『篤姫』(第13回)/『ちりとてちん』(最終回) 感想

 篤姫』(第13回/江戸の母君)
13回――ということは、
すでに4分の1が終わったということなんですねぇ。
最近ずっと、日曜のこの時間は仕事をしていることが多くて、
まともに観ることが出来なかったのですが、
(・・って『風林火山』の時はちゃんと毎回録画してたのに・・笑)
今回は、久しぶりに最初からゆっくり観ることが出来ました。

 

いや〜、観て良かったです♪
英姫(余貴美子)と篤姫宮崎あおい)の初対面の場面、
余さんの、作り込まれたドスの効いた低い声に
緊張感のようなものがあって、
最初の一声から惹き込まれてしまいました。
しかもかなりミステリアス! で、篤姫をこころよく思っていない!
まぁ、なんてオイシイ役なのかしら♪(笑)

 

それにも増してツボに嵌(は)まってしまったのが、
終盤ちょこっと出て来た家祥(のちの家定)を演じた堺雅人さん♪
いやもう、この人の役造形って、
どうしてこう 迷いや揺らぎがないんでしょうか。
しかも、いつも、切り口が斬新だし。
山南敬助(@新選組!)の時も、「うわ!そう作って来たか!」って
びっくりさせられたもんなぁ。
今回も、かなり難しいであろう役を、楽々と演じているように見せていて
私としては、かなり惹かれてしまいました。

 

私が『風林火山』ほど『篤姫』にのめり込めないのは、
田辺誠一が出ていない、ってのが最大の原因ではあるんですが(笑)
「薩摩編」での「ホームドラマ」っぽい作りに、ちょっとめげてしまった
ということもあるんですね、実は。
これはもう、私個人の好みの問題でしかないんでしょうが、
時代劇って、どこか「ほの昏(くら)い」空気感がないと、
どうもしっくり来ない気がするんです。
その点、『風林火山』は、時代劇を観ている!という醍醐味があった。

 

一方、この『篤姫』は、
主人公を演じる宮崎あおいさんや、尚五郎を演じる瑛太さんが、まだ若い
ということもあるでしょうし、
篤姫とその家族、彼らを取り巻く人々、を中心に、
どちらかと言えばアットホームに話が展開していたこともあって、
今まで、どうも時代劇を観ている気がしなかったんです。
(いや、宮崎さんも瑛太さんもすごく好きな俳優さんではあるんですが)

 

でも、今回、余さんと堺さんが出て来た・・
しかも、今後、かなり重要な役として宮崎さんに絡むらしい・・
ということで、
やっと、時代劇を観ている!という気分に浸れそうな予感がしています。
ですから、これからは、もうちょっと真剣に腰を入れて(笑)
観ることが出来るかもしれません。


ちりとてちん』(最終回)
終わってしまいましたね〜。 最近では、一番嵌まったドラマでした。
登場人物それぞれのキャラがくっきりと立っていて、
ストーリーの流れとしてもほとんど無理がなく、
組み込まれたエピソードがことごとくこちらの琴線に触れる、という、
最近には珍しいほど、
「物語」として、きっちりと出来上がったドラマだった気がします。

 

最終回で言えば、
草々(青木崇高)が、喜代美(貫地谷しほり)が出産する分娩室の前で
愛宕山」を夢中で語るところなど、
喜代美のお父さん(松重豊)が、やはり分娩室の前で、
お母さん(和久井映見)の好きな五木ひろしの「ふるさと」を歌う姿に
かぶって、思わず胸がジーンと・・・

 

大好きだった徒然亭四兄弟も、最後、それぞれに進展を見せました。
中でも四草(加藤虎之介)の
「あなたの子よ」と言われてすんなり子供を受け容れてしまう姿勢には、
一瞬、唖然呆然・・・でも、彼のあまりにも淡々とした様子に、
「四草なら それも あり かぁ」と、やがて納得させられてしまいました。(笑)
(このあたり、続編作ったら面白いエピが出来るんだろうな、きっと。笑)

 

こういう作品を観ると、
「ドラマも捨てたもんじゃないなぁ」と、嬉しくなります。
もっともっと、こんなふうに作り手が自信を持って世に送り出すドラマが
増えて行って欲しい!と、痛切に思いました。