『ヤマトナデシコ七変化』(第9話)感想

ヤマトナデシコ七変化』(第9話)感想
どこからどう書いたらいいか・・と
ずーっと考えて、悩み続けているうちに、
時間切れ間近(最終回放送日)になってしまったので、
結局、まったくまとまらないまま、upすることになってしまいました。
すみません・・と、最初に謝っておきます。

   ***

誤解を招くのを承知で 正直な印象を言ってしまうと、
先週・今週と続けて観ていて感じたことは、
ヤマナデが、「ファンタジードラマ」でよかったな、ということでした。

これが、たとえば、
親子の葛藤を真正面からリアルに描いたシリアスドラマだったなら、
私はきっと、恭平(亀梨和也)や母親・亜紀(麻生祐未)に、
こんなに素直に感情移入できなかったに違いない。

ファンタジーというフィルターを通して観る恭平と亜紀からは、
それぞれの「痛んだ心」と、お互いに対する「不器用な想い」とが、
不思議なくらい自然と、まっすぐに、澄み切った形で伝わって来たように、
私には思われました。

そこに至るまでの、ふたりの葛藤と、衝突と、苦しみ・痛みが、
ファンタジーという「嘘の世界」の中で、徹底的にハードには描かれず、
最小限に留まって表現されたことで、
逆に、観る側が、恐れることなく、逃げることなく、
ふたりの心情に きちんと近づくことが出来、受け止めることが出来た・・


そんな、優しい世界を生み出した大切な要因ともなった、
麻生さんと亀梨くん。
ふたりが、それぞれに、役の心に素直に寄り添って、
亜紀を、恭平を理解しようとし、愛そうとし、
そうして全身全霊で演じようとした、
演じ手としての、役への真摯な姿勢から生まれたものが、
あの、病室でのふたりの会話に、見事に結実していたように思いました。

泣かせよう、という あざとさが感じられなかったにも関わらず、
思いっきり心がシンクロして、貰い泣きしてしまった。
何だろう、ふたりとも、演技がうまい、とか、
そういう言葉でかたづけられない「深さ」があったように、
私には感じられました。


で、改めて今回を振り返ってみて・・
そういう流れが出来上がった そもそものきっかけは、
ひょっとすると、タケル(加藤清史郎)の涙だった、と言えるかもしれない
なんてことを、ぼんやりと考えたりもして。
(いやはや、清史郎くん、たいした俳優さんです)


ともあれ・・
今回の恭平を観ていて、ようやく、
今までどうしても掴まえられなかった彼の全体像(芯の部分も含め)が、
何となく見えて来たような気がします。
けんかっ早いと言われていたけど、
誰かとぶつかることで自分の中にある鬱積したものを表に吐き出す、
そういうことが、そもそも出来ない人間だったんだな、
だから、彼の中に、ギラギラしたものが感じられなかったんだな、と。

それが、果たして、
亀梨和也という俳優が もともと持っている性質なのか、
彼が、演技として、恭平の中に溶け込ませたものなのかどうか、
というのは、あいかわらず謎ではありますが。


それともうひとつ・・余談になってしまいますが。
ずっと埋まらなかった 恭平の空虚感・・
その心に何かがゆっくりと満たされて行く様子・・を観ていて、
どこか、『神の雫』(ドラマ)の遠峰一青に似ているように思われたのは、
私が田辺誠一さんのファンだから、なんでしょうかw。



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★TVドラマ『ヤマトナデシコ七変化』(第9話)/
このドラマで、こんなに泣かされるとは! 
麻生祐未さん演じる恭平の母親の不安定な心の揺れが、
こちらまでひしひしと伝わって来た。 
亀梨和也くんも素晴らしく、ここに来て、恭平にしっかりした芯が通った。 
子供は成長して行く、親の知らぬ間に。