『ホテリアー』(第9話=最終回)感想

『ホテリアー』(第9話/最終回)感想
前半の株主総会の時の緒方総支配人(田辺誠一)が素敵でした♪・・・・
・・・・・・・・・・・・って、おいおい、それだけですかっ!?(爆)

(以下、ドラマ全体の感想に至ってないうえに、田辺好き〜の泣き言が入っています。読みにくかったらごめんなさい)

いや、実は昨夜遅くDVDに撮ってたのを観た後、
何だかやりきれなくて、しばらく眠れなくなっちゃいまして。(苦笑)
いや、先週の私の空想が、
ほんとに空想のままで終わっちゃったことが哀しいとか、
前半の杏子と緒方に張られた伏線、
結局ほとんど放置されたままだったのが悔しいとか、
そういうことじゃなくてね。
(いや、まったくない っちゃあ 嘘になるけど。笑)


水沢(及川光博)と杏子(上戸彩)が兄妹だった、って、
そんなに簡単に覆(くつがえ)ってしまっていいぐらいの
軽〜い誤解だったんでしょうか? 
だいたい、あんなにあっさりと杏子の話で解かるぐらいの内容が、
なぜキクチが雇った調査会社には調べ切れなかったのか。
そんないい加減な調査を鵜呑みにして、
兄妹である、と信じたことで揺れ動いた心を抱いたままだった
水沢と杏子が、
本当は兄妹じゃなかった、と解かって、また簡単に恋人に戻る、なんて、
人の気持ちって、そんなに軽々しくて都合のいいもんじゃないはず。


そんなとんでもない展開だったのに、
ちゃんと水沢圭吾という役に踏み留まり、
持ち応えたミッチーは大したものだ、と思う。
逆に、最初から順を追って丁寧に水沢への想いを深めることが
出来なかった上に、
最後の2話で、恋人→兄妹→恋人と、
気持ちを切り替えなければならなかった杏子(を演じた上戸さん)は、
本当に気の毒としか言いようがない。


それは、緒方にも言えるんじゃないだろうか。
あれだけ常に「お客様のために」と心を砕いている人が・・
ホテル存続の鍵を握る水口夫人に対してさえ
毅然としてホテリアーの誇りを守った人が・・
お客様である水沢との約束を破って、
杏子に水沢が兄であることを話してしまったのは、
この人にとって、ホテリアーとして最も大切な「禁」を破った、
ってことなのに!
そこまでさせておいて、
さらには杏子を抱きしめる、なんてことをさせておいて、
兄妹じゃなかったから、ふたりで一緒にアメリカに行きます、って・・・
そりゃ、緒方でなくても、眼がテンになりますって。


このあたりから急速に、田辺さんが、
緒方の気持ちを 杏子から引き離そうとしているように感じられたのが、
無性に哀しかった。
初めからずっと静かに緒方の中に発酵していたはずの杏子への気持ちが、
行き場を失って、あっという間にしぼんで行く・・

何もそこまで、自分の気持ちを封印してしまう必要はないだろうに―――
杏子を大切に想う気持ちは、持ち続けてもいいはずだろうに―――


まるで、自分の存在がふたりの邪魔をしているようで嫌なんだ、
とでもいうように、
正直な心の痛みさえ表に出すことは許されない、と信じているかのように、
きれいに、きっぱりと自分の心を遠ざけ、
杏子への想いを封印してしまった緒方に・・
そういうふうに緒方を演じてしまっているように見えた田辺さんに・・
さらには、そのせいで、
総支配人としてのあの揺らぎない強さまでが
薄められてしまったんじゃないか、なんて、
余計なことまで考えてしまった自分自身に・・
私はまた、虚しさと寂しさを覚えて、歯噛みしてしまうんだ。


―――まったく、何度、こういう想いをしたんだろうね、私は。



そして―――「恋の成就」が、また遠ざかる。
これだけ多くのドラマに出ているというのに、
田辺さんが演じた役のほとんどが、
最後まで想い人にその想いが伝わらなかったり、
想いを返してもらえないままなのは、いったい何故なんだろう・・・・?