、どこかにあるように思えるので。


いずれにせよ、彼らが、今後どういう方向に進んで行くのか、
亀梨くんを中心に、これからも影ながら見続けたいと思います。

つたない感想におつきあいいただいた皆様に感謝。
そして、辛口多謝。