『空飛ぶタイヤ』(第5話=最終回)感想

空飛ぶタイヤ』(第5話=最終回)感想 【ネタバレあり】

最後になって、さらに疾走感が増した、という感じですね。
息つくヒマもないぐらい速いので、これだけの内容なら、
あと10〜15分ぐらい延長しても良かったんじゃないかって思える・・
1時間で終わってしまうのはもったいない気がしました。


でも、それだけ濃い内容をあえてこの長さに収めることで、
各シーンの緊迫感が、より一層強まった、とも言えるわけで。
最初から最後まで弛緩(しかん)や曖昧(あいまい)さを削った作り方には、
スタッフの潔(いさぎよ)さが感じられました。


第1話から4話まで、
登場人物それぞれの立場や、考えや、仕事への向かい方、
異なる立場の人間との衝突、挫折、勇気、等々を、
一人一人、とても丁寧に、深く描いて来た作品なので、
最終回、彼らをどこにどう着地させるのか、非常に興味を持って観ました。
で、個人的には、何も文句のつけようがないくらい、
見事な着地だったように思います。


もちろん、脚本(前川洋一)や演出(麻生学鈴木浩介)のうまさ、
というのもあるんだけど、
私は、今回は特に、俳優それぞれが役をどう捉えて演じているか、
という部分にすごく惹かれました。


★赤松運送社長・赤松(仲村トオル
最後までずーっと「闘う男」「大きな権力に立ち向かう男」なのだけれども、
途中、頑張っても頑張っても報(むく)われなくて、
仏壇の前で、思わず「悔しいなぁ・・」と弱音を吐く、
その時の背中が、とても雄弁に彼の忸怩(じくじ)たる思いを伝えていて、
最初から彼の孤軍奮闘ぶりを見守っていた者としては、
何だか、切なくて胸が詰まりました。


仲村さんは、私の中で、ずっと、
スマートな俳優さんというイメージがあったのだけれども、
今回、非常に骨太で、かつチャーミングなところもある中小企業の社長を、
体当たりで演じていて、
赤松が持つ「熱」とか「情」とかがしっかりと伝わって来て、
とても厚みのある人柄が出ていたように思います。


★赤松の妻・史絵(戸田菜穂
最初は夫に頼り切っていて、
どうしようどうしようとオロオロするばかりだったんだけど、
息子を護って喧嘩相手の母親に啖呵(たんか)を切ってから、
じんわりとたくましさが身について来て、
弱音を吐く夫を励ますまでになる、その変化がとても自然で、
初めはちょっと苦手だったんだけどw
最後には史絵のことが好きになっていました。


戸田さんというと、私としては、
何と言っても『神の雫』の霧生が印象深いんですが、
今回の役も含め、
温かくて懐(ふところ)の深い柔らかさを持ってる女性を演じられる人、
という印象を持ちました。
これから、もっともっと重宝される女優さんになりそうな予感がします。


★赤松運送専務・宮代(大杉漣
まだちょっと頼りないところのある二代目社長(仲村トオル)を、
がっちりと支える番頭さん、という感じ。
このコンビが最強で、この人のサポートがあって初めて、
赤松があれだけ動けたんだろうな、と、そう納得させられる人物でした。


大杉さんは、本当にいろんな役をやってる人ですが、
今回のような役が、私はとても好きです。
赤松がめげそうな時に、さらりと滋味のある言葉を掛けてくれる・・
人間の証明』(2004)の時の、
棟居(竹野内豊)に対する横渡みたいな役どころ、と言ったらいいか。


ホープ銀行調査役・井崎(萩原聖人
2000億の融資話を榎本(水野美紀)にリークしたのはおまえだろう、
と巻田(西岡徳馬)に詰め寄られ、
頑として「違います」と言い通した井崎が、ものすごく魅力的だったです。
彼の中にあるカチッとしたもの、譲れないもの、壊れないもの、は、
銀行マンだから存在してるんじゃなくて、
彼自身がもともと持っているもの、という感じがするんですよね。
巻田専務さえ根負けする程の頑固さが、
銀行という組織の中で、有効に機能している、というか。
彼はおそらく、今後も、
バカがつくほど真面目に仕事をこなして行くんだろうな、とw
でも、そういう人がホープ銀行には必要なんじゃないか、
なんてことも思いました。


萩原さんは、私が観たドラマや映画の中では、
いつも、大きく揺れ動く感じはなくて、
控え目にじっと周囲を窺ってる、というイメージがあるんだけど、
その、岩のごとき印象が、今回のように、フワッと、
頼りがいのある人、という変換を果たした時、
ものすごく魅力的に思えて、
初めて、私なりに俳優・萩原聖人の好きなところが発見出来た気がします。
(今さら、ですみませんw)


★井崎の恋人・香織(ミムラ
実は、この役がすごく好きでした。
ちょっとのことで井崎を疑い、一人で悩んで傷つき、
心があっちに揺れ、こっちに揺れ、
自分を溺愛する伯父(國村準)に素直に悩みを打ち明けるけど、
でも、それで解決出来るとは思ってなくて・・
自分で何とかしようとするんだけど、でも、どうにもならなくて、
それでも、好きな人の前で泣くなんてことは出来ない、と、
ちょっとうつむいて、唇噛んで・・
その、好きな人にべったり寄り掛かろうとしない感じが、まさに私好みでw。


ミムラさんはうまいですね〜。
デビューの頃から気になっていた人だけど、
すごくいい感じにステップアップしている気がする。
狩野の面会に来て、井崎に「待ってるから」と言われた時の、
それまでのいろんな感情が一気に溶け出すような、
喜びをぐっと噛み締めるような表情が、何とも言えず良かったです。


ホープ自動車常務・狩野(國村準)
赤松が表の主役だとすると、影の主役は、間違いなくこの人。
ついに最後まで、事故に遭って死んでしまった女性への、
具体的な謝罪の言葉はなかったのだけれども、
面会に来た井崎に「春だというのに寒いね、拘置所というところは」
と言う、その言葉だけで、
今まで彼が感じていなかった「人らしい痛みの感覚」が、
彼の内に呼び覚まされたような気がして、
悪いヤツには違いないんだけれど、やっぱり最後まで憎めなくて・・


私が、國村さんが演じた役で好きなのは、
今まで観た中では『人間の証明』の小山田が一番なんですが、
(ちなみに脚本は今回と同じ前川洋一氏)
この狩野もまた、それに匹敵するぐらい好きな役になりました。
『交渉人・真下正義』の時も『あんどーなつ』の時も、
年老いた母親との関係が描かれていて、
年齢のわりに、母親との密接な関わりが不自然でない稀有(けう)な人、
という印象があるんですが、
今回の姪・香織との関係性も、そういう視点で観ると、
また違った國村さんの魅力(=狩野の奥深さ)が滲(にじ)んでいるようで、
なおさら興味深く感じることが出来ました。


ホープ自動車品質保証部課長・室井(相島一之
狩野にくっついてる役なんですが、
ただの提灯持ちじゃない、それなりにちゃんと仕事も出来て、機転もきいて、
沢田あたりと違ってw素直に狩野の言うなりになってるところが、
覚えめでたい理由なのかな、と思いました。
狩野がいると、沢田に対して優越感をほのめかしたりしてるのに、
いなくなると途端に不安になってしまう、
そのあたりの小心ぶりも、何だかとてもリアルでした。


相島さんは、こういう役が多いけれども、
慣れて簡単に演じているかというと、そういう感じはさらさらなくて、
家宅捜索の時のおどおどした感じなど、
一つ一つの表情がものすごく的確で、
このあたりのポジションにうまい俳優さんを使うと、
ドラマ自体がグッと引き締まるんだなぁ、と、改めて思いました。


ホープ自動車車両製造部課長・小牧(袴田吉彦
沢田の良きパートナー、というか共犯者w。
沢田もそうだけど、この人も、どこか、
自分の仕事に十分な満足感を味わうことが出来ないでいるのかな、と。
まぁ、赤松運送みたいな小さい会社に勤めてたら、
そんなこと言ってられないんだけどw。
狩野の言葉に「内部告発するような人間は、自分の処遇に不満を持ってる」
というようなものがあったけど、沢田よりもむしろこの人に、
そういう「埋まらないものを抱えてる」感じが強いような気がして、
最初から、惹かれるキャラクターでした。
そう思ってみると、最後の「また三人で何かおっぱじめるか」なんて、
まさに小牧らしいセリフだなぁ、と思いますw。


小牧と沢田との付かず離れずの関係性、というのが、
大会社の同期のリアルな距離感を描いているような気がして、
演じている袴田さんと田辺さんがまた、そのあたりをうまく演じていて、
二人が並んで話してるシーンは、どの場面もすごく好きでした。


ホープ自動車品質保証部・杉本(尾野真千子
榎本へのリークといい、沢田にPCを預けたことといい、
結局、この一番下っ端の女性の真っすぐなホープへの愛情が、
会社を大きく震撼させ、新たな前進をさせることになったのかな、
という気がします。
杉本の底に潜む強さは、沢田や小牧にはないもので、
すごく純粋で、すごく透明で・・
彼女の、自分の中の全ての弱さを排除しようとする「意志」が、
そうさせているのかなぁ、と考えたりもして。
そのあたり、杉本もまた、印象深い役だったと思います。


映画『クライマーズ・ハイ』の時に好印象を持った尾野さんは、
今回、淡々と起伏なく話す硬い言い回しの中に、
きらめくような感情を内在させている、と感じられた人。
特に、病室で狩野逮捕のニュースを見て、
「沢田さん、ありがとう」と言うその表情がとても美しくて、
この人も、もっともっと使われて欲しい女優さんだと思いました。


フリーライター・榎本(水野美紀
うーん、実はこの榎本だけが、私の中ではちょっと消化不良なんですが。
もちろん、彼女のスクープが狩野逮捕の一端にはなってるんだけど、
もっとガーンとぶつかるようなバイタリティが、
榎本の中にあってもよかったんじゃないか、と思うんですよね。
たとえば、2000億の融資というスクープを、
二の足踏んでる雑誌編集長に噛み付いて強引に採用してもらう、
みたいなシーンがひとつ入っていたら・・
時間の制約もあっただろうけど、
脚本や演出の段階でそういう場面を作れなかった、というのが残念で。


演じている水野さんは、
雑誌記者(フリーライター)と言っても 海千山千って感じはしなくて、
非常に純粋に仕事に立ち向かっている人、という印象が強かったです。
で、今回の榎本という役は、
そういう清潔感みたいなものがあって正解だったと思います。
ただ、さっきも書いたように、この種の職業人の性(さが)として、
何かを無理矢理こじ開けるような強引さ、みたいなものが、
どこかで表現されていたら、もっともっとこの役は魅力的になったのに、
とも思わないではありませんでした。
脚本や演出の中で榎本のそういう部分を求められていたら、
水野さんはどう演じただろうか、という興味もすごくあったし。


★新港北署刑事・高幡(遠藤憲一
赤松に「警察は何やってるんだ!」と一喝されるまでもなく、
事件を追及する立場の人間として、一番悔しい思いをしていたのは、
この人だったと思います。
赤松が放った啖呵は、聞いていてスーッとするものではあったけど、
だからと言って、そのとおり!と思えなかったのは、
あの、カップ麺を投げ捨てた高幡の抑え切れない怒りを
見てしまっているから。
彼が、沢田によって持ち込まれたPCを武器に、
狩野を徹底的に追い詰め、保釈さえ認めさせなかった背景にあるのは、
赤松を含む世間の 警察への不信を晴らしたい、
という保身めいた気持ちからではなく、
雨の日、事故現場に行って、残された親子の後姿を見たことが、
彼の根っこにあったため。
何よりもあの親子のために、真実を明らかにしたい、
それが、赤松への一番正しい応えにもなる、という、純粋な気持ちが、
彼を突き動かしたのだ、と、そう思えたことが嬉しかったです。


遠藤さんは、非常に抑制の効いた演技をする人。
高幡が内に持ってる刑事魂みたいなものを、ほとんど表に出そうとしない、
だけど、だからこそ伝わるものもあるわけで。
ついに確実な証拠を得て、赤松のところに挨拶に行く、
それはもちろん、
今までさんざん辛い思いをさせて来た赤松への心からの謝罪や、
ホープ自動車への徹底追及の決意、の意味が大きかったんだろうけど、
それだけじゃなくて、
警察のふがいなさに憤慨した赤松に対して、
刑事としての密かな矜持(プライド)もあったんじゃないか、と。
今度こそ見ててくれ!みたいな。
そんな深読みをしたくなる演技だったように思います。


★沢田の妻・英里子(本上まなみ
沢田にとって、この人の存在は本当に大きかったんだろうな、と思います。
悩んだ時に、さらりと進むべき道を示唆してくれる、
だけど無理強いはしない、
あくまで、沢田が自分で結論を出すのを待っているんですよね。
そのあたり、ラジオのパーソナリティで、お悩み相談なんかもやってる、
そういうキャラクターの輪郭が、非常に生きていて、
相手が夫であっても、ベタベタにならない、
いつも客観的な視点を持っている、
だからこそ、沢田も、安心していろんなことが相談出来たのかなぁ、
という気がしました。


本上さんは、とてもスタイリッシュな雰囲気のある人で、
芯にある「硬さ」が、個性であり魅力となっている人でもあります。
そういう部分をいつまでも失わないで持っていて欲しい、と、
わがままを承知でw思います。
夫役の田辺さんと一緒のシーンは、
二人ともモデル出身ということもあってか、上質な空気感が漂ってました。
ワインが似合う素敵なご夫妻、でしたね、まさに。


★商品開発部課長・沢田(田辺誠一
今回、一番苦しんだのは、おそらくこの人だったでしょうね。
希望していた部署に移ったのはいいけれど、ほとんど飼い殺し状態。
自分からワナに飛び込んだのだから、誰を責めることも出来ない。
悔しい!とか、この野郎!とか思うより、あきらめが先に立って、
もうどうにでもなれ・・という、半ば自暴自棄状態。
(その辺が、この人の甘さ=弱さに他ならないわけだけど)

そんな彼が、杉本から一台のノートパソコンを託される。
彼女は、なぜ、沢田に、
ホープ自動車の命運を預けようと思ったのでしょうか。
「これを託せるのは沢田さんしか思い浮かびませんでした」
「期待に応えられるかどうかわかんないぞ」
沢田自身でさえ、それほど重要なものを預けられることに、
大きな戸惑いや不安があったというのに。

・・おそらく、杉本は、沢田の内に確実に宿っているはずの、
不正に立ち向かう勇気を、プライドを、一片の正義を、
沢田に、呼び覚まして欲しかったのかもしれない。


杉本から託された重い重いPC。
それをどう扱えばいいのか、悩む沢田・・

物語は、ここから一気にクライマックスへ向けて動いて行くのですが、
沢田の心の揺れとしても、ドラマの流れそのものとしても、
このあたりからラストまでの展開は、非常に見ごたえがありました。


「同僚の・・魂が詰まってる・・」
今まで、あれやこれやお悩み相談をしていた妻にさえ何も語らず、
責任の重さに押しつぶされそうになりながらも、
一人で悩み、葛藤し続ける沢田。
(そのあたり・・肝心な時には ちゃんと妻と一線を引いて、
自分一人ですべてを負おうとするところ・・が、杉本が彼の内に見い出した
「信頼に足る確かなもの」の一端に繋がっているのかな、とも思えます)

悩んだ末に、沢田はなんと赤松を訪ねるんですね。
彼は、そこで初めて、やっと、ようやく!
母親を事故で亡くした子供の「心の痛み」に直面し、
ビジネスライクに合理的に処理出来ない、人の痛みの感覚に触れて、
自分がして来たことの傲慢さと非情さに気づくのです。
そして、PCは、高幡に手渡され、狩野逮捕へと繋がって行く・・


杉本にPCを託されてから、事の顛末を妻に語るまで、
沢田には、赤松のようにまっすぐではない、複雑な迷いが渦巻くのですが、
田辺さんは、沢田のそういう揺れる部分(かっこ悪さを含め)を、
観ているこちら側がきちんと受け止められるような演じ方
をしていたように思います。


一番好きだったのは、赤松に会いに行って、頭を下げるところ。
それまでの、きっちりした仕事上の挨拶の仕方じゃなくて、
どこか揺らいでるというか、躊躇(ちゅうちょ)があるというか・・
あまりにも背負わされたものが大き過ぎてどうしたらいいか分からない、
半泣きになってるような表情が、
的確に、彼の置かれた状況を表しているようで。
その、情けない浮遊の仕方が、いかにも沢田らしく思えて。

この沢田の赤松への縋(すが)り方がねぇ、
それまでさんざん赤松をコケにして来たところを見せられていただけに、
逆に胸に詰まるものがあって・・
彼は初めて、会社を背負って立つ責任について、
本当の重圧を感じたんだろうな、と。
それは、きっと、狩野の孤独感や、苦しさを思い知った、
ということでもあるのかな、と。


「ママにもういちどあいたいです」という、
たどたどしい、しかし、深い想いの詰まった文字と絵を突きつけられて、
じわじわと染(し)みるように「何か」を心に受け入れて行く沢田が、
切なくて、身につまされて・・

決してかっこいいわけでも、特別に正義感が強いわけでもない、
弱さや、甘さや、狡(ずる)さや、浅はかさや、
そういう、人の持つ濁(にご)りを内在させている沢田が、
少しずつ自分を澄ませて行く・・
そういう人間を演じるのが、本当にこの人はうまいと思う。
(しかも、最後には、「また三人で・・」という小牧の挑発を
さらりとかわしたりして、ちゃんと沢田らしいところに戻ってるしw)


最初の頃、仲村トオルさんとの久々の共演、ということで、
眠れぬ夜を抱いて』のリベンジなるか、という個人的な興味もある、
というようなことを書いたのですが、
今回、二人のこのシーンを観られたことで、もう大満足させてもらいました。
何だろう、役を演じる上での二人の心(感情)のバランスが、
うまく取れている(しかも、かなりハイレベルで)と感じられたことが
大きかった気がしますが。


そしてそれは、赤松(仲村)対 沢田(田辺)だけでなく、
狩野(國村)対 井崎(萩原)でも、赤松 対 高幡(遠藤)でも、
沢田 対 小牧(袴田)でも、他の人たちでも、
それぞれの場面、それぞれの立場(尺度)で感じられたことでもあって。
だからこそ、どの場面も非常に締まったものになったんじゃないかと思うし、
どの人にも感情移入出来たんじゃないか、とも思いました。

そのあたりも含め、最後まで、非常に興味深く、面白く、
観続けることが出来た、上々の仕上がりのドラマだった気がします。
そのような作品に田辺さんが参加出来たことは、
ファンとして、とても光栄に思えました。


こういうドラマが、もっともっと増えて欲しいですね。
メッセージ性とか、社会性とか、そういうものを含んだ重厚な作品、
という意味ではなく、
俳優が確実に力を発揮出来る土台をきちんと作ってくれるスタッフと、
それに応えて、自分の持てる力を十二分に発揮するキャストと、
そのお互いのせめぎ合いが、魅力的な化学反応を起こして、
クオリティの高い作品が出来上がる、というような。

そのためには、作り手も、演じ手も、
自分の仕事を、どんなふうに、どれほど愛しているのか、
その想いを表現するために、
自分は何をどうして行かなければならないのか、
その厳しい問いかけを、いつもいつも自分に課すこと、なんじゃないか
という気がします・・
・・ん〜いやいや、これは自分への自戒も込めてw。