『風林火山』(第25回/非情の掟)感想

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『風林火山』(第25回/非情の掟)感想
え〜〜、気持ちはすっかり
来週の小山田信有(田辺誠一)&笠原夫人(真木よう子
に行ってしまっているので、
まともな感想を書けなくてすみません。(と、最初に謝っておく。笑)


今回一番心に残ったのは、
山本勘助内野聖陽)の愚かしいまでの一途さ、ですね。
晴信(市川亀治郎)と由布姫(柴本幸)の子である四郎を、
何とかして諏訪の領主に、さらには、甲斐の国主に、と、
さまざまな手を尽くし始める彼の姿、というのは、
何だか、本当にこれがあの名にしおう武田の軍師・山本勘助なんだろうか、
本当にこれが大河の主人公なんだろうか、というぐらい、
情けないほど愚かで、盲目的で、
「お屋形さまに天下を獲らせたい」という熱い野望が、
いつのまにか、一国の跡継ぎ争いを制する、
という望みに転化してしまっているところが、
今現在の勘助の「弱さ」というか、
ある意味「人間らしさ」みたいなものをも、
浮き彫りにしているようにも思いました。


「弱さ」という意味では、晴信もまた、
父・信虎(仲代達矢)から受け継いだダーティな部分をさらし始め、
勘助が四郎ひとりにかまけ始めると同時期に、
周りと不協和音を奏で始めていて。
それがまた、宿敵・長尾景虎Gackt)の清廉潔白居士といった佇まいを、
一層引き立たせているようにも思え。


そのあたりの登場人物の動かし方、心の方向、
人と人とのからみ、陰影のつけ方、みたいなものに、
まったくケレン味がなくて、あまりにも素っ気なくて、
特に、勘助に対しては、
「いいのか、主人公をこんなに魅力的じゃなく描いちゃって」と
こちらが余計な心配をするほどで。
(あくまで私が受けた印象です、すみません)


でも、そういう役を、そういうふうに、
つまり、この段階で勘助をあまり魅力的でなく(ある意味すごく人間臭く)
演じている内野さん、というのも、
私には、すごく興味深く思えてならなかったりして、
いろいろな意味で面白いドラマだなぁ、と、
また好きになったりしているわけですが。(笑)


今週は、その内野さんの他に、
三条夫人の池脇千鶴さんにも、心惹かれました。
何だろう、やわらかさの中にある芯の強さ、とか、
勘助や晴信よりもずっと「大人」に感じられるところとか、が、
とても好き。
このままでは、いずれ勘助とぶつかり合うこと必至の三条夫人ですが、
ふたりの本格的なからみが、早く観てみたいものだ、と思います。


あ、忘れちゃいけない、Myご贔屓・駒井くん(高橋一生)に、
久々いいシーンがあったのが嬉しかったです。(笑)