不思議屋博物館(talk)

2001・7・16-20放送(NHK-FM)
★このトークは、あくまで、翔と夢の主観・私見によるものです。
 

  夢:田辺さん、初めてのラジオドラマ?  
  翔:たぶん。
  夢:やっぱり、TVや映画とは違うな、と思ったけど。 伝わって来るものが弱い、というか。
  翔: 1話15分で短い、ということもあったかもしれないけれど・・・視覚に訴えるものがない、というのは、やはりネックになってしまっているかな。
  夢:うん。
  翔:でも、だからなおさら、声のイメージから伝わって来るものが大きい、と言う気もする。 5話とも、田辺さんらしいストーリーだったような気がしたのは、彼の声のイメージが「そういうもの」だったからかもしれない。
  夢:なんと言うか・・・・誠実な感じ?
  翔:そうだね。 あと、ストーリーのよしあし、というのも大きいと思う。 映像を見せる必要がないから、空想を広げて思いっきり遊ぶことも出来るけど、逆に、視覚に訴えられないから、よほどちゃんと書き込まれていないと、聴いている人のイメージがふくらまない、ということもあるし。
  夢:うん。
  翔:『駅』は、『不思議屋博物館』というタイトルの第1話としては無難だったけど、私としては、冒険とか、新しい発見とかがなくて、ちょっとつまらなかった。
  夢:うーん、あたしも。
  翔:『波紋』と『痛みのゼリー』は、設定が面白かった。 特に『波紋』は、5本の中で、一番好きな作品だった。 新しい記憶を失ってしまう男を、忘れ去られた炭坑の姿に重ね合わせるあたり、私好みだったし。
  夢:あたしは『花束』かな。 あまりにも「しょ~がないヤツ」で、あたし好みだったし。(笑)
  翔:(笑) 『祭り太鼓』は、普通な感じが良かった。 父親への反発と、愛情と、普通に青年が持っている感情が、すんなり伝わって来て。
  夢:うん。
  翔:でも、やはり「映像」で観たい気もする。 『世にも奇妙な物語』あたりだと、ぴったりのような気がするけど。
  夢:あ、ほんとに。
  ★    ★    ★
  翔:余談ですが、同シリーズで、『夏の匂い』という作品があって、田辺さんは出てなかったのですけど、作者が『波紋』の原田裕文さん、出演・阿部サダヲさん、ということで、聴きました。(この作品に田辺さんが出演していたら、という思いも持ちながら)
  で、結論は、阿部さんがやった役ではなく、永井一郎さんがやった老作家を、田辺さんにやってほしい、と思いました。 以来、私の心の片隅で、しっとりとおちついた、しかも背筋のピンと伸びた老人・田辺がうろついています。(笑)