★これらのトークは、あくまで、翔と夢の主観・私見によるものです。
≪一番前からコンニチハ≫ 2003・5・29up トーク/2006・3・5
夢:そもそも「デイリーポータルZ」って何だ!?という話ですが。(笑) 「1日10万アクセスもあるニフティの人気webサイト」だそうです。
翔:もともとは「@nifty」サイトから生まれた一コンテンツだったわけだけど、今はもう、これだけで一人歩きしている。 特集のいくつかを紹介した「おとなの自由研究」とか、最近では、このコーナーを中心にまとめた住さんの「ロマンの木曜日」も本になったし。
夢:当時・・・もう3年前になるんだけど、これを最初に見た時、すごく新鮮だった。
翔:そうだね。webで こういう田辺さんと接することが出来る、というのが、すごく嬉しかった。
夢:内容がまた、本当に楽しくて。(笑)
翔:ライターの住正徳さんも田辺さんも、お互い遠慮がなくて、すごくフレンドリーで、すぐ横で話を聞いているみたいな気分になれた。 住さんが、田辺さんと昔からの知り合い、というか、親友だから、ふたりとも、最初から、肩の力 抜き放題で・・・・(笑)
夢:抜き放題!ほんとに!(笑)
翔:本当は『ライフ・イズ・ジャーニー』(田辺監督映画第二弾)の話を聞く、という企画なのに、外の風景に気を取られたり、何か食べたり、で、なかなか進まない。 田辺さん、映画の話より、ロマンスカーの魅力に嵌(は)まってしまって、すっかり子供にかえって、ワクワクしている感じが伝わって来た。(笑)
夢:監督として、映画の紹介しなくていいのか!?・・・みたいな。(笑)
翔:でも、読んでいる側としては、通り一遍の解説より、ずっと面白かったけど。
夢:うん、確かに。
翔:どういうコンセプトで映画を作ったか、という最小限のことは、ちゃんと話していたし。
夢:それで十分?
翔:というか、映画の内容云々の紹介も もちろんだけど、その映画を撮った監督の人となりを伝えることで、映画への興味を駆り立てる、ということもあると思うので。
夢:・・・ん?
翔:田辺監督のこういう面を見せられたら、まるで少年のような この人が撮った映画ってどんなものなんだろう、という興味も、自然と湧いて来るでしょう?
夢:ああ!うんうん。
翔:その意味では、十分に映画宣伝の効果はあった、と思うけれどね。
夢:なるほど~。
翔:ま、ご本人は、そんな計算にはあまり興味がなくて、ただ純粋に楽しんでいただけ、なんだろうけれど。(笑)
夢:楽しんでいた‘だけ’!(笑)
★ ★ ★
翔:写真も良くて。改めて惚れ直した人も多かったんじゃないか、と。
夢:そうそう!最初の写真なんか、まさに「メガネ男子」♪
翔:私としては、「手だけ」の写真もツボだった。
夢:両手揃えて、しっかり掴まってたやつね。(笑)
翔:あと、最初は左端に座っていたのに、いつのまにか右端に席を移動してたのも、何だか田辺さんのわくわく感が伝わって来るようだった。 カメラマンの分も含めて、最前列4席全部確保していたみたいだから、きっと、駅に着いた時とか、田辺さん、「ちょっとそっち行っていい?」とか言って、興味の惹かれるほうに、さっさと移動していたんじゃないか、と。
夢:そうかぁ・・・なんか、田辺さんったら、かわいい。 そして、これほど田辺さんの興味を惹くものを見つけ出して来た、住さんにも拍手!(笑)
翔:そうだね。 映画の話を聞く場所に、ロマンスカーの最前列を選ぶ、という、そういう「田辺のツボ」をちゃんと心得てる住さん、というのも、なんか、すごく素敵だなぁ、と思うし・・・
夢:うん。
翔:そういう繋がりを壊さずに、長年「親友」という間柄を続けているふたりの絆(きずな)の深さ、みたいなものも感じられて、何だか胸が熱くなってしまった。
住さんの存在は、きっと、田辺さんにとって、すごく大きいんだろうな。 そして、住さんにとっても、田辺さんの存在って、大きいんだろうな、とも思う。
夢:そうだねぇ、いつまでも、このふたりには、こういう関係を続けて行って欲しいよね。
≪楽屋探訪、お邪魔シマス≫ 2003・8・14up * トーク/2006・3・13
夢:田辺誠一シリーズ」!(笑)
翔:「シリーズ」!ねぇ!(笑)
夢:素直に嬉しいよ。(笑) でも、翔は、さっき読み直して机に突っ伏した、って言ってたけど。
翔:いや~・・・こんなに「田辺ワールド」全開だったかなぁ、と思って。(笑)
夢:怒涛(どとう)の・・・・怒涛の~・・・・
翔:怒涛の~・・・・・まくしたて?(笑)
夢:わはははっ!!
翔:「楽屋探訪」そっちのけ、で、住さん相手に、ポラロイドカメラの魅力を休むことなくひたすら語り続ける田辺さん。 自作のキットを自慢げに見せ、写りの違いを実際にやって見せ、ついには住さんを撮影に引っ張り出す、という、暴挙に出る田辺さん。
話そのものがすごく面白くて、興味深いから、こちらもついつい惹き込まれてしまうんだけど、でも、このインタビューのそもそもの意図からは、完璧に外れている。(笑)
夢:住さんも口出しするヒマがないくらいの、マシンガントークで。
翔:いつもの、おっとりのんびりの田辺さんは、どこへやら。
夢:(笑)
翔:本当に好きなんだろうな、「カメラに凝ること」自体が。
夢:ほんとほんと。・・・・でも、どうなの? 翔としては、ちょっと複雑だったりもするの?
翔:・・・実際、最初に読んだ時は、複雑だった。 私としては、「楽屋探訪」という主旨に沿った話が聞きたかったから。
夢:うんうん。
翔:せっかく楽屋まで行ったのなら、やはり、舞台(熊沢パンキース03)の話とか、共演者の話とか、聞かせてくれよ、と思ったし、そのあたり、住さんだから探れることも、たくさんあったんじゃないか、とも思ったし。
夢:うん。
翔:私個人のことを言えば、『熊沢・・・』がナマ田辺初体験で、しかも、このインタビューがUPされる数日前に観て来て、非常に高揚していた時期でもあったし。
夢:うん。
翔:インタビューを読んでいて、田辺さんらしい、と思って、すごく楽しんで読んだのは確かなんだけど、どこかで、「カメラ>俳優」みたいな不等式を勝手に感じてしまってたようなところもあって・・・・
夢:また、やきもち焼いた?
翔:そうかもしれない。(笑)
夢:翔って、田辺さんが俳優以外に夢中になると、途端に 嫉妬心に火がつくよね。(笑)
翔:嫉妬心・・・・ねぇ。 いや、そうだったかもしれないな。
夢:お!「そうだったかも」って、過去形。(笑)
翔:(苦笑)・・・・今は、そういう「俳優以外」で夢中になるものを持っていることが、田辺さんにとって、「俳優を続けて行く原動力」になっているのかな、という気がして来ているので。
夢:・・・・うん。
翔:もちろん、私生活の部分まで、俳優一色でいて欲しい、と思っていたわけじゃないけど、世の中には、最小限の私的部分を除いて、全部役者、という「役者馬鹿」もいて・・・
夢:翔は、実は田辺さんに、そういう「役者馬鹿」になって欲しかった?
翔:・・・うーん、そこまでは行かない・・かな。 私個人としては、そういう田辺さんならどうだったか、という興味があるのも確かではあるけれど。 でも、そこまで行かなくとも、少なくとも、田辺さんの中で、いつも「俳優が一番」と思っていて欲しかった、というのはある。
夢:でも、今は、そう思ってない?
翔:いや、一番であって欲しい、とは思っているけど、絶対的に、圧倒的に一番、でなくともいいのかな、と。
夢:わ。かなりの譲歩。
翔:いやいや・・・ このインタビューから2年半経って、その間、常に、田辺さんの「俳優(役)へのアプローチ」に逃げ がないことに気づかされて、逆に、そういう田辺さんにとって「俳優でいること」以外の部分が、すごく大切なんだ、ということにも気づかされた・・ような気がするから。 今さら、ではあるけれど。
夢:ほんと、今さら。(笑)
翔:(苦笑)
夢:じゃあ、翔としては、2年半経ってあらためて今回読み直して、受け取ったもの、というのは、前回とはちょっと違ってる、ということなのかな?
翔:・・・というか、このインタビューで浮き出て来た「田辺誠一」という人間が、ものすごくチャーミングで、どんなインタビューより、「田辺誠一」を正確に伝えている、という気がしたから。 やはりその辺は、住さんだから出てきた部分なんだろうな、とも思うし。
夢:ただ、話に巻き込まれてるだけ、でも?(笑)
翔:いや、田辺さんにとって、そういうふうに、素直に自分の話に巻き込まれてくれる人、というのは、すごく大切な存在なんじゃないのかな。
夢:うーん・・・そういえば、他のインタビューとか対談とか読んでても・・・・
翔:「田辺誠一ってどんな奴なんだよ?かっこつけてるだけなんじゃないのか?」みたいに斜めに探りを入れられている時より、自分の話にワクワク気分で乗っかってくれる人の時のほうが、俄然、「田辺誠一」という人間が伝わって来る感じがする。
夢:なるほど、なるほど。
翔:『キック・ザ・カンクロー』の時の宮藤官九郎さんとか『COFFEE SHOP』の長塚圭史さんとかも、田辺さんに対して、そういう接し方をしていたような気がするし。
夢:うんうん。
翔:でも、今回の住さんに対するみたいに、相手の意向を完全に無視して話す、というのは、さすがに他の人では、なかったような気がするけど。(笑)
夢:(笑)
翔:住さんだからそうなったんだろうね。 結局、それだけ相手に遠慮していない、遠慮しないことを自分に許している相手、ということなのかもしれない。 だから、今回読み返してみて、私としては、これはこれでOK、という気がした。
もっとも、すでにあの公演からかなりの時間が経っている、ということで、今さら「楽屋探訪」読むより、こういうやりとりの方が、すんなり楽しく読めた、ということもあるのかもしれないけれど。(笑)
夢:うんうん。(笑)
≪7センチ背が伸びた≫ 2004・7・15up トーク/2006・3・13
夢:今回の田辺さんは、ゲスト出演みたいなもので、前の2回に比べると出番は少ないんだけど。
翔:でも、「『デイリーポータルZ/ロマンの木曜日』って、こういうものなんだよ」、というのは、一番伝わった気がする。(笑)
夢:こういうことを、ほんとに毎回マジメにやってるんだよ、と。(笑)
翔:いや、シークレットブーツ、というのは、まだロマンを感じるけど、中には、なんでこれがロマン!?というものも、正直あったりするけど。(笑)
夢:くっだらねぇ~!みたいな・・・(笑)
翔:でも、そういうのも、本当に手を抜かないで一生懸命にやっているから。
夢:そうそう。
翔:今回も、前の2回もそうだけど、この『ロマン・・』には、『眠らない羊』で描かれた、高校生の頃の田辺さんと住さんを彷彿とさせるものがある。
夢:うんうん。
翔:興味を持ったことは、くだらなくてもばかばかしくても、とりあえずやってしまう・・・自分の中の好奇心に正直に、ものを作って行く・・・そのあたりは、田辺さんにも共通する部分で、しかも、ふたりとも、少年の頃からそういうものを失わずに持ち続けている、その辺りが、すごく魅力的だなぁ、と思う。
前2回は、完全に田辺ペースだったけれど、今回、その田辺さんが受けに回っているのも、また違った面が見られたような気がして、とても良かった。
夢:うん。
翔:住さんが、シークレットブーツを履いて20年来の友人(田辺さん)に会いに行く。 田辺さんは、それに気づいているらしいけれど、ストレートに突っ込まない・・・・ そのあたりの・・・距離感、というんでもない、お互いにベタベタにならない、斬り込んで行かない感じが、なんとも・・・・
夢:うんうん。
翔:かと思うと、住さんは、田辺さんが心を許したい時(楽屋探訪)は、ちゃんと至近距離まで行って受け止めているし。
夢:そうだね。
翔:たぶん、お互いがお互いの一番の理解者で、お互いを認め合って、尊敬し合っているのかもしれない。 だから、私は、ふたりのやりとりに接すると、田辺さんばかりじゃなく、住さんにも、すごく惚れてしまうのかもしれない。