『斉藤さん2』(第8・9話)感想

『斉藤さん2』(第8・9話)感想
う〜ん、正直、今回はちょっとしんどかったです。
斉藤さん(観月ありさ)のアジビラも、
大庭(猫背椿)や播磨(音尾琢真)のコロコロ変わる態度も、
安西(池田成志)一派の玉井さんへのしつこい絡みも、
斉藤さんが玉井さん(南果歩)のために
一人で安西の事務所に乗り込んで行くところも、
何だか私の中でうまく消化出来なくて、後味が悪かった。


玉井さんが自分のために保護者会を開いて土下座して、
斉藤さんにたしなめられたり、
プチ家出した子供たちに、斉藤さんが「逃げてちゃダメ」と諭したり、
大庭や播磨に「あなたたちの気持ちはどこにあるの」と迫ったり、
斉藤さんと玉井さんがお互いの気持ちをさらけ出して、
その後、玉井さんが斉藤さんに「助けて下さい」と言ったり・・
そのあたりの流れは良かったと思うし、
他にも良いシーンがいろいろあったと思うんだけど、
何だか、斉藤さんと玉井さん以外の人たちの言葉や行動が、
(私には)納得行くものとして受け取れなかった。


だから、斉藤さんが一人で安西のところに乗り込んで行った後、
玉井さんや摩耶(桐谷美鈴)たちみんなが加勢しに行って、
安西を黙らせる、というクライマックスにも、
何だか観ているこちらの気持ちが晴れなくて、
それはどうしてなんだろうと、私なりに考えてみたのだけれど・・


以下、私の勝手な思い込みですが、
斉藤さんや玉井さんの足を引っ張るキャラとして、
池田さんや猫背さんや音尾さんが起用されたからには、
トラブルメーカーというマイナスイメージの役の中にも、
一種のチャーミングさや軽さを入れ込んでくれるんじゃないか、
という期待があったのですよね。
どんなに日和見な人たちでも、悪がしこいやつでも、
重苦しかったり ネチネチしていたり、というだけじゃなく、
どこかにコメディっぽい緩(ゆる)さやすきまがあって欲しかった、というか、
観ている側に、彼らを赦(ゆる)せる余裕を持たせて欲しかった、というか・・


いや、それでは、
斉藤さんの正義も、玉井さんの勇気も、
斉藤さんのために安西の事務所前に集まったみんなの気持ちも、
明確なものとして観る側に伝わらなくなってしまう可能性があるから、
難しいところではあるんだけど・・


     ひょっとしたら、私が、
     池田さんや猫背さんや音尾さんが好きだから、
     ただ、役に忠実にトラブルメーカーを演じる、というだけでなく、
     トラブルメーカーなりの何らかの魅力を見せてもらわないと物足りない
     と思ってしまっただけのことなのかなぁ・・
     でも、岩田巡査(勝村政信)などもそうなんだけど、
     彼らから、もっと、バックボーン(存在の意味や言動の背景)
     みたいなものが感じられたなら、
     彼らがどんな人間でも、彼らをもっと好きになれた気がするんだけど。


せめて、そんなすっきりしない大人の対極として、
子供たちの 大人の鼻を明かすような行動があれば救われたんだろうけれど
(今回のところは)プチ家出止まりだったのがちょっと残念。
女の子たちの 親へのドライな視線など、いい味が出ていただけに、
彼らの不満を、もう少し明確なセリフとして言わせてあげたかった気がする。
4年生ぐらいなら、案外いろんなことを考えていると思うんですが・・


すべてがマンガチックに分かりやすく描かれている、とはいえ、
そんなうわべを振り払ってしまえば、
きちんと伝えたいテーマを持っている、と思えるドラマなんですが・・
そのテーマと、ドラマとしての笑わせどころと、(ワキ)役の魅力が、
自分の中でうまく練り合わさって行かないジレンマがあって、
せっかく斉藤さんと玉井さんの気持ちが繋がったというのに、
素直に感情移入することが出来ない自分自身に、
ちょっとイライラしてしまいました。


次回は最終回。
子供たちの大人たちへの痛快なしっぺ返しと、
気持ちのよい大団円があることを期待したいと思います。



『斉藤さん2』
放送日時:7月13日より 毎週土曜 21:00- 日本テレビ
脚本:土田英生/演出:吉川洋(8話)岩井仁志(9話)
原作:小田ゆうあ「斉藤さん」
キャスト:観月ありさ桐谷美玲 田辺誠一 瀬戸康史
猫背椿 音尾琢真酒井若菜松岡茉優 岡山智樹 早見あかり
橋本涼(ジャニーズJr.) 玉元風海人(ジャニーズJr.) 谷端奏人
勝村政信南果歩  池田成志(ゲスト) 他  
『斉藤さん2』公式サイト