『スクールデイズ』(DVD)の特典ディスク

スクールデイズ』(DVD)の特典ディスク
スクールデイズ』(DVD)の「特典ディスク」を観ました。
本編より長い「特典」。(笑)
最初から最後まで全部観たのですが、いや〜〜楽しかったですね。
特にメイキング。
個人の好みもあるでしょうが、私は、
たとえば『約三十の嘘』のようにまったく「別物」として
メイキングを作るんじゃなくて、
こんなふうに、映画が出来上がっていく行程を、
いろんな角度から(監督の意図、俳優の演じ方、撮影技術、等々)
映画そのものに肉薄して行く作り方の方が、好きです。
説明(解説)し過ぎてないところもよかった。
メイキング観て、本編を改めてもう一回観たい、という気持ちに
させられました。


森山未來くんは、役への向かい方、みたいなのが、すごく鋭角的で、
やっぱりとても魅力的でしたね、うん。(笑)
素に戻った時の、田口トモロヲさんや山本太郎さんのテンションの高さや、
松尾スズキさんのシャイな感じも、とても良かった。

田辺さんは、メイキングの時に、
まだ役を掴み切れていない「素」の部分が出てくることが多いのだけど、
今回は、鴻ノ池からストレートに田辺誠一に戻らずに、
間に、赤井豪というキャラクターが入っていたせいか、
そういう、どこか痛々しくもある「素」の部分が見られなくて、
かえって興味深いなぁ、という気がしました。


さて「赤井豪の演技道」。
あれって、「赤井豪の」じゃなくて、
「‘赤井豪が演じる、鴻ノ池先生の’演技道」だよね。(笑)
で、それを、あの濃いキャラの内側で「演出」してるのは、田辺誠一
・・みたいな。(笑)
「鴻ノ池」の奥に「赤井」「赤井」の奥に「田辺」が重なって見える、
という、その多重構造みたいなものが、すごく面白かったです。

それにしても、鴻ノ池先生はインパクトあり過ぎ。(笑)
カメラ目線で「下に何があるか見たくなっただろう」と言われて、
思わず「はい」、
「14インチの画面で見てる人にはこうだ。わかるか」と言われて、
「わかんねぇだろ!」と、
いちいち声に出して反応してしまった自分に、苦笑い。


「赤井豪in香港国際映画祭
あのハンガーアクションは、ジャッキーチェンというより、
私は、武田鉄矢さんの「刑事物語」の方を
思い出してしまったのですが。(笑)

インタビューが楽しかったですね。
時々答えに詰まるところも、
鴻ノ池を一生懸命に演じている赤井が素を出してしまった、
ように見えるんだけど、
実際は、その後ろで、「どうしよう」とおろおろしてる田辺監督、
みたいなのも感じられて(笑)
何だか、鴻ノ池も赤井も田辺もひっくるめて、
全部いとおしく思えてしまう、というか。(笑)

しかし、あれだけ何言っても何やっても大受けしてくれると、
喜劇人・田辺(爆)としても、大満足だったのではないでしょうか。(笑)

ひとつ突っ込ませてもらえば、
「先生役とか刑事役とかやってきた」と言ってたけど、
赤井豪は、実際には「鴻ノ池幸一」一筋15年、だったはず。
演出に若干甘さがありましたわよ、田辺監督。(笑)


余談ですが、
本編でも特典でも「赤井演じる鴻ノ池の力強さ」みたいなものが、
すごく伝わって来たのには、ちょっとびっくり。
声に張りがあって、眼力(めぢから)があって、全身から発するパワーがあって、
ああ、この口跡の確かさと、余裕ある力強い演技を、
あの「明智光秀」でどうして出してくれなかったのか、と、
余計なことまで考えてしまいました。(笑)