『不機嫌なジーン』/香川照之さん

 不機嫌なジーン
仕事のため、後半のみしか観られなかったのですが。
そうなのよねぇ、
この物語における教授はいわゆる大本命ですから
この人が魅力的でないとラブストーリーは成立しないだろう――

ってことなんだよね。
だけどだけど・・・もし、教授が大本命でない、という役だったとして、
内野さんは、自分である程度セーブするような、
つまり、最初から、俺は本命じゃないよ、という役作りをするだろうか、
ってことなんです。
そこらへんが、私が田辺・蓮實(きみはペット)を観てて、
非常に欲求不満になったところなんだけど。
でも、田辺誠一さんは、別なところで、
見事に私のハスミンイメージをぶち壊してもくれてて、
それはある意味、きみペスタッフざまーみろ!的な爽快感(笑)を、
私に味わわせてくれたとも言えるのだ、ということを、
最近になって、思うようにもなったのですけどね。

 

でも、この教授の役は田辺さんにもやってみて欲しいな!――
そうなのよ!
田辺さんに「これ」が出来たらねぇ・・・怖いもんなしだと思うのですが。
(ため息)

   *

香川照之さん。
今の彼を見てると、どんどんいろんなものを削ぎ落として行ってる、
そうすることが怖くなくなったんだな、と思う。
彼に限らず、たとえば佐藤浩市さん、中井貴一さん、とか、
偉大な親が同じ道の先にいる人たち、というのは、
その「親の影」みたいなものから抜け出せた時の「自分の色」が
実に明快で、すごくいい役者になってるんですよね。
その辺も、私の興味の尽きないところであります。