アップル~ソリューション(talk)

2003・7up(アップルHP)
★このトークは、あくまで、翔と夢の主観・私見によるものです。
 

  夢:知らない人のために説明すると、アップル公式サイトの「ソリューション」というコーナーに田辺さんのインタビューが載ってたんだよね。(現在はありません)
  翔:そう。
  夢:でも、翔がどうしてこのインタビューをトークで取り上げたいと思ったのか、というところからして、正直、あたしにはよく理解出来てないんだけど。(笑) こういうお堅いインタビューを、あえて「Web」という新しいコンテンツを作ってまでトークしたい、と思ったのは、なぜ?
  翔:(笑) いや、これ、初めて読んだ時、ものすごくおもしろ~い、と思ったんだよね。 田辺さんが、実際にどういう機材を使って、どんなふうに『ライフ・イズ・ジャーニー』を完成させて行ったのか、というのが、逐一説明されていて・・・・
  夢:うん。
  翔:具体的に、あれ使って、これ使って、こう組み合わせて、こう仕上げて・・・みたいなことを知ることが出来た、というのが、すごく嬉しくて。 何となく、田辺監督の部屋とか、田辺監督の頭の中とか、ストレートに覗かせてもらっているような気分になった、というか。(笑)
  夢:・・・ふうん。
  翔:それって、「心」とか「感情」とか、映画に映し出される監督のウエットな部分じゃなくて、映画の非常にドライな部分で、でもそれも、「映画を作る」ための大事な要素でもあって。
  夢:うんうん。
  翔:その部分で、アップル社にインタビューされるほどのものを残した田辺監督への興味、というのは、実は、映画そのものから伝わって来たウエットなものと同等の強さ、というか、深さ、というか、そのぐらいのものが、私の中にはあったので。
  夢:うーん、そうかぁ・・・
  翔:「俳優・田辺」「監督・田辺」の他にも、間違いなくこういう・・・「撮影/編集・田辺」の部分がある、というか・・・
  でも、そういう部分というのは、たとえば『ライフ・・』のインタビューを、田辺さんがどれほど数多く受けていても、まず話題にのぼることはほとんどないわけで。
  夢:うん。
  翔:だけど、私は、田辺さんが作った映画を語る上で、その部分もまた、ものすごく興味深いと思うし、そこにスポットをあてないと、田辺さんの映画作りにおける非常に魅力的な一面が、すっぽり抜け落ちてしまうことになるんじゃないか、という気もしたから。
  夢:・・・・・・・・
  翔:実際、インタビューを読んでみると、本当にすごいことをやっていたんだな、映画の可能性や選択肢を広げるような挑戦でもあったのかな、と、しろうとなりに、そんなふうに思えた。 もちろん、他の多くの監督が先鞭(せんべん)をつけ、そこに、田辺さんが、田辺さんなりの新しい一歩を加えた、という意味で、ではあるけれど。
  夢:・・・なるほどねぇ。
  翔:映画を作る、というのは、「何を撮るか」というのがもちろん一番大切で重要な部分ではあるんだろうけど、「何で撮るか」というのも今はいろいろ選択出来る時代になっていて、そこにも、監督の意識やこだわりが、色濃く反映されているんじゃないか、とか。
  夢:・・・・・・・・
  翔:映画を作りたくても作れない、という人が大勢いる。 そういう人たちが、このインタビューを読んで、どれほどの勇気と希望を持つことが出来たか、を想像すると、ひょっとしたら、映画を実際に観たと同じくらいの力が、このインタビューにはあったんじゃないか、という気もして来るので。
  夢:映画青年たちへの影響力は大きかった?
  翔:と思う。 私まで、読んでいてワクワクするものがあったから。
  夢:うん。
  翔:まず「何を撮りたいか」というのがあって、初めて、映画を作りたい!と思うようになると思うんだけど、じゃ、具体的に、何を使って、どう仕上げるか、というところで、挫折してしまう人も、すごく多いんじゃないか、と思う。 下世話な話になるけど、せっかくいいテーマを持っていて、なのに映画が作れない、その一番のネックは、資金なんだろうと思うし。 このインタビューで、何十万、という単位で映画作りが出来るんだ、と知らしめただけでも、世の映画青年たちの希望になったんじゃないか、と。
  夢:う~ん、なるほどね。
  翔:それと、田辺さんの話が、非常に専門的だった、というのも、妙に嬉しかった。(笑) 機材のことを本当に詳しく知っていて、それをちゃんと使いこなしている・・・変に知ったかぶりしたり、ひけらかしたり、というんじゃなくて、まるでストイックな研究者のように、とことん突き詰めて、機材と向き合っている・・・その感じが、すごく心地良かった。
  夢:うんうん。
  翔:作品として表面に出て来たもの、の他に、こういうところでも、田辺さんの映画への向き合い方を知ることが出来るんだな、と、そういうことをしみじみ感じられたことも嬉しかった。
  夢:しみじみ、かぁ・・・・
  翔:・・・・・・(笑)
  夢:翔って、今までは、田辺監督に対して、意識的に距離を置いてるように見えたんだけど・・・
  翔:・・・・どうも「田辺監督の作品」に対しては、肩肘(かたひじ)張るくせが抜けなくて。(苦笑)
  夢:うんうん。
  翔:どうしても構えてしまう。 素直じゃない、ということなのかもしれないけど。
  夢:うん。
  翔:あ、認めてる。(笑)
  夢:(笑)・・・まぁ、いろんなものを受け取りすぎるんだろうね、きっと。
  翔:勝手に、ね。(笑)
  夢:そうそう。(笑)
  翔:だけど、このインタビューを読んだ時、こういう側面から田辺監督を見ると、何故だか、自分の中に田辺さんの「作りたい気持ち」がすんなり伝わって来るような気がして。
  夢:うん。
  翔:実は『きみはペット』の頃、『ライフ・・』の編集であまり睡眠時間が取れなかった、というようなことをどこかで読んで、勝手に腹を立てていたんだけどね、もうちょっと俳優業に身を入れろよ!と。(笑)
  夢:田辺監督へのやきもちが再発?(笑)
  翔:そうそう。(笑) だけど、このソリューションで紹介されている、たとえば〈ファイナルカットプロ〉とか見たら、「ああ、これじゃ田辺監督が編集に夢中になるのも仕方ない」と素直に思えて。(笑) で、そう思った時に、「待てよ」と。
  夢:・・・・・?・・・・・
  翔:私自身のことを考えても、仕事は仕事で頑張って、翔夢は翔夢で楽しんで、そのふたつが平衡(へいこう)になって初めて、仕事も 翔夢も とてもいい状態を保てているような気がする。 どちらかがなかったら、私は、自分の中でうまくバランスが保てない状態になってしまうかもしれない。
  夢:・・・・うん。
  翔:田辺さんも、きっとそういうことだったんじゃないか、と。 どちらも必要、どちらも大切、どちらもあって初めて、どちらも一生懸命、夢中になれる、というか。
  夢:うんうん。
  翔:だから・・・・
  夢:許せる?
  翔:うーん、正直、私にとって≪翔夢≫は趣味でしかない。 でも、田辺さんにとって、映画作りが趣味だ、と言っては失礼でしょう。 そういう部分で、まだ、釈然としないものがあるのも確かではあるけれど。
  夢:でも、なんだろ、うまく言えないんだけど、以前に比べたら、翔、田辺監督に対して、すごく肩の力が抜けてるような気がするけど。(笑)
  翔:・・・・自分でもそう思う。(笑) 
  夢:もしかしたら、『ライフ・イズ・ジャーニー』の観方も変わる?
  翔:うーん、どうだろう。 だけど、今だったら、あまり頭でっかちにならずに、あの作品と向き合えるかなぁ、という気もしている。

以下は、BBSに載せた『アップル~ソリューション』の感想です。
solution アップル~ソリューション 投稿日:2003年7月15日(火)
アップルコンピュータwebの田辺さんのページは、すごく興味深かったです。
確かに、専門用語満載で、「何だこりゃ!?」な世界だったけど、
リンクしてある製品を順を追って見て行ったら、
「おお!田辺さんって、こういう機材使って撮影してたのね」とか、
「うわ!こんなふうな編集も出来るんだ」とか、
『ライフ・イズ・ジャーニー』の舞台裏を覗いてるような気分になりました。

『ライフ・・』は、映画の内容ばかりがクローズアップされてるけど、
ハードウエアの面でも、画期的な作品らしい。
その辺に疎(うと)い自分が歯がゆいなぁ。
詳しかったら、まったく違う側面から『ライフ・・』を観ることも出来るんだろうに。

そりゃ、映画を作りたい、と思ってる人が見たら、きっと夢中になりますよね。
だって、田辺さんと同じやり方をすれば、大袈裟な映画機材なんかなくても、
フィルムと同等の、質の良い画像が撮れるんですよ。
しかも、機材全部買い揃えても、100万ぐらいで済むんだから。

ひょっとしたら、田辺さんって、
DV映画界を引っ張って行く監督のひとりなのかもしれない、なんて、
ついつい贔屓目(ひいきめ)に見てしまいます。(笑)

それにしても・・・・
「Final Cut Plo4」とか見てると、編集って、楽しそう。
絶対はまって抜けられなくなりそうだな。
そりゃ、2ヵ月かかりっきりになる気持ちも分かるよね。(笑)