『天地人』(第3回/殿の初恋)感想

天地人』(第3回/殿の初恋)感想
ひっさびさの大河ドラマ感想、です。(笑)
篤姫』の時は1・2回しか書かなかった気がしますが。(汗)
で、妻夫木聡くん主演の『天地人』。


初回を観た時、まず、阿部寛さんの上杉輝虎(謙信)が、
当然ながら『風林火山』の時のGacktとまったく違っていて(笑)面白かった。
同じ役なのに、演じ手によってこんなに変わってしまうんだなぁ、と、
あたりまえのことをしみじみ考えたりして。(笑)
Gacktも面白いと思ったけれど、
阿部さんのデカさ(身体もスケール感も)にも惹かれました。


輝虎の姉・桃の高島礼子さん、兼続の両親の高島政伸・田中美佐子さん
あたりもしっくり来て、いい感じだったし、
何より、二人の子役、
喜平次(景勝)の溝口琢矢くんと、与六(兼続)の加藤清史郎くんの
しゃきっとした歯ごたえのある感じ、芯がある感じ、
が、何とも私好みでした。


篤姫』の時は、出だしのホームドラマっぽい作りにつまづいて、
家定と井伊直弼のあたりしか熱心に観ることのなかった大河だけれど、
今回は、結構続くかな・・と、この時は思った・・のだけれど。


うーん、第2回を見逃して、
この第3回、いきなり妻夫木・兼続になったのを観たせいか、
どうも違和感が拭えない。


子役の加藤くんが持っていた「与六の歯ごたえ」が、
上手く妻夫木くんに継承されていない、というか。


時代劇では、実はその「歯ごたえ」や「芯」というのが、
すごく大事なような気が、私はするのです。
その人物を表現する上で、しっかりした「背骨」になるような、
時代劇としての人格(品格)形成の元になるもの、と言ったらいいか。
(そこが時代劇を演じる難しさだし、面白さでもあると思う)


その、時代劇としての「背骨」が、どうも妻夫木・兼続には感じられない。
しっかりした歯ごたえが感じられないのです。
(実はこれ、『篤姫』の時の瑛太くんにも感じたことです)


もちろん、この段階では、兼続はまだ子供と言っていい歳だし、
だから、あえてカチッとしたところを作らないで、
徐々にそういう部分を構築して行こう、という、
芸達者な妻夫木くんらしい計算があって、あえて今のところは
ああいうキャラにしている、とは思うのだけれど・・・


妻夫木くんは、結構気になってる俳優さんで、
どんな映画やドラマに出るんだろう、と、チェックしたくなる人なんですが
私が観た作品の中で、
彼は、どういう役をやっても「妻夫木聡」なんですよね。
その、役を自分の中に取り込んで自分色を出す上手さ、というのは、
天下一品だとも思うのですが、
俳優が、自分の色を極力控えて「役を作る」
のを観るのが好きな私としては、
時に、もっと違う彼が観たい!と思ってしまうこともあって。


でもまぁ、長丁場の大河ドラマは始まったばかり。
妻夫木聡直江兼続という武士をどう作り上げて行くか、
時代劇の中で、どういう歯ごたえを感じさせてくれるようになるか、
気長に観て行きたいと思います。


それにつけても・・・こういうことを書いていると、
風林火山』のあの歯ごたえを思い出さずにいられない。
決して分かりやすいドラマじゃなかったし、きれいでもなかったけれど、
出て来る人みんな、ちゃんと時代劇の空気をまとっていたよなぁ、と。
現代劇っぽかった『新選組!』にしたって、
俳優一人一人には、そういうものがちゃんと感じられたし・・・


来年は、福山雅治さんの龍馬かぁ・・・
うーん、彼は嫌いじゃないけど、
時代劇らしい大河が好きな人間としては、ちょっと複雑・・・