『功名が辻』感想

六平太の死/追記(功名が辻)
前回言葉足らずだったような気がするので。


六平太というのは、
まさに、少女マンガ(あるいは韓流、あるいは昼ドラマと言ってもいい?)
に登場するようなキャラなのだ、という、
(私にとって)とても肝心なことを言い忘れていた(笑)ので、そのことを。


何十年も想い続けたあげく、愛する女のためにすべての泥をかぶって、
しかも、女に「好きだ」と告った後に、
責任取って毒あおって、女の腕の中で死ぬ、という、
限りなく昼のドロドロドラマに近いベタなキャラクターが、
大河ドラマという、遊びの少ない真面目な空間の中で普通に息づいていた
ことが、私には、すごく面白いと感じられたので。


それをまた、香川照之さんが、さらに、
いかにも虚構の世界を、本物のように感じさせる、という責任を負って、
六平太という役を、最後まで緩めずに微塵の甘さもなく演じていたことに、
非常に惹かれてしまったわけで。
安易に、(多くの少女マンガや韓流や昼ドラのように)泣かせるため、
とかいう世界だけじゃないところに、
六平太を持って行ったような気がしたので。


こういう役を、こういう最期にした、
しかも、それを大河ドラマでやった、ということに対して、
つまらない、くだらない、と思う人も、
納得行かない人も、もちろんたくさんいるんだろう、とは思うけれども、
私には、それもまた、興味深いことに思われた、と言えばいいだろうか。
いやいや、確かに、
そんなことを、わざわざ大河でやらなくてもいいだろう、
というのが、正論だとは思うけれども。(笑)