ぐるりのこと。(mini)

2008・6公開
翔:『ハッシュ!』と出会って以来、橋口監督の映画を観る時は自然と背筋が伸びてしまいます。彼が自分の映画に投影するものは、普通の監督とは違っているような気がするので。
しかし、かなり用心して入ったせいか(笑)、この映画では、『ハッシュ!』の時のような、カミソリを突きつけられたような監督自身の痛みを、ストレートに受け取ることはありませんでした。

映画は、とても優しかった。 優しさの後ろにある毒が、あまり感じられなかった。 私が、多少なりと監督のことを知ったせいか、あるいは監督自身が変わったのか・・
いや、それは、ひょっとしたら、リリーフランキーという人が持つ懐(ふところ)の深さ、によるものなのかもしれない。 木村多江さんも素晴らしかったけれど、リリーさんには本当に驚かされてしまった。本当になんて人なの!?(笑)
この映画の芯は、間違いなく彼が支えていた。それは、この映画にとって、木村さんにとって、そして誰より橋口監督にとって、すごく幸せなことだったように思いました。 

で、田辺さん。 裁判官役で、ちょこっと出演。 ちょこっとだけど、何となく性格まで伝わって来るようでした。
 なんだかすごく嬉しかったなぁ、また橋口監督と一緒に仕事してる田辺さんが観られて。 


on Twitter:『ぐるりのこと。』(DVD)/橋口亮輔監督の映画はいつも、優しくて強い。繊細で透明な監督の世界に触れると、自分の弱い部分が透けて見えて苦しくなる。そしてそのあと、優しく背中を押されたような気持ちになる。あなたはそこに生きてていいんだよ、あなたは変われるんだよ、と。