平幹二朗さん(朝日新聞記事)

平幹二朗さん。
平幹二朗さんが、現在明治座で公演中の『剣客商売』で、
病気降板した藤田まことさんの当たり役・秋山小兵衛を代演しています。
朝日新聞(6月14日付)に関連記事が出ていたので、ご紹介します。


(「」内、平さんのコメント)
「今回は狂気は封印します。俳優の幅を広げる好機」
「激しく狂気じみた役が多かったので、穏やかな老人も演じておきたかった」
「芝居が強く鋭角的になりすぎるので、
渋み、滋味、飄逸(ひょういつ)さに置き換えようと努めている。
商業演劇の塩加減をほどよくまぶし、
どこかに笑みをたたえている自分へと調教しないと」
ふだんは「いたってのんびりです」。
が、ひとたび舞台に立つと、がらりと変わる。
人知れぬ、実から虚への跳躍だ。「実と虚の自分は違う。
安心して虚の自分を出せるのが舞台です。
でも、今回は『実の虚』とでもいえる自分出さないといけませんね」


何だかすごいですよね〜!
平さんって、現在74歳ですよ。
すでに確固たる地位も名声も得ているその人が、
まだ自分の中に足りないものを感じ、それを掴もうと貪欲になっている・・
コメントを読んで、背筋がピンと伸びる気がしたと同時に、
俳優・役者というのは、
どこまで行ってもゴールのない、奥深いものなのだなぁ、と、
改めて思いました。


                  (記事引用/朝日新聞6月14日「俳優の幅広げるチャンス」より)