今さら『37歳で医者になった僕』(第5話)感想

2012年4月〜6月に放送された連続ドラマです。

今さら『37歳で医者になった僕』(第5話)感想

ナースたち(藤本泉内藤理沙)が、相澤看護師長(真飛聖)の指示で
患者一人一人に対するきめ細やかな看護記録をつけているのを見て、
紺野(草彅剛/草なぎ剛)は、
ナースをカンファレンスに参加させることを思い立ちます。
しかし、
「カンファレンスは高度な医療知識を持ったドクターが議論する場所。
ここは市中病院ではなく大学病院、より重要なのは研究だ。
日常の患者の世話はナースに任せればいい。
我々が同じ土俵に立つ必要はない」
と佐伯教授(松平健)に一蹴(いっしゅう)されてしまいます。

「ドクターとナースの関係なんてそんな簡単に変わるもんじゃない、
ここは大学病院だから仕方ない」と言う相澤師長に、
「相澤さんはいつから仕方ないって思えるようになったの。
ナースになったばかりの時、こういうふうに諦めてる自分を想像した?
仕方ない、で諦めようと僕は思わない、
状況は変わらなくても自分は変われるから」
そう言い返した紺野は、
総合内科のメンバーの前でドクターナースカンファレンスを開くことを宣言。
いやいや紺野研修医 本当にめげません。

そんな彼のもとに、彼に共感した沢村(水川あさみ)や下田(八乙女光)、
相澤やナースたち、そして森下(田辺誠一)までもやって来ます。

初回、「きみ一人が頑張ったって病院は変わらないよ」と言った森下が、
この時は「現場を変えて行くのは現場の人間だから」と言う、
そこに、少なからず紺野のやることに興味を持ち 影響を受け始めた・・
というより、若い頃には持っていたはずの変革への意欲を
森下が紺野によって呼び覚まされつつある・・
そんな気がしました。


最初に森下から「病院は変わらない」と言われた時、
「病院を変えようなんて思ってない。
僕は自分が変わるために医者になったんです」と紺野は言ったけれど、
もしかしたら、それって とても重要な‘意識’ かもしれない。
自分は間違っていない と思い込み、行動を起こさなくなることで
見えなくなってしまうものってたくさんあると思うし、
自分を変えようとするエネルギーって、
時に周囲を巻き込んでしまうほどの力を持つものだと思うから。


一方、離婚して元夫のもとに預けていた娘・葵(大出菜々子)が、
母親である相澤看護師長のもとを訪れます。
お互いに本音を言い合えず、気持ちがすれ違ってしまう二人ですが、
沢村の少々荒っぽいアドバイスや、
紺野の「自分は変われる」という言葉、
「広くて深くても、川は渡らなきゃ、だろ」という下田の言葉から、
葵の心がほぐれて行き、
少しずつ歩み寄ることが出来るようになります。

再会した当初、ガムはいらない と言ったのに、
別れ際に「ガム頂戴」と言う相澤。 
「微糖だけど」と母親にガムを渡す葵。
「甘くないわね」「そんなもんでしょ」と続く二人の会話が、
何とも素敵でした。


そして、もう一組の親子・・
紺野の婚約者・すず(ミムラ)とその両親(志賀廣太郎 藤吉久美子)。
相澤親子とは反対に、
病気ゆえ、近くにいるゆえ、の親の過保護が次第に重荷になって来るすず。
仕事の帰りに同僚の林田(阿部力)の前で崩れ折れてしまい・・

次回、すずの容体は?
そして、医師と患者であり婚約者でもある紺野とすずの関係は、
いったいどうなって行くのでしょうか・・


追記。
総合内科病棟のセットが素晴らしい、と いつも思います。
先生方がいる部屋の窓から
中庭越しにナースステーションが見えるんですが、
そんな遠景でも ちゃんとナースたちが動き回っていて臨場感があるとか、
病室のドアの開閉がすごくスムーズだったりとか、
細かいことかもしれないけれど、
スタッフがすごく丁寧に作ろうとしてるのが伝わって来て、嬉しくなります。
基本、ロケ好きの私ですが、このセットへのこだわりには痺れました。


37歳で医者になった僕     
放送日時:2012年4月-毎週火曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本:古家和尚 演出:白木啓一郎 プロデュース:木村淳
原作:川渕圭一「研修医純情物語〜先生と呼ばないで」
「ふり返るなドクター〜研修医純情物語」
音楽:菅野祐悟 主題歌:「僕と花」サカナクション 制作著作:関西テレビ放送
キャスト:草彅剛 水川あさみ ミムラ 八乙女光 桐山漣
志賀廣太郎 藤吉久美子 鈴木浩介 でんでん 斎藤工 真飛聖 
田辺誠一 松平健  
ゲスト:阿部力  『37歳で医者になった僕』紹介サイト